カンタン解説!ティグ(TIG)溶接・アーク溶接の違いとは
- サルトくん
2023.08.07 2023.08.30
今回の記事ではTIG溶接とアーク溶接の違いについて詳しく解説します!
実際に作業されることのない方は、溶接の作業といえば、鉄の仮面を構えて火花がバチバチしている作業というイメージが強いと思いますが、実はそれ以外にも様々な溶接方法が存在します!
溶接技術は、建物の骨組みなどの大きいモノから、車やバイクといった私たちの身近にあるモノまで、現在の暮らしにかかせない技術と言えます。
そんな溶接技術の中でも、主にアーク溶接とTIG溶接の違いを理解できる内容となっていますので、是非ご覧になってください。
目次
そもそも溶接とは?
溶接の原理
溶接とは、金属やプラスチックなどの材料を高熱で溶かし、一つに結合させる技術のことを指します。この過程を「接合」とも呼びます。
基本的な溶接の原理は、「溶融」と「固化」の2つの段階に分けられます。まず、電極やガスの炎などの熱源を用いて、接合したい部分を溶融させます。このとき、金属の表面が液体の状態になります。
次に、この液体の部分が冷却されると再び固体となり、ふたつの部材がしっかりと接合されます。
専門的な言葉を挙げると、「アーク溶接」や「ガス溶接」という言葉があります。
アーク溶接は、電極と作業物の間に電気アーク(放電)を発生させて熱を生み出し、部材を溶融させる方法です。
一方、ガス溶接は、ガスの炎を使用して材料を溶融させます。
溶接は、建物の骨組みや橋、車の部品など、私たちの日常生活のあらゆる場面で使われている技術です。安全で強固な接合を実現するため、その原理と技術の習得は非常に重要となります。
溶接の種類
溶接は金属を強く結びつける技術のこと。建物、車、電子製品、日常の様々なところで見かけることができます。以下では、この溶接の中で主要な種類をご紹介します。
- ティグ溶接:この方法は「Tungsten Inert Gas」の略。タングステン電極を使い、不活性ガスで保護しながら金属を溶接します。綺麗な仕上がりが期待できるため、見た目が重要な製品によく使われます。
- アーク溶接:電極と作業物の間に電気アークを生じさせ、その高温で材料を溶かし接合します。ポータブルで手軽に始められるのが特徴。多くの現場で見かける基本的な溶接方法です。
- 半自動溶接:「MIG/MAG溶接」とも呼ばれるこの方法は、連続的にワイヤを供給しながらガスで保護して溶接します。一貫性のある仕上がりと高速な作業が可能です。
- レーザー溶接:高出力のレーザー光を照射して材料を瞬時に溶融・接合する技術。精密な部品の接合や、高い生産速度が求められる場面で使用されます。
- ガス溶接:ガス溶接は、可燃性ガスと酸素が結びついて燃焼する際に発生する熱を利用して、金属などの材料の溶接を行います。爆発や火災のリスクもあるため、有資格者しか作業できません!
これらの溶接技術は、それぞれの特性を活かし、目的や場面に応じて選ばれます。
では、今回のテーマであるTIG溶接とアーク溶接の違いを、もう少し深堀りしてみましょう!
ティグ(TIG)溶接とアーク溶接の違い
ここでは、TIG溶接(アルゴン溶接)の特徴や、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
その前に理解しておく点は、TIG溶接も大きなくくりで見ればアーク溶接という溶接方法に分類されるということです!
それを前提に、TIG溶接とアーク溶接の違いを理解しましょう。
TIG溶接
アルゴンガスを使用するため「アルゴン溶接」とも呼ばれており、大きな特徴は片手で金属の棒を持ちながら溶接を行い、作業中に火花が出ないことです!
皆さんも、学生時代に経験がある人もいる「はんだずけ」の作業をイメージしてもらえれば分かり易いと思いますが、非溶極式(非消耗式)であるため、電極自体は溶けて消耗しません。
主にアルミやステンレスなどの非鉄金属を溶接する方法であり、綺麗な仕上がりが期待できるため、見た目が重要な製品によく使われます。
TIG溶接のメリット・デメリット
メリット
- コストが安価である
- 設備構造が比較的簡単
- 仕上がり後の強度が高い
- 屋外でも作業が可能
デメリット
- スパッタ(金属の粒)が飛散する
- ヒュームによる健康被害の可能性がある
- 見た目重視の作業には適していない
アーク溶接
電極と作業物の間に電気アークを生じさせ、その高温で材料を溶かし接合します。簡単に説明すると金属の棒で、火花を飛ばしながら溶接するのが「アーク溶接」です!
2つの電極にそれぞれ電圧をかけていくと、次第に互いの電極の間には電流が発生し同時に強い光と高温が発生します。これは気体の放電現象「アーク放電」と呼ばれる現象であり、これを利用した溶接方法なので「アーク溶接」と呼ばれています!
アーク溶接のメリット・デメリット
メリット
- 火花が出ないので作業がしやすい
- 仕上がりがキレイ
- 作業中の音が静か
- 個人で使用する際に資格が不要
デメリット
- アーク溶接に比べ5~10倍の時間がかかる
- 屋外の作業には適していない
- 保護メガネが必要
その他の溶接の種類
- 半自動溶接:この手法は、溶接ワイヤを自動で供給しながら溶接する方法です。特に「MIG(Metal Inert Gas)溶接」として知られており、不活性ガスを使用して金属の酸化を防ぎながら溶接します。この方法の大きな特徴は、連続して溶接できるため、大きな作業効率と一貫性を持っていることです。自動車の製造など、大量生産が必要な場面でよく用いられます。
溶接ワイヤの供給は自動で、作業は手動で行うために半自動溶接と呼ばれています! - レーザー溶接:レーザー溶接は、高集積の人口のレーザービームを用いて金属を一瞬で溶かして接合する技術です。レーザーのエネルギーは非常に集中しているため、細かく精密な溶接が可能です。また、短時間での溶接が可能なため、生産効率も向上します。電子部品の組み立てや医療機器の製造など、精密な部品を扱う分野での使用が増えています。
- ガス溶接:ガス溶接は、ガス炎を使用して金属を溶かし接合する技術です。具体的には、アセチレンガスと酸素ガスを混合して炎を作り出し、その炎で金属を加熱します。この方法の魅力は、設備がシンプルで、場所を選ばずに溶接ができること。しかし、他の方法に比べると効率はやや低めです。修理作業やアートの制作など、精密な作業に適しています。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、主にTIG溶接とアーク溶接の基礎知識と違いについて説明しました!
生活の至る所で溶接の技術は使われており、その中でもTIG溶接やアーク溶接といった技術は、レーザー溶接やガス溶接に比べ、とても身近にある溶接といえます。
そんな便利な溶接作業も危険を伴う一面もあるということを忘れてはいけません。安全器具の装備や有害物質の除去をはじめ、資格が必要な技術も多数あり、適切な作業環境を整えて作業することが大切です!
今回は、製造工場や工事現場で活躍する溶接について解説しましたが、そんな現場の職人達にはかかせない「工具」に関して、何かお悩みのことがありましてら、是非アクトツールにご相談ください!
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