【豆知識】玄翁(げんのう)って?ハンマー・金づちとの違い
- Yoshida.K
2021.03.10 2023.11.02
歴史的にも古く、日本古来からある玄翁(玄能)は、現代の建築現場においてもプロが愛用する優秀な工具ですね!
玄翁の名前の由来は、殺生石(傍を通るものを殺す石)を大きな金づちで退治した
「玄翁和尚(げんのうおしょう)」という説があります。
今回は、そんな玄翁について、似ている工具のハンマーや金づちとの違いや、種類をご紹介していきます(^^)/
DIYでも活躍する工具ですので、知識を深めておいて損はありません。
それでは早速、一緒に見ていきましょう!
目次
玄翁はハンマーの一種
「玄翁(げんのう)」はハンマーの一種で、さまざまな場面で使用できる優秀な工具なんです。
ハンマーを新しく買う際に、検索しているとトンカチや金鎚、玄翁までもが候補として出てきますね。
そこで、
「金槌・ハンマー・玄翁のそれぞれの違いは何なのか?」
解説していきたいと思います!
「金槌とハンマーと玄翁についての明確な区分」がわかっていただけたら嬉しいです!
それでは早速見ていきましょう!
ハンマーとは?
ハンマーの構造は、「釘を打つ」・「ノミを叩く」・「物を打ち付ける」・「物を潰す」ための打撃する部分と、
手で握る柄の部分で作られている工具の総称を日本語で「つち」という部分でできています。
漢字では「槌」や「鎚」と書きますが、なかなか読めないですよね(^^;)
「つち」は英単語に直すと “Hammer” なので、
カタカナ表記「ハンマー」と日本でも呼ばれるようになりました。
金槌とは?
金づちはその名前の通り、「つち」の中で、打撃する頭の部分が金属製のものを「かなづち」といいます。
漢字では「金槌」・「金鎚」と書きます。
金鎚といった場合はおもに「先切金槌」という片側が平らで、もう一方の片側の先端が尖った形状の釘打ち用の金鎚を指す場合が多いです。
通常の釘打ちには平らな面を、仕上げ打ちや入隅などせまい部分で打ちこむ場合に尖った面を使用します。
また、「かなづち」に対して、打撃部分が木製のものを「木槌(きづち)」といいます。
トンカチと呼ぶ方もいますね。(金鎚 =トンカチ)
釘を打ち込む際の「トントン、カチカチ」という擬音が名称の由来になっている説が有力です。
玄翁とは?
玄翁は、「かなづち」のうち、打撃部分の片側が平らに、片側がわずかに凸状に膨らんでいるものを指し、
漢字では「玄翁」や「玄能」と書きます。
ちなみに、正しくは玄翁(げんのう)で「玄能」は当て字です。
冒頭にも紹介したとおり、玄翁は玄翁和尚という曹洞宗の高僧の名前が由来です。
玄翁には側面が使えるような形状をもつ種類もあり、使う場面に応じて使い分けが可能です。
また大工用のほかに石工用があり、石材の切り割りに使われることもあります。
まとめると、
ハンマー>金鎚(かなづち)・トンカチ>玄翁
のイメージです!
ハンマーという大きい括りのなかに、金鎚があり、金鎚の中に玄翁が含まれます!
ココまでハンマーからの玄翁の括りに着目してきましたが、ここからは玄翁の種類に着目していきましょう。
八角玄翁?玄翁の種類をご紹介!
玄翁の頭の種類
打面が2つある両口玄翁は、形状により以下の4種類にわかれます。
- 丸玄翁
- 四角玄翁
- 八角玄翁
- 片八角玄翁
それぞれ画像つきでご紹介していきましょう。
・丸玄翁
丸玄翁は形状が丸く、「関東では小判型」「関西では真丸型」と地方により微妙に形状が異なります。
・四角玄翁
重量バランスがよく、四角玄翁は全国的に広く流通しています。
・八角玄翁
八角玄翁は側面も使えるため、狭い場所でも効率よく作業ができることが強みです。
・片八角玄翁
片八角玄翁は、丸玄翁と八角玄翁を合わせ持った形状で、万能な玄翁です。
他にも片方の打面が細くなった「片口玄翁」などがあります。
これは細くなった先端を釘に当てて、より深く釘を打ち込むことが可能です。
👇工具の売りたい方は事前査定をご利用ください👇
それでは次に柄の種類をご紹介します!
