チェーンブロックとは?おすすめ機種・選び方【徹底解説】
- サルトくん
2022.08.24 2022.11.01
チェーンブロックは、倉庫などの天井によくぶら下がっているチェーン(鎖)と滑車(ブロック)でできた機器です。
テコの原理を利用して、重いものを吊り上げまたは吊り下げるのに使用します。
テレビなどで一度は目にしたことがありますよね。
チェーンブロックは物を吊り上げる以外にも、重量物を引き抜いたりイベントのステージ上で利用されたりなど、さまざまなことに利用されます。
チェーンと滑車でできたシンプルな見た目ですが、実は種類もたくさんあるんです。
今回の記事では、そんなチェーンブロックの概要や、正しい選び方におすすめの商品を紹介します。
チェーンブロックをお探しの方や、チェーンブロックに関する基本的な知識を身に着けたい方は、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
そもそもチェーンブロックとは?
チェーンブロックは、重いものを安全に吊り上げるために使用する機器です。
工場や物流拠点などでは、500kgある荷物や5トンあるコンテナーなど、かなり重さのある物の移動が多くあります。
人力で運ぶのには限界があり、効率も悪くなる上安全面も心配です。
そんなときに活躍するのがチェーンブロックです!
チェーンブロックを使用すれば、種類によってさまざまな重量のものを運ぶことができ、作業の効率や安全性を高められます。
滑車には歯車が使用されているので、ものを吊り上げて、吊り上げた状態を保持することも可能です。
主な使用方法
吊り上げ
チェーンブロックの主な使用方法は、重量物の吊り上げと運搬です。
作業現場の天井に取り付けたフックや、簡易式の三脚などに取り付けて使用します。
機種によっては100kg以下のものから数十トンを超える重さの荷物も運ぶことができます。
吊り上げ、吊り下げをして荷物をパレットやトラックの荷台に乗せる動作に加え、クレーンなどに取り付ければ重量物を吊り上げたまま移動も可能です。
引き抜き
吊り上げ以外にもよく利用される方法が引き抜きです。
引き抜きとは、その名の通り、チェーンブロックのフックを対象物にひっかけて、引き抜く際に使用します。
例えば、建物の解体などの場合に埋設しているコンクリート基礎を引き抜く際など。
高さのある三脚や門型クレーンなどを使用して引き抜けば、効率よくコンクリート基礎を取り除けます。
さらには樹木の根っこ部分を引き抜く際などにも、非常に強い力で物を引き抜く際に役立ちます。
イベント会場などで
工事現場や工場などで使用されるイメージの強いチェーンブロックですが、各種イベント会場などでも使用されることがあるんです。
例えば音楽イベントのステージ上では、スピーカーや照明などをセッティングする際に使用されます。
体育館や講義堂などでも、証明の吊り下げに使用されることもあります。
似た工具
チェーンブロックによく似た工具に、レバーホイストとワイヤーホイストがあります。
レバーホイスト
レバーホイストとは、チェーンブロックを小型化した、ラチェット式のレバーで巻き上げをする工具です。
チェーンブロックよりも小さいので扱える重量は10トン程度となりますが、値段も安価で軽量です。
性能はチェーンブロックとほとんど同じになりますが、吊り上げ以外にも斜め引き作業や積み荷の締め付け作業、横引き作業、けん引などにもよく使用されます。
レバーブロックともよく呼ばれますが、レバーブロックはキトーというメーカーの商品の名称です。
ワイヤーホイスト
ワイヤーホイストとは、チェーンと歯車の代わりにワイヤーとドラムを使って巻き上げをする道具です。
スイッチでワイヤーロープを上げ下げして、重量物を運ぶときに使用します。
割と高速で工場内の長距離運搬もできる道具ですが、5トンを超えるような重い荷物は運べません。
工場や倉庫では天井クレーンと組み合わせて、重量物の運搬作業によく使われます。
チェーンブロックの選び方は?
