【プロ解説】釘とは?種類・用途まとめ【3分でわかる】
- Yoshida.K
2022.01.23 2022.02.25
釘にはいろいろな種類があるのをご存知でしょうか?
どれも似たような形に見えますが、実は用途によって素材や形状が異なるため使い分けが必要です。
うまく使い分けができれば、耐久性があがるだけでなく、最終的な仕上がりが美しくなります。
今回の記事では、釘についての基本的な解説から、たくさんある釘の種類の紹介をしていきます。
釘の種類が知りたいという方や、釘についての知識を深めたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
釘とは?用途は?
まずは、釘の基本的な解説からしていきます。
釘は、トンカチやハンマーなどで打ち込んで、主に木材などの部材同士を固定するための道具です。
昔から日本建築でもよく使用されていて、一般の方にも馴染みのある道具のひとつですよね。
よく似ている道具にネジ(ビス)があります。
釘とネジの大きな違いは、打ち込み方の違いです。
釘はハンマーなどで打ち込んで使用しますが、ネジはプラス/マイナスドライバーや電動ドライバーで回して締めるように使用します。
そのため、ネジの頭部にはドライバーでまわせるように溝があります。
一方、釘の頭部はハンマーで打ちやすいように平らになっているものがほとんどです。
釘は、細くて強度があります。
現在でも、建築金物や構造用合板などでは釘どめが主流となっています。
さらには、ハンマーで打ち込むだけという誰にでもできるシンプルさも魅力です。
釘の種類は?
ここからは、気になる釘の種類を紹介していきます。
一見すると同じように見える釘ですが、実はさまざまな種類があるのをご存知でしょうか?
それぞれの釘は役割をもって製造されており、性質を理解して正しい用途で使用することによって本来の役割を発揮できます。
以下で、代表的な種類を見ていきましょう!
丸釘
丸釘は、最も一般的な形をした釘です。
鉄・メッキ鉄・ステンレス・銅などさまざまな素材で作られ、太さも太目なものからよくある細いタイプまで、長さも19mmから150mmまでとかなり多くの種類があります。
そのなかでも最も頻繁に使用されるのが鉄丸釘です。
鉄はステンレスとは違い時間が経つとサビてしまいますが、実はこのサビによって木材の固定力が上がります。
サビることも念頭において製造されているなんて、なんだか風情がありますよね!
JIS規格で鉄丸釘は「N釘」、太めの鉄丸釘は「CN釘」などど規格が定められています。
(例)JIS規格に定められた釘の種類と規格
鉄丸くぎ | N釘 |
めっき鉄丸くぎ | NZ釘 |
太め鉄丸くぎ | CN釘 |
めっき太め鉄丸くぎ | CNZ釘 |
溶融亜鉛めっき太め鉄丸くぎ | ZN釘 |
細め鉄丸くぎ | BN釘 |
石膏ボード用釘 | GN釘 |
シージングボード用釘 | SN釘 |
スクリュー釘
スクリュー釘は、釘の胴の部分にネジのように溝が切られている釘です。
名前のとおりで、スクリューは英語でネジのことをいいます。
使い方は通常の釘と同じで、上からハンマーで叩いて打ち込んで使用します。
ねじれながら打ち込まれるため、木材との固定力がより強いです。
鉄がよく使われる丸釘とは異なり、スクリュー釘にはステンレスや真鍮などの素材がよく利用されます。
それは、サビることによって固定力を高めるのではなく、ネジ山の溝によって固定力を高めているためです。
強度は高く、パレットや梱包材などによく使われています。
コンクリート釘
コンクリート釘は、コンクリートに打ち込む専用の釘です。
コンクリートの壁などになにかものを掛けるときなどに使用します。
保持力はそこまで強くないので、コンクリート釘を使用して重いものを掛けることはできません。
なにか重いものを固定する場合には、コンクリート用のアンカーボルトが必要です。
ケーシング釘
ケーシング釘は、表面が塗装処理されている釘です。
白・茶色・グレー・ブルーなど、さまざまな色が販売されています。
化粧合板などの素材の色に合わせて色を選べば、釘を目立たせずに作品を仕上げることが可能です。
