【プロ解説】インパクトドライバーのソケット完全ガイド
- サルトくん
2021.05.27 2021.12.22
インパクトドライバーをレンチとしても利用出来たらなと思うことは多いのではないでしょうか?
BOSCHから販売されているインパクトドライバーとインパクトレンチを使える2in1の機種などもありますが、買い替えるのには手間がいるものです。
そこで思いつくのがインパクトドライバーのソケットアタッチメントですよね。
インパクトドライバーでは締緩(ていかん)できないボルトやナットが作業対象となります。
しかしながらインパクトドライバーのアタッチメントであるソケットには、たくさんの種類があります。
たくさんありすぎて、どんなものをどう使ったらいいかわかりにくいですよね。
そこで今回は、ソケットの代表的な種類やおすすめの商品をご紹介します!
トルク問題や軸折れなど、よくあるトラブルについても解説をしていきますので、インパクトドライバーをお持ちでソケットを探している方は必見です。
目次
インパクトドライバーのソケットとは?
前述のとおり、ソケットはインパクトドライバーのアタッチメント(先端工具)です。
使い方は簡単で、お手持ちのインパクトドライバーの先端のソケットを付け替えるだけです。
いろいろな大きさのインパクトドライバーを買わなくても、ソケットにはさまざまな大きさがあるので、ソケットを替えるだけであらゆる作業に対応することができます。
インパクトドライバーのアタッチメントのソケットとはいっても、大きく分けて以下の2種類が存在します。
- ソケットビット
- ソケットアダプター
どちらもアタッチメントでレンチ用途に利用することができます。
具体的に何が違うのかというと、
ソケットビットはビットにソケットがついたもので、ソケットアダプターはビットにソケットレンチを付けるためのアダプター(取り付け部分)がついたものです。
インパクトドライバーのソケットの種類は?
一口にインパクトドライバーのソケットといっても、その種類はたくさんあります。
①軸圧入式のインパクトソケット
もっとも一般的な構造でのインパクトソケットです。
ソケットと六角軸を熱処理して圧入させることで、ソケット部は摩耗に強くなり、六角軸部は折れにくくなっています。
一体型のインパクトソケットと比較して耐久性が高いという特徴がありますが、値段も相応です。
②一体型のインパクトソケット
比較的安価なタイプのインパクトソケットです。
軸圧入式のインパクトソケットと比べると軸が折れやすいので使用するさいは注意が必要です!
③軸交換式
六角軸部が交換可能になっているインパクトソケットです。
軸が折れた際に「軸部分だけ」を交換することで、既存のソケットをそのまま使えます。
ゆえにコストを抑えるメリットがあります。
軸は6.35mmの専用軸や、六角軸プラスビットもそのまま使えます。
④リングホールド式
衝撃力分散効果のあるリングホールド構造を採用しています。
ソケットと軸の間に樹脂ダンパーを挟むことで、軸に加わる曲げ応力を軽減。
タジマの独自規格で既存製品の5倍の耐久力となっていますが、高価なのでお財布と相談が必要そうです。
上記のようにインパクトドライバー用のソケットといっても4つの種類が存在するのです。
また、深く掘り下げていくと、ソケットの中にも8つの種類が存在します。
- 六角ソケット・・・一般的なもの
- 十二角ソケット・・・6角ソケットよりボルト・ナットに差し込みやすい
- フォームタイ用ソケット・・・コンクリート型枠の固定に用いられるフォームタイ用
- Pコン用ソケット・・・コンクリート型枠の固定に用いられるPコンを取り外すためのもの
- 蝶ネジ用ソケット・・・手作業で締緩を行う蝶ネジを、インパクトでも可能にする
- レースウェイ用ソケット・・・レースウェイ取付用のボルトを回すためのもの
- 寸切り・全ネジボルト用ソケット・・・寸切ボルト(全ネジボルト)を回すことができる
- 軽天ソケット・・・軽天作業で用いられる