そんな工場や現場作業では欠かせないチェーンブロックですが、実は用途にわけてさまざまな種類があります。
今回は、そんなチェーンブロックの選び方を、
- ①電動・手動
- ②懸垂式・トロリー式
- ③重さ
- ④揚程
- ⑤フック間の最小距離
この5つのポイントにわけて解説していきます。
①電動・手動
まず、チェーンブロックは大きく分けて電動式か手動式の2つにわけることができます。
電動式
電動式のチェーンブロックは、モーターの力で吊り上げを行います。
スイッチを押すだけで使えるので、力もいりませんし操作も簡単です。
工場や倉庫に常設してある機器に接続して使うなど、いつも同じ場所かつ電源のある場所で使用する場合にオススメです。
手動式よりも吊り上げられる最大の重さは軽く、本体は多少重くなります。
使用する電圧別に、単相100V式・単相200V式・三相200V式の3種類があります。
手動式
手動式のチェーンブロックは、人力でチェーンを引いて吊り上げを行います。
いつも違う現場で使用する際や、電源のない屋外で使用する際にオススメです。
電源式と比べるとコンパクトかつ軽量なので持ち運びに適していますし、電源のない場所でも使えます。
②懸垂式・トロリー式
さらにチェーンブロックは、懸垂式とトロリー式に分類できます。
懸垂式とは、チェーンと歯車で構成されるチェーンブロック本体のみの形です。
基本的にはこの懸垂式に各種トロリーを接続することでトロリー式になります。
トロリー式には移動の仕方によって、プレーントロリー式・ギヤードトロリー式・電気トロリー式など種類もあります。
チェーンブロックとトロリーの両方を購入する場合には、用途や作業する場所、作業の内容などを考慮して選ぶことが大切です。
③重さ
チェーンブロックには、種類によって定格荷重が決まっています。
「どのくらいの重さの重量物を吊り上げるのに使うのか」は、必ず注意して選ばなければいけないポイントです。
小型のものであれば定格荷重が数十kgのものから、大型のものであれば10トンを超えるものもあり、幅があります。
定格荷重を超えて使用すると、チェーンブロックが壊れる可能性があるのはもちろん、危険な事故につながる可能性もあるので注意しましょう。
④揚程
揚程(ようてい)とは、最上限まで巻き上げた時のフックの位置から最下限まで下げた時のフックの位置、要するに吊り上げられる高さのことをいいます。
短ければ2m以下、長いと15mほどあるものもあり、主流は3m程度です。
商品によって大きく差があるので、作業現場の天井の高さや作業の内容によって適切なものを選ぶようにしましょう。
⑤フック間の最小距離
最後のポイントはフック間の最小距離です。
フック間の最小距離とは、チェーンブロック上部のフック(トロリーなどに引っかけるフック)から、最上限まで巻き上げた時の下部のフック(荷物を引っかけるフック)までの距離のことです。
この距離が長いと、クレーンや三脚に接続して使用する際は揚程を圧迫してしまうので、選ぶ際には気を付けましょう。
天井からチェーンブロックを吊り下げて使用する場合には気にすなくていい部分になります。
チェーンブロックのおすすめ商品は?
チェーンブロックの特徴や、選び方のポイントがおさえられましたか?
ここからは、アクトツールが選んだオススメのチェーンブロックを定格荷重別にご紹介していきます!
手動・懸垂式チェーンブロック
定格荷重~299kg
キトー チェーンブロックCX形 250kg x 2.5m CX003
まずは、キトーのCX003です。
小型かつ2.4kgの超軽量モデルで、持ち運びのしやすいチェーンブロックです。
上下のフックはふろころが広くて使いやすく、作業者に配慮されたデザインになっています。
世界最高レベルの強力ロードチェーン搭載です。
定格荷重 | 250kg |
標準揚程 | 2.5m |
フック間最小距離 | 217mm |
本体重量 | 2.4kg |
機能 | 過負荷防止 |
定格荷重~999kg
続いては、オーエッチ工業のOCH-05です。
操作性に優れた使いやすいコンパクト設計が魅力のチェーンブロックです。
主軸受部にニードルベアリングを使用することによって、荷揚げ効率を良くする構造になっています。
衝撃に強い頑丈なギアケースと本体フレームを使用しているので耐久性も抜群です。
定格荷重 | 500kg |
標準揚程 | 2.5m |
フック間最小距離 | 285mm |
本体重量 | 7.4kg |
定格荷重~1.5トン
象印チェンブロック C21型チェーンブロック C2100525
続いては、象印のC2100525です。