より目立ちにくいよう、頭部も小さめに作られています。
トタン釘
トタン釘は、トタン板の取り付けに主に使われる釘です。
頭部は平らで、大きめに作られています。
色の数も豊富にあります。
つぶし釘
つぶし釘は、丸釘の頭部を平らにつぶした釘です。
一見不思議な形のように見えますが、この形状のおかげで打ち込んだあとは頭部が目立たなくなります。
かくし釘
かくし釘は、釘の跡を目立たなくするための特殊なゴムがついた釘です。
写真ではわかりにくいですが、釘の上部には折り目がついています。
釘を打ちこんだ後にゴム部分を叩くと、折り目から釘の頭が折れて釘が目立たなくなります。
表面が見える際の仕上げなどに向いている釘ですが、頭部がなくなることによって強度は高くありません。
そのため、接着剤などど併用するのが一般的です。
仮釘
仮釘は、接着剤と併用して使用する仮止め用の釘です。
接着剤が固まった後は抜き取るので、細くて曲がりやすいのが一般的です。
10mm以下の薄い木材の板に使用されます。
傘釘
傘釘は、波板(なみいた・トタン)用の釘です。
頭部の傘のような形状によって、雨を通しにくく耐食性に優れています。
抜けにくいようにスクリュー加工などがされているものが多いです。
ポリ連結傘釘・ステン連結傘釘・ポリカ連結傘釘などいろいろな素材があるので、波板と同じ素材のものを選んで使用しましょう。
ボード釘
ボード釘は、石膏ボードなどに使用するための釘です。
他にも、シージングボード用・インシュレーション用・ファイバーボード用などがあります。
主に建築現場で使用されます。
打ち込んだ後に釘の頭がめり込んでしまわないように、頭部は少し大きめに作られているのが特徴です。
又釘
又釘は、U字型をした釘です。
ネットや金網などを木に固定するときに使用します。
特に、木材を固定する際の大きな又釘は鎹(かすがい)と呼ばれます。
波釘
波釘は、額縁のコーナーを留める際などに使用する、板の接合に使う波型の釘です。
木口の割れ止めとしても使えます。
釘の頭部の形状は?
最後に、釘の頭部の形状を紹介していきます。
釘の頭部の形状にも、いろいろな種類があります。
頭部の形状によって、釘の打ちやすさや目立ちにくさに影響がでてきますし、逆に釘を綺麗に見せて目立たせるタイプもあるんです。
ここでは、代表的なものを紹介してきます。
フラット
フラットは、最も一般的な形状です。
平頭とも呼ばれます。
丸頭
丸頭は、あえて釘の頭を目立たせて、仕上がりを綺麗に見せる際の形状です。
編目つき
編目つきは、フラットの表面ある凸凹で、ハンマーで打ち込む際の滑りを防止してくれる形状です。
ケーシング頭(パネル頭)
ケーシング頭は、完全に頭部まで板に打ち込むことができ、板の表面から頭部の出っ張りをなくせる形状です。
そのため頭部は小さめに作られています。
パネル頭ともいいます。
カップ頭
カップ頭は、頭部の中心がへこんでいる形状です。
ある程度まで打ち込んだ後に、このへこみにピンポンチなどをあてがって打ち込むことができます。
材料を傷つけずに頭部を板の表面より鎮めることが可能です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、釘についての基本的な解説から、いろいろな種類のある釘の代表的なタイプを紹介させていただきました。
建設現場ではもちろん、DIYでもごく一般的に利用される道具である釘。
正しい種類の釘を使用すれば、作品の最終的な仕上がりが格段によくなりますし、耐久性もUPしますよ。
ぜひ、使用用途に合わせて釘の種類や色・形状なども一緒に選んでみてくださいね。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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システム開発課 Yoshida.K プロフィールはこちら
新卒で入社し、店舗での買取・販売スタッフ経験を経て現在は、アクトツールのマーケティング責任者として活躍中。多くのお客様との接客経験から得た工具に関する知識を活かして、ホームページの監修をメインに行っています。