今回は、代表的な3つの種類を具体的にご紹介します。
六角ソケット
もっとも一般的なタイプのソケットです。
ボルトやナットを締めたり緩めたりするのに使います。
十二角タイプよりも強度や耐久性が高いといわれています。
六角ソケットのおすすめ商品
ベストツール KOSEI インパクトドライバー用ソケット 六角深穴タイプ
販売価格:1,080円(税込)
ベストツールのインパクトドライバー用の六角ソケットです。
負荷のかかる軸部の全長を見直され、耐久性に優れています。
ビットとソケットの接合部は3ポイントロックの特殊圧入式を採用し、ビットにかかる衝撃を分散し更に軸折れしにくいよう設計されています。
ベッセル(VESSEL) 剛鍛セミロングソケット9本組 SL209PS
販売価格:4,820円(税込)
ベッセルの六角セミロングソケット9本入りのセットです。
対辺8・10・12・13・14・17・19・21・24mmの9点セットなので、必要なサイズは恐らくほぼカバーできるはずです。
軽量かつコンパクトで、ナット締めに対応する深穴タイプ、ソーラーパネルの施工やルーフ作業に適しています。
ケース付きなので、ソケットを無くしづらく、持ち運びもしやすいです。
軸圧入式で、軸折れに対する強度に優れています。
十二角ソケット
ボルトやナットを締めたり緩めたりするのに使います。
六角ソケットと比べて、ボルトやナットにより差し込みやすいといわれています。
十二角ソケットのおすすめ商品
タジマ(Tajima) インパクトドライバー用 ダブルソケット 12角 TSK-W1721
販売価格:3,820円(税込)
タジマの12角ダブルソケットです。
ダブルソケットで、1本で17mmと21mmの2サイズ使えます。
軸が折れても交換できるビット交換式で、交換はスライドでできるので手間がかかりません。
寸切(全ねじ)専用ソケット
寸切ボルト(全ネジボルト)を効率よく回すためのソケットです。
寸切とは、頭がなく全体がねじ部になっているねじのことをいいます。
寸切ソケットのおすすめ商品
タジマ(Tajima) ソケット全ネジ用 TSK-ZN25RA
販売価格:2,370円(税込)
タジマの全ねじ用ソケットです。
回転するとロックされ、反転するとロックが解除される仕組みで、全ねじをがっちり固定できます。
ビット交換式で、軸が折れてもソケット部は繰り返し使用できます。
この他にも、フォームタイ用ソケットや、レースウェイ用ソケットなど、用途に合わせていろいろな種類があります。
インパクトドライバーのソケットの実際の口コミは?
では、ここからはソケットの実際の口コミを見ていきましょう。
今回は例としてベストツールの六角ソケットを選びました。
ベストツール KOSEI インパクトドライバー用ソケット 六角深穴タイプ
販売価格:1,080円(税込)
夏冬タイヤの履き替え用に購入。ナットをレンチでちょっと緩めてからインパクトドライバでサッと外すようにしているので楽チン&スピーディーに作業が進められました。
(引用:Amazon)
車のタイヤ交換に使って見ました今までラチット使っていたのですが楽になりました。
(引用:Amazon)
上記のレビューのように、タイヤの交換に使用している人が多いようです。
簡単に、スピーディーに使用できるのが魅力のようです。
耐久性の良さにも定評がある商品ですし、お求めやすいお値段も魅力ですね!
インパクトドライバー用ソケットのよくあるトラブル
トルク問題
トルクとは、ねじを締め付ける力のことです。
インパクトドライバーでねじを締めていると、気づかないうちにねじを締めすぎてオーバートルクになってしまったり、逆にトルク不足でねじが緩んでしまったりすることがあります。
特に、鉄のねじと違ってアルミなどの柔らかい素材のねじを締める場合は、トルクが強すぎて部品自体を壊してしまうということがよく起こります。
オーバートルク防止用ソケットの例
そんなときは、オーバートルク防止