ハイコーキの電動工具用バッテリーの特徴&種類を徹底解説致します
- Yoshida.K
2022.06.15 2022.10.06
コードレスで電動工具を使うのには欠かせない、リチウムイオンバッテリー。
最近では、建築現場のプロの方だけでなく、DIYブームなどで一般の人にも浸透しつつありますよね。
国内外さまざまなメーカーからバッテリーは販売されていますが、そのなかでもハイコーキからは、たくさんのハイスペックなバッテリーが販売されています。
ただ電圧や容量の違いなど種類が多く、どれを選んだらいいのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、ハイコーキのバッテリーの特徴や選び方、種類などを徹底解説いたします。
ハイコーキのバッテリーをお探しの方や、バッテリーに対する知識を深めたいという方は、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
ハイコーキのバッテリーの特徴とは?
まずは、ハイコーキのバッテリーの主な特徴をご説明します。
気になる互換性や、人気のマルチボルトシリーズなど、ハイコーキのバッテリーはなぜ人気があるのでしょうか。
ハイコーキバッテリーの互換性は?
バッテリーを購入する際に気になるのは、その互換性についてです。
バッテリーひとつひとつも安いものではないので、できれば使いまわしたいというのが正直なところ。
気になるバッテリーの互換性ですが、同じ電圧(V)と取り付け方法(スライド式か否かなど)であれば、容量(Ah)が違っても使用できます。
例えば18Vの電動工具には、18Vの3.0Ahバッテリーでも5.0Ahバッテリーでもどちらでも使用が可能です。
また例外的には、36Vマルチボルトバッテリーであれば、18Vの工具にも使用が可能です。
別メーカーの互換性は?
ただし、別メーカーとの互換性はありません。つまりハイコーキのバッテリーを使って、マキタ製工具を動かすことは原則できません。
確かにハイコーキ製バッテリーをマキタの電動工具につなげる「変換アダプター」はありますが、メーカーが推奨していないためオススメしません。
ハイコーキといえば「マルチボルト」
ハイコーキが近年力をいれているマルチボルトバッテリーは、ハイコーキ史上最強クラスの36Vのバッテリーです。
上記で説明した互換性にも関係してきますが、マルチボルトバッテリーの魅力はそのパワーだけではありません。
画期的なところは、36Vと18Vのどちらの電動工具にも取り付けることができるというその互換性です。
36V工具であっても18V工具であっても、どちらの工具にもバッテリーが使えるので、工具を追加で購入する際にも選ぶ幅が広がります。
さらに詳しくは、以下の章で説明していきます。
ちなみにマルチボルトバッテリーについては「【初心者向け】ハイコーキのマルチボルトの特徴・互換性・種類は?」で詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてくださいね(^^)
そもそもバッテリーの容量とは?
バッテリーの容量とは、電気をどれだけ貯めておけるかという電気量です。
単位はAh(アンペア)・mAh(ミリアンペア)を用います。
バッテリーの容量が大きいほど多くの電気量を蓄えられ、長時間使い続けることが可能です。
ただ、容量が大きくなるほど長時間使い続けられるかわりに、バッテリーの重量も重くなります。
なぜバッテリーにはこんなにさまざまな種類があるのでしょうか?
電動工具の使用する際は、屋内・屋外で長時間、または低所・高所で使用したりと、作業者によってさまざまな状況が考えられます。
場合によっては、バッテリーが長持ちすることが重宝されたり、軽量であることが期待される場合もあります。
そのため、メーカーは複数のバッテリー容量を設定し、どんな作業者にも対応できるバッテリーの種類を展開をしているんです。
ハイコーキのバッテリーの種類は?
ハイコーキから販売されているバッテリーにはさまざまな種類があります。
電圧や容量の違いのほかにも、電圧の違うシリーズによって新機種の販売されるトレンドに差があることも。
今回は、人気の36Vマルチボルトシリーズ・18V・14.4V・10.8V(スライド式)について主に解説をしていきます。
マルチボルト36Vシリーズ
まずは、近年ハイコーキが力をいれている、マルチボルトシリーズについてです。
36Vマルチボルトシリーズは、現在5種類が販売されています。
小型・軽量タイプ
- BSL36A18 (2.5Ah)
- BSL36C18 (1.5Ah)
- BSL36A18B(2.5Ah)
高出力・高容量タイプ
- BSL36B18(4.0Ah) /
- BSL36B18B(4.0Ah)
上記で説明したとおり、マルチボルトバッテリーは36V製品にも、従来の18V製品にも使用できるバッテリーです。
特に事前に設定をする必要なく、製品本体によって自動で切り替えてくれるので誰でも簡単に使えます。
互換性があるので、18V工具をたくさん持っている方でも、バッテリーのみ36Vにアップグレードして使用し続けることができるのはいいですよね!