ドイツ安全審査機関が認めた、表面硬化強力ロードチェーンが標準装備されています。
超小型・軽量仕様なので、自重が軽く持ち運びに便利です。
巻き下げ時のカミコミを防止してくれる設計なので、従来品よりさらに操作性が良くなっています。
定格荷重 | 500kg |
標準揚程 | 2.5m |
フック間最小距離 | 275mm |
本体重量 | 6.1kg |
機能 | JIS規格品 |
電動・懸垂式チェーンブロック
定格荷重~299kg
キトー セレクトシリーズ 電気チェーンブロックED形 100kg x 3.0m(1速) ED10S3
まずは、キトーのED10S3です。
コンパクトなボディが特徴で、電源電圧、操作方法で選べる操作性の高いチェーンブロックです。
過負荷を防止するフリクションクラッチや、過度な巻上げを防ぐ上限リミットスイッチが搭載されているので安心・安全に作業に従事できます。
世界最高レベルの強力ロードチェーンを搭載しています。
定格荷重 | 100kg |
標準揚程 | 3.0m |
フック間最小距離 | 315mm |
速度切替 | 1速 |
電源 | 単相100V |
本体重量 | 11.5kg |
機能 | JIS規格品・過巻防止 |
象印チェンブロック β型電気チェーンブロック・125kg・10m BSK12A0
続いては、象印のBSK12A0です。
軽くて持ち運びがしやすいので、高所作業での持ち運びや取り付けの際にも重宝します。
過負荷防止と過巻防止機能に加えて、上下フックには、横ずれ防止タイプの外れ止めが備わっているので、安心・安全に作業ができます。
V級表面硬化チェーンを使用しているので、耐久性もバッチリです。
定格荷重 | 125kg/200kg |
標準揚程 | 3.0m/6.0m/10m |
フック間最小距離 | 280mm |
速度切替 | 1速 |
電源 | 単相100V |
本体重量 | 7.2kg/8.4kg/10.3kg |
機能 | JIS規格品・過巻防止・過負荷防止 |
定格荷重~1トン
象印チェンブロック L型電気チェーンブロック1t L01060
続いては、象印のL01060です。
高性能を持続する専用設計の小型省エネモーターを採用しています。
信頼性の高いノンアスベストDCブレーキを搭載。
軽量・コンパクトで強い本体ケースです。
定格荷重 | 1t |
標準揚程 | 6m |
フック間最小距離 | 580mm |
速度切替 | 1速 |
電源 | 三相200V |
本体重量 | 48kg |
機能 | JIS規格品・過負荷防止 |
トローリー式チェーンブロック
定格荷重~999kg
キトー エクセルEQシリーズ 電気チェーンブロックEQ形 250kg x 4.0m EQ003IS4
こちらは、キトーのギヤードトロリー式チェーンブロックEQ003IS4です。
2速インバータが標準装備されており、作業によって使い分けられます。
無負荷高速機能で従来品より作業効率がUP!
過負荷を防止するオーバーロードリミッター&フリクションクラッチと、過度な巻上げ・巻下げを防ぐ上下限リミットスイッチが備わっています。
定格荷重 | 125~980kg |
標準揚程 | 4.0m |
フック間最小距離 | 425~490mm |
速度切替 | 2速 |
電源 | 三相200V |
本体重量 | 46~58kg |
機能 | JIS規格品・過巻防止・過負荷防止 |
象印チェンブロック 手動用ギヤードトロリ0.5t G00525
最後は、象印のギヤードトロリー式チェーンブロックG00525です。
強くて美しい静電粉体塗装が特徴的です。
I型鋼元の取り付けがアジャスト式なので、3種類のI型鋼へ取り付け可能。
アジャストカラーを装着することによって、より太い走行レールへの取り付けもできます。
定格荷重 | 0.5t |
標準揚程 | 2.5m |
最小回転半径 | 900mm |
本体重量 | 12.5kg |
機能 | 静電粉体塗装 |
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、工場や作業現場で重量物の吊り上げ・運搬の際に活躍するチェーンブロックについて解説をいたしました。
吊り上げ運搬や引き抜きの作業を効率よく安全に行うには、チェーンブロックが欠かせません。
種類がたくさんあるので、選ぶ際には必要な耐重量や形状をよく確認するようにしましょう。
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それでは、また次回の記事でお会いしましょう!