鳶職の道具とは?【徹底解説】
- Yoshida.K
2022.01.23 2022.03.02
高いところでの足場組みや、家の基礎工事や解体などを専門とする職業である鳶職。
よく街を歩いてると、高いところで作業をしている鳶職人さんを見かけますよね。
今回の記事では、そんな鳶職に必要な道具や装備の紹介をしていきます。
鳶職に興味のある方や、鳶職に就きたいけどまずは何を揃えればいいかわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください!
目次
鳶職に必要な道具は?
まずは、鳶職に就く際に必要な道具についてです。
ここでは、特に使用頻度の高い大事な道具を中心に紹介をしていきます。
実際のところ、現場によっては最初は道具が必要ではなかったり、準備や運搬・片付けなどの補助を任されることが多いと思います。
現場で道具を借りられる場合も多いので、これから紹介するものを初めからすべて揃えようと思わなくても大丈夫です。
経験を重ねていけば、自分の手に慣れた道具のほうが作業がしやすいとわかるので、自然と自分で道具を揃えるようになっていくはずです。
それでは、以下で一緒に確認していきましょう!
金づち(ハンマー)
まずは、一般的に馴染みのある道具でもある金づち(ハンマー)です。
釘を打つ目的ではあまり使用しませんが、足場を組む際に必要になります。
水平材・斜材と呼ばれる材料をつなぎとめる際に、くさびを叩き込むために使用します。
くさび(楔)とは、硬い木材や金属などで作られた三角形の形をした道具です。
すき間を広げて木を割る際に使用したり、逆にすき間に挟んで物と物が離れないように圧迫して使用することもできます。
くさびの例
くさび式足場には、大きめの金づちをよく使います。
また、解体などの現場ではくぎ抜きがついている金づちが便利です。
スケール
スケールとは、金属製のメジャーのことです。
長さや距離を測る以外にも、足場の位置の確認や、荷物を吊り上げる際の重心位置の確認などにも使います。
万が一高いところから落としても壊れないように、頑丈に作られているものを選びましょう。
建設現場向けに売られているスケールに5.5mのものが多いです。
その理由は、通常足場の長さは1.8mであることが多く、5.5m長さがあれば3本分まとめて図れるためです。
クリッパー
クリッパーとは、「番線」と呼ばれる針金を切る際に使用するペンチのような道具です。
鉄パイプや鉄筋などは番線でまとめられているので、鳶職ではこの番線を切る機会が頻繁にあります。
普通のハサミでは硬くてきれないので、このクリッパーが必要です。
ボルトカッターとも呼ばれます。
インパクトドライバー
インパクトドライバーは、電動でネジを絞めるために使用します。
インパクトドライバーは一般の方にも馴染みのある道具ですよね。
建設現場で鉄骨を扱う作業を担当する鳶職である「鉄骨鳶」では必需品の工具です。
▼鉄骨鳶の例
鉄骨鳶は、建物の骨組みとなる鉄骨をクレーンで吊り上げて組み立てる作業をする鳶職です。
特に大型の建造物の場合は、大型の鉄骨を上階まで運んでボルトで接続していくという経験と技術が必要になります。
両口ラチェットレンチ
両口ラチェットレンチは、両面に2種類のソケットがあるラチェットレンチです。
直交クランプ類を締めつけたり、番線を縛ったりする際に使用します。
特に、先の尖っているタイプをオススメします。
尖ったほうは、ボルトを通す重なった穴を合わせるときに使います。
ガチャやシノとも呼ばれます。
セーフティーワイヤー
セーフティーワイヤーは、工具類が落ちないように工具と安全帯またはベルトを固定する落下防止用のコードです。
素材には中芯に高強度なステンレスワイヤーやケブラー繊維が使用されており、耐久性の高い樹脂で覆って柔軟性を維持できるようになっています。
高いところの作業では、万が一工具を落とすと大けがに繋がる可能性もあります。
そのため、重さのある工具や尖った工具などは、必ずセーフティーワイヤーで固定します。
ツールロープとも呼ばれます。
鳶職に必要な装備は?
