【工具屋解説】草刈機と刈払機の違いと選び方
- サルトくん
2023.08.04 2023.08.30
今回の記事は、草刈機と刈払機の違いと選び方について紹介します。
長い棒の先で回転する刃で、道路の脇の草っぱらなどを刈り取っている光景を、一度は見たことがあるという方も多いと思われます。しかし、草刈機か刈払機の区別ができる方は少ないのではないでしょうか?
結論を先に述べれば草刈機と刈払機は特徴・用途も共通する要素が多いよく似た機械です!
草刈機の名称でまとめて表現されることも多く一般の方の理解はその程度で十分です。
しかし、実際に草刈機(刈払機)を使用される方や購入を考えている方には、知っておいて欲しい、知っておいて損はない情報を本文で説明していますので、是非ご覧頂きたいと思います!
目次
草刈機とは?
特徴
草刈機は、地面に生える草を短く刈り取るために特化した道具です。ガソリンエンジンや電動モーターを動力源とし、その力で切断部分に取り付けられた円盤状のノコギリ(チップソー)を使用したり、ナイロンカッターを用いて草を刈ります。
その設計は、刈るべき草の種類や刈り取る面積に応じて、背負うタイプ、手押しタイプ、自走式タイプなどさまざまな形状があり、耐久性と安全性の観点から、切断部分にはガードが取り付けられています。
草刈機は基本的に刈払機よりも大型のモノを草刈機と呼ぶ場合が多く、広範囲を効率よく刈り取ることに適しているのが特徴です!
用途
草刈機は、庭や公園、農地など、広範囲にわたる草の管理に広くりようされます。
一般的に、手で刈るには困難な大量の草や雑草を、効率よく刈り取るための機械であり、農業では作光の間を刈取り、窓外を防ぐための道具としても利用されます。
さらに、雑木林や山林での下草刈りにも使用され、その能力を最大限に活用するには、刈り取る対象や作業範囲に応じたアタッチメントに選択が重要となります。
刈払機とは?
特徴
その形状は、取り扱いやすさを考慮し、長い柄と刈払い部分で構成されており、切断部分には草刈機と同じく、ノコギリ(チップソー)・ナイロンカッターなどが取り付けられ、用途に応じて交換が可能です。
エンジン部分には、ガソリンエンジン式と電動式の2種類があり、作業環境や騒音、使用頻度により選定します。
ガソリンエンジンは出力が強く広範囲の作業に適していますが、メンテナンスが必要です。電動式は維持管理が容易で、家庭用に適しています。
用途
刈払機は農業、造園業、庭園管理に広く利用されています。その主な用途は草刈りですが、それだけにはとどまりません。
付属のカッターにより、細かい枝の刈払いから、太い枝の伐採まで対応可能です。また、軽量であるため、山林や不整地でも取り扱いやすく、除草作業にも利用されます。
さらに、アタッチメントを変更すれば、刈払いだけでなく除雪や洗浄作業にも使用されるケースもあります。多機能性と汎用性を持った刈払機は、家庭の園芸からプロの作業者まで、幅広いユーザーに支持されています。
草刈機と刈払機の違い
草刈機と刈払機、一見類似するこれらの機器ですが、プロの現場での使用を考えると、その違いが重要になります。以下、専門的な視点から3つのポイントで解説します。
刈る対象物
結論からいえば、草刈機と刈払機に明確な違いはないといえます。広い範囲で見れば草刈機で統一することもできますが、実際は細かな違いがあり、使用する際はその違いを覚えておいて損はありません。
草刈機は平地の草刈りに適し、一定の高さでの均一な刈り取りが求められる場所での使用が理想であり、草刈機の中でも大型の種類を指します。
対して刈払機は、草刈機の中でも小型の種類を刈払機と呼び、雑草や小枝に対しても強力な切断能力を発揮し、狭い場所や作業がしにくいような環境下で作業をするのに適しています。
形状と使用方法
草刈機(刈払機)は操作性の容易さが特徴で、一般の方にも扱いやすい構造ですが、多岐にわたるアタッチメントの取り付けが可能で、状況に応じたカスタマイズが求められるプロの現場でも活躍します。
形状も草刈機と刈払機で大きな違いはなく、共に軽量で持ち運びできるサイズであり、作業内容や環境、身体への負担などを考慮してハンドルや動力タイプを選びます。
大型のトラクタータイプは全て草刈機であり、刈払機とは違いが明確であるため説明は省きます。
他にもよく混同されるケースは芝刈機です。こちらも芝を刈ることに特化したモノを指し、草刈機(刈払機)とは全くの別物となりますので理解しておきましょう。
使用場所
草刈機は都市部の公園や学校、一般住宅の庭など、規模が限られたエリアで効果を発揮します。刈払機は、農地、山林、道路沿いといった、多様な地形や状況下での作業に対応し、一台で多岐にわたる作業が可能なため、プロの現場での必需品です。
使用場所については、草刈機は主に広範囲の芝生や公園などの整備で活躍します。その一方で、刈払機は樹木や建物の周り、あるいは急斜面など、細かく複雑な地形での使用が一般的です。こうした使用場所の違いは、どの機械を選ぶかの重要な要素となります。これらの違いを理解し、自分の作業環境に最適な機械を選ぶことが重要です