玄翁の柄の種類
(引用:越後の大工刃物・大工道具)
金属部分の頭に対して、木材の握る部分にあたる柄(え)。
職人さんには硬さや粘りなどの柄の素材に対するこだわりがあるようです。
・本ぐみ柄
(引用:ZATU)
高級玄翁柄の定番で、しなりがあり手になじむ木です。
・柞の木柄(いすのき)
(引用:越後の大工刃物販売日記)
マンサク科の常緑高木です。
硬くて粘りがあり、密度や重さがあるので木刀や本突ノミの柄の材料などに使われる。
玄翁の柄の材料に向いています。
・牛柄
(引用:ZATU)
石屋作業に使用される。
しなりがあり硬く手にひびきにくい材質です。
・桜柄
(引用:ZATU)
硬木で敷居に使われる高級材。
などが代表的な柄ですが、他にも下記の銘柄があります。
・栗の木柄:
水に強く硬い木です。鉄道の枕木や、スプリングハンマーなどに利用される。
・椋木柄(むくのき):
きめが細かくて水に強く、黄色い木。
・楡柄(にれ):
硬木でねばりがあります。
・山桃柄:
木にねばりがあって桜に近いです。
・柏柄:
硬木で建築材や家具材などに用いられる他に、ウイスキーやワインの樽材としての利用も可能。
・水木柄:
花水木の一種で桜に近い素材です。硬くて粘りがあるのが特徴です。
(引用:越後の大工刃物・大工道具)
柄になる木の向き不向きはありますが、これ以外にも無数に存在しています。
握る部分である柄は特に大事で、どんなに良い頭を使っていても使いやすさは柄に左右されるとも言われます。
柄を販売している実店舗などで、柄の握り具合などを体感してから購入することをオススメします!
玄翁の名工をまるっと解説 正行(まさつら)って?
玄翁は大量生産品だけでなく、昔ながらの伝統技術を利用して手作業で制作されるものがあります。
この世界は奥深く、玄翁の買取の際はさていというより目利きというような側面が強くなります。
絵画の名画家としてダヴィンチがいるように、玄翁にも名工が存在します。
そこで玄翁の名工を厳選して3人ご紹介させていただきます。
馬場正行
(引用:大工道具専門店)
玄能鍛冶、道心斎正行(どうしんさいまさつら)こと馬場政行さん。
昭和の玄翁界の第一人者長谷川幸三郎氏に弟子。
今では幸三郎氏をもしのぐほどの玄翁、釘〆などを作っています。
正行の玄翁は穴の正確さや使い良さどれを取っても素晴しい出来であり、職人さんの間で高い評価を得られています。
相豊ハンマー
相豊ハンマー 新潟県三条市の相豊(アイトヨ)ハンマーの相田浩樹氏が作る玄翁で、名工長谷川幸三郎が認めた玄翁鍛冶。
師匠の教えに忠実に作られた品。
主に浩樹・広輝・藤六の3人から構成される。
・浩樹
(引用:のぼり刃物店)
長谷川幸三郎の指導が随所に伺える丁寧な仕上げと基本に忠実な作りで、ヒツ(穴)の正確さは幸三郎そのもの、上手く柄を仕込めばクサビなしで抜ける事はありません。
黒仕上げで一部鋼付もあります。
・広輝
(引用:のぼり刃物店)
浩樹銘の黒仕上げに対し広輝銘はシルバーのヘアライン仕上で浩樹氏が作る品です。
舟手と四角などがあり、ヒツ(柄の通る穴)の仕上や面の取り方など、細部の仕上げは浩樹作と同じのすばらしい出来栄え。
長谷川幸三郎氏は昭和の時代に玄翁を作らせたら右に出る物はいない銘工。
前述した馬場正行(銘:道心斎正行)と相田浩樹(銘:浩樹)の二人の師匠です。
逝去しているために、作品が市場に出回らず、骨董品的価値を秘めています。
過去に人気番組である「開運!なんでも鑑定団」において、
千代鶴是秀の切出小刀と共に長谷川幸三郎の玄翁が査定されており、その査定額はなんと¥ 1,200,000にも上りました!!
工具の買取・販売はアクトツール
アクトツールでは、中古工具や未使用工具の買取を積極的に行なっています!
関東を中心に17店舗展開(※2023年10月現在)し、多くの職人さん・DIYユーザーの方にご利用いただいております。
玄翁の記事を読んで、使用していない玄翁(ハンマー)があったなぁと思い出したら
ぜひ、アクトツールの事前査定で一度査定額を見てみてはいかがでしょうか!?
下記LINEを追加後、査定してほいしい玄翁の写真を撮り、公式LINEに送るだけ!
あとはアクトツールに在籍する経験豊富なスタッフが無料で査定してくれます!
もちろん、玄翁以外の工具も取り扱っています。
電動工具やエア工具、大工道具の買取も積極的に行なっていますので、ぜひこの機会にお試しください(^^)/
最後まで読んでいただきありがとうございました!
「玄翁とは? ハンマーとの違いから柄の種類や名工まで徹底解説!」いかがでしたか?
この記事が皆様の最適な玄翁選びの一助となれば幸いです♪
-
システム開発課 Yoshida.K プロフィールはこちら
新卒で入社し、店舗での買取・販売スタッフ経験を経て現在は、アクトツールのマーケティング責任者として活躍中。多くのお客様との接客経験から得た工具に関する知識を活かして、ホームページの監修をメインに行っています。