続いては、鳶職に就く際に必要になる装備についてです。
鳶職の職人さんが、仕事道具を腰にぶら下げて高所を颯爽と歩いている様はなんともかっこいいですよね!
その姿に憧れて、鳶職を目指す方も多いのではないでしょうか?
道具をすべてフルで揃えると、なんと総重量は10kgを超えることもあります。
そのぐらい重くなっても耐えられるような、しっかりとした装備が不可欠です。
また、高所での作業は安全が第一なので、安全を守るための標準装備が基本となります。
ヘルメット
まずはヘルメットです。
高いところでの作業が主になりますので万が一落下した際や、なにか上からものが落ちてきたときに頭を守る際に必須になります。
迷わず耐久性のよいものを選びましょう。
また、通気性のよいものを選ぶと真夏の炎天下の作業のときでも快適に過ごせます。
サポートベルト
続いては、サポートベルトです。
鳶職は、常にたくさんの工具を体に身に着けて作業をするため腰への負担がかかります。
ベルトは、できるだけ体への負担を軽減してくれるような軽くて安定感のあるもの・ある程度の重量に耐えられるものを選びましょう。
商品によっては、腰袋などのずれ防止加工がされていたり、蒸れ防止加工がされているもの、腰痛対策などがされているものなどもあります。
ツールバッグ
続いては、ツールバッグ(腰袋)です。
鳶職はありとあらゆる道具を常に持ち歩きながら仕事をするので、ツールバッグの耐久性や内容量、使いやすさはとても重要です。
重さのある工具にもきちんと耐えられるバッグを選びましょう。
工具を素早く出し入れすることが多いので、ものの出しやすさや収まりやすさも大切です。
細かいものは内ポケットにしまえたりなど、使いやすさに配慮されたデザインのものが役立ちます。
作業着
続いては、鳶職といってはともいえるこの見た目が印象的な作業着です。
ニッカポッカとも呼ばれるこの名前は、実は英語でknickerbockerと書きます。
この印象的なダボダボのズボンには実はちゃんとした意味があります。
まずは、足の可動域が広いこと。
常にスムーズに足を運ぶことができ、かつ汗をかいても足にまとわりつきません。
次に、障害物に当たるとすぐにわかるので危険を回避できることです。
鋭利な出っ張りに仮に当たってもズボンだけなら問題ありませんし、溶接などの火花の直撃も避けられます。
さらには、高所でバランスが取りやすいことです。
強風でズボンがなびけば、危険の察知が早くできます。
ただダボダボなだけに見えるこのズボンは、鳶職として身の安全を守るための大切な役割があるんですね!
安全帯(フルハーネス型)
最後は、フルハーネス型の安全帯です。
高所での作業で誤って転落するのを防ぐ命綱となります。
鳶職に限らず、高所で作業をする人は安全帯の装着が義務付けられています。
2019年2月に、5m以上の高さで作業をする人に対してフルハーネス型安全帯の着用が義務化が始まりました。
2022年1月以降は、フルハーネス安全帯以外の安全帯の着用は禁止となり、罰則対象にもなります。
ハーネスを購入する際は、ちゃんと規格にあったものなのかきちんと確認をしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、鳶職に従事する際に必要な道具や装備についての解説させていただきました。
高所での作業をするのに便利な道具や、身を守るために必要な装備が多くありましたね。
これから鳶職として働く方、鳶職に興味がある方の参考になれば幸いです。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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システム開発課 Yoshida.K プロフィールはこちら
新卒で入社し、店舗での買取・販売スタッフ経験を経て現在は、アクトツールのマーケティング責任者として活躍中。多くのお客様との接客経験から得た工具に関する知識を活かして、ホームページの監修をメインに行っています。