違いの比較 | 草刈機 | 刈払機 |
対象物 | 草 | 草・雑草・小枝 |
形状 | 小型から大型まで | 小型のモノ |
手順 | 固定して長時間 | 柔軟で短時間 |
使用場所 | 広範囲の草刈り | 家庭向き |
草刈機と刈払機の選び方
草刈機を扱う現場では、機器の選定が作業効率と品質に直結します。草刈機と刈払機の選び方について、以下の視点から詳細に解説します。
稼働時間
作業効率と連続作業を考慮する際、稼働時間は重要な要素です。
草刈機(刈払機)は大きく分けて、充電式・コード式の電動タイプと、エンジン式のタイプの2種類になります。
①充電式
充電式は電動タイプに分類され、エンジンタイプに比べると重量軽減と騒音等の環境への配慮が魅力的です。
広範囲での使用や長時間の作業には向いていませんが、場所を選ばずに作業がしたい場合は充電式が便利です。
②コード式
コード式は充電式と同じく電動タイプに分類されます。バッテリーがない分本体は軽く操作も簡単な特徴があります。
その分コードの届く範囲や電源が確保できる場所しか使用できないなどの制限がかかるため、移動が多く作業場所が一定でない場合はコード式は適していません。
③エンジン式
エンジン式は、電動タイプに比べそのパワーと耐久性が魅力で、広範囲の刈取り作業にはかかせません。
エンジン式は「2サイクル」と「4サイクル」のタイプがあり、2サイクルは古い製品に多く見られます。
2サイクルは構造がシンプルでパワーがあり、購入価格は安価な製品が多いですが、燃料がガソリンとエンジンオイルの混合で、燃費が悪い一面があるので、サイクルコストは割高になる傾向があります。そのため、現在は4サイクルのタイプが主流になりつつあります。
山間部など作業される農家の方やプロの作業には、やはりエンジン式は必須です!
形状
ハンドルの形状は、作業精度と効率、操作者の疲労度に影響があり、適切なハンドルを使用することで危険回避にも役立ちます。
①Uハンドル
Uハンドルは、クワガタのような見た目のハンドルで、最も一般的に使われているハンドルです。二つのグリップでしっかりと機器を操作し、水平に動かしながら草を刈っていきます。
両手で扱うので軽量で安定感があり、使用者と刃に一定の距離を保ったまま作業できるので安全です。
短所としては、身体が固定されたままのため長時間作業は疲れやすい点と、水平以外の動きには適していない作りになっていることです。
②ループハンドル
ループハンドルは、シャフトに持ち手が付いており、片手で持ち手を握りもう片方の手はシャフトを握って作業を行います。狭い場所で高い機動性を発揮し、両手ハンドルが苦手な傾斜での作業もすることが可能です。
1つの作業に特化した強みはありませんが、体制を固定させずに使用できるので疲れにくく、柔軟性に富んだ便利なハンドルといえるでしょう。
③ツーグリップハンドル
ツーグリップハンドルは、Uハンドルやループハンドルの持ち手を取ったような形状で、直接シャフトを握って操作します。狭い場所での作業や細かい微調整には最も適していますが、刈り取りの高さを調節するのはプロでも難しく、扱うにはスキルが求められます。
他のタイプのハンドルで目的の大半の作業を行い、仕上げに使用するというのもツーグリップハンドルの1つの使い方といえます。
持ち方
長時間の作業での疲労軽減と、効率の向上を図るためには持ち方1つも大切な要素であり、作業に適したモノを選びましょう。
①肩掛けタイプ
肩掛けタイプは、本体が身体に固定された状態で操作できるので安定した作業が可能です。また、切断部分との距離も固定されているので安全に作業することができます。
しかし、片方の肩に重量が掛かる形状であり、長時間作業や本体の重量が重たい機種で作業する場合には適していません。
②背負いタイプ
背負いタイプは、バランスよく重量を分散させる形状になっており身体への負担が少ないのが特徴で、一日を通しての快適な作業が可能です。
しかし、本体の自由度が高く、切断部分と身体との距離が近くなる可能性があるので、スキルに自信がない方や初心者は特に注意が必要です。
まとめ
今回は、草刈機と刈払機は非常に似た性質を持つ機械でありながらも、使い分ける為に理解しておくべき情報を紹介しました!
広範囲の草を長時間に渡って刈る場合は、パワーの強いエンジン式の草刈機が適しており、スキルに不安がなければ身体に負担の少ない背負いタイプのベルトを使うと良いでしょう。
反対に、ご家庭のちょっとした草刈りや狭い場所での作業などでは、軽量で扱いやすい電動タイプを用いて、作業の柔軟性が見込めるループハンドルや、ツーグリップハンドルが適しているでしょう。
以上のように、目的や使用する環境に適した草刈機を選定することが大切で、そのために必要な知識を理解して頂けたと思います。
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