バッテリーの電圧が上がると作業性が上がる?
18V工具に36Vバッテリーを装着したとしましょう。
電圧が18→36Vに高くなれば、モーターに流れる電流が減少します。
モーターに流れる電流が減れば、モーターの温度の上昇を抑えることができます。
その結果、過負荷によるモーターの停止や故障を抑えられ、作業効率を上げることができるのです!
要するに、バッテリーの電圧が上がれば、モーター効率がよくなるので作業性を上げられます。
そのため、同じ工具に18Vのバッテリーでも36Vのバッテリーでもどちらでも装着できる場合は、36Vバッテリーを使うほうがオススメです。
2022年3月時点で、36Vマルチボルトシリーズに対応している製品は41種類あります。
2017年にマルチボルトシリーズが販売された当初は対応製品は11種類しかなかったので、以降どんどん種類が増えていることがわかります。
互換性のある18Vシリーズは73種類あるので、全部で114モデルで36Vマルチボルトシリーズが使用が可能です。
この傾向を見ていくと、今後もラインナップが増えていくことが予想されます!
18Vシリーズ
続いては、18Vシリーズです。
18Vのバッテリーは、現在3種類が販売されています。
BSL1820M(2.0Ah)/ BSL1830C(3.0Ah)/ BSL1850C(5.0Ah)
18Vは電動工具のラインナップも多く、ハイコーキでも主力に位置づけられていたバッテリーシリーズです。
36Vマルチボルトシリーズがデビューしたことによって、主力は18→36Vへ世代交代となりつつあります。
ただ、18V機種のフルセットに付属しているバッテリーは、マルチボルトバッテリーに置き換わっている機種がほとんどです。
これから購入する18Vの機種では、そのほとんどで36Vマルチボルトバッテリーが使えます。
2022年2月には、DIY機種向けの18V・2.0Ahのバッテリーが販売されました。
DIY用なので36Vは必要ないけど、18Vのパワーは欲しい!というDIYユーザー向けの商品展開が今後は予想されます。
14.4Vシリーズ
続いては、14.4Vシリーズです。
14.4Vバッテリーは、現在2種類が販売されています。
- BSL1415(1.5Ah)
- BSL1460(6.0Ah)
14.4Vは以前まで主力と位置づけられ、対応工具の種類も多かったシリーズです。
最近では18Vと36Vの台頭により、新機種の投入がかなり減少しています。
近年は14.4Vのプロ用の新機種が販売されていないものの、DIY向けであれば今でも販売されています。
プロ向けとしてはオススメができませんが、DIY用であればまだまだ使えるバッテリーです。
10.8Vシリーズ(スライド式)
次に10.8Vシリーズです。
10.8Vバッテリー(スライド式)は、現在2種類販売されています。
- BSL1240M(4.0Ah)
- BSL1215(1.5Ah)
10.8Vシリーズにはスライド式と差し込み式の2種類があります。
他のバッテリーと同様バッテリーをスライドさせて工具に取り付けるタイプがスライド式で、バッテリーを差し込んで工具に取り付けるタイプが差し込み式です。
形が違うので、互換性はありません。
差し込み式はスライド式がでる以前のシリーズになります。
10.8V(スライド式)は、ほどよいパワフルさと軽量さが魅力です。
プロ向けのサブ機として、またDIYユーザーにも人気のあるシリーズです。
7.2Vシリーズ
あまり主流ではありませんが、次に7.2Vシリーズの紹介です。
ハイコーキからは「BCL715」と呼ばれる1機種のみ販売されています。
バッテリー性能の関係上、対応している機種は「ペン型インパクトドライバー(WH7DL)」「クリーナー(R7DA)」の2機種のみ。
ここまで紹介した36V〜10.8V機種よりも稼働時間など性能は劣りますが、カンタンな軽作業なら7.2Vを検討しても良いでしょう。
イメージ的に、家具を組み立てる程度ならば7.2Vのペン型インパクトドライバーでも十分だと思います。
3.6Vシリーズ
ハイコーキ製バッテリーでもっとも電圧が低い3.6Vシリーズ。
現状だと、上記のEBM315のみ販売されています。
また、対応している電動工具は「ドライバードリル(DB3DL2)」の1機種のみ。
DB3DL2もペン型インパクトドライバーなので、軽作業としては使用可能です。
ただ、現場で1日中使用する予定であれば、少なくとも14.4V以上のバッテリーは必要になってくるでしょう。
ハイコーキのバッテリーの選び方をご紹介!
ここまでハイコーキのバッテリーの特徴や種類を解説してきました。
説明にあったとおり、ハイコーキのバッテリーには同じ電圧であってもさまざまな容量の差があります。
以下でオススメのバッテリーをご紹介します。
36Vシリーズ
まず、36VマルチボルトシリーズでオススメなのがBSL36A18(2.5Ah)です。
BSL36A18は、ほとんどのマルチボルト36V工具のフルセットに付属しています。
重さは707gなのでかなり重ためではなりますが、2.5Ahという容量でも申し分ないパワーを発揮してくれます!
BSL36C18を選ぶと容量が40%も減少してしまうので、値段や容量、重さのバランスを見ても、BSL36A18がオススメです。
18Vシリーズ
まずは前提として、18V工具に装着するのは36Vマルチボルトシリーズがオススメです。
モーター効率が上がり、作業性が向上します。
ただ、価格や重量の面で「36Vはちょっと・・・」という方もいらっしゃいますよね。
そんな方には18VのBSL1850C(5.0Ah)がオススメです!
重さは527gで軽いとは言えませんが、値段も36Vシリーズと比べると多少軽量かつ安価で、パワーもあります。
もっと軽いバッテリーをお探しの場合は、BSL1830C(3.0Ah)が人気です。
重さは387gとなるので、BSL1850Cと比べてもかなり差があります。
天井へ向かって上向きの作業が続く際など、なるべく腕に負担をかけたくない方には特に向いています。
14.4Vシリーズ
コストパフォーマンスの良さで選ぶなら、BSL1460(6.0Ah)がオススメです。
容量が大きいので作業性が高く、価格も割と安価です。
難点としては、重量が536g、ペットボトル飲料ほどの重さがあります。
長時間工具を持ち続けなければならない作業では少し負担になるかもしれませんが、コスパは良いバッテリーです。
10.8Vシリーズ(スライド式)
作業時間が長時間に及ぶ場合には、BSL1240M(4.0Ah)がオススメです。
BSL1240Mは、10.8Vシリーズの中でも最大容量の4.0Ahのバッテリーです。
重量は314gなので10.8Vシリーズの中では最も重くはなりますが、他の18Vや14.4Vのバッテリーと比べるとかなり軽量ではあります。
価格も安価なので、DIYユーザーにもオススメです。
7.2Vシリーズ
7.2Vから販売されているのはBCL715のみ。
また、前述のとおり対応している工具は「ペン型インパクトドライバー(WH7DL)」「クリーナー(R7DA)」の2機種のみ。
そのためどちらかを使用する予定ならば、必然的にこちらを購入することになります。
3.6Vシリーズ
3.6VシリーズからはEBM315のみ販売されています。
こちらも対応している電動工具はペン型の「ドライバードリル(DB3DL2)」のみなので、こちらを使用する予定ならば合わせてEBM315も必要になります。
背負型バッテリー
番外編として、面白いバッテリーもあるので紹介します。
上記は背負型バッテリーBL362000。
カンタンにいうと、めちゃくちゃ大容量のバッテリーを背負って作業ができる商品です。
BL362000には「BSL36A18」が約8個分搭載されいるため、1日中バッテリーを使い回すときに役立つでしょう。
バッテリーの作業時間を伸ばすには、
・バッテリーをたくさん用意する
・バッテリーを複数取り付ける
・バッテリー容量を増やす
などが考えられますが、上記3つの方法はどれもやや不便になります。
そこで開発されたのが背負型のBL362000です。
バッテリーを背負うことができるので、工具が軽くなるため作業効率もアップ。
長時間作業が多くなる「園芸工具」に対応しているため、園芸関連の作業をする方にオススメです。
アクセサリー
バッテリー周りのアクセサリーとして紹介したいのが、バッテリーアダプターです。
通常バッテリーは工具本体につけるのが基本ですが、アダプターを使うことで分離させることができます。
バッテリーを腰回りに装着できるため、上向き作業など腕に負担がかかる作業に向いているアクセサリーです。
詳しい使い方については下記でも紹介しているので、あわせて参考にしてくださいね。
ハイコーキ製バッテリーの型番の読み方
じつは、ハイコーキ製バッテリーの型番を見ることで、
・電圧
・容量
が分かります。
7.2V〜18Vの読み方
たとえば14.4Vシリーズの「BSL1460(6.0Ah)」を例にあげてみましょう。
どこを見ればいいかというと「BSL」「14」「60」の3つです。
それぞれ次章からカンタンに紹介するので、参考にしてくださいね(^^)
BSL
BSLは「スライド式リチウムイオンバッテリー」であることを指します。
一方差し込み式の場合「BCL」と表記されます。
14
次の「14」は、電圧です。「BSL1460」バッテリーは14Vなので、「14」という表記です。
60
最後の「60」は容量です。
BS1460は6.0Ahなので「60」となり、もし3.0Ahならば「30」となります。
また、型番の最後に「C」と付く場合もあるのですが、こちらは「軽量バッテリー」であるということを表します。
もう一つ「M」が最後に付いた場合「残量表示機能付き」バッテリーです。
上記の型番の見方は「7.2V〜18V」の場合で、36Vバッテリーシリーズになると見方が少し変わります。
36Vの読み方
36Vマルチバッテリーシリーズの読み方は、上述で紹介した方法と少し異なります。
36Vである「BSL36A18B」を参考に見ていきましょう。
見方としては「BSL」「36」「A「18」「B」となり、それぞれ一つずつ次章から紹介します。
BSL
BSLについては先ほどと同じく「スライド式リチウムイオンバッテリー」です。
36
次に電圧です。BSL36A18Bは「36V」なので、36と表記されています。
A
ここからが36V独自の表記方法です。
「A」は容量を表しており、2.5Ahとなり、他にも「B=4.0Ah」「C=1.5Ah」というように容量が表されています。
18
マルチボルトバッテリーシリーズは「36V」「18V」両方使用することが可能です。
そのため「18」というは「18Vと互換性がある」ということを表していると思われます。
ただ、あくまで推測なので参考までに覚えておいてくださいね。
B
「B」はBluetooth付きであることを表しています。
逆に「B」がなければ、Bluetoothは搭載されていないことがわかります。
ハイコーキの互換バッテリーについての注意!
電動工具のバッテリーには、多くの非純正の互換バッテリーが存在します。
Amazonや楽天などでも、たくさんの種類が販売されており、見た目もかなり純正のバッテリーに似ています。
これはハイコーキに限らずの話ですが、非純正バッテリーの使用には注意が必要です。
純正のバッテリーは価格が高価なものもあるので、同じような役割を果たすのに安価な非純正のバッテリーは魅力的に見えます。
ただ、非純正のバッテリーは表示されている容量よりも実際の容量が少なかったり、使用によるやけどなどのケガの事例も報告されています。
無名メーカーから販売されている非純正バッテリーは、故障などが起きてもメーカーの保証は受けられません。
さらには、非純正バッテリーの使用による正規メーカーの工具の故障は、メーカー保証の対象外になります。
互換バッテリーが問題なく使えることももちろんあるので、使用する際はリスクや値段などを考慮した上で自己責任で使用しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、人気のハイコーキのリチウムイオンバッテリーについて徹底解説をさせていただきました。
種類がたくさんありますので、容量やマルチボルトシリーズ、互換性などを考慮してご自身にぴったりのバッテリーを探してみてくださいね!
中古工具専門店のアクトツールでも、ハイコーキのバッテリーを数多く販売しております。
ご購入をお考えの方は、ぜひアクトツールのオンラインショップものぞいてみてくださいね!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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システム開発課 Yoshida.K プロフィールはこちら
新卒で入社し、店舗での買取・販売スタッフ経験を経て現在は、アクトツールのマーケティング責任者として活躍中。多くのお客様との接客経験から得た工具に関する知識を活かして、ホームページの監修をメインに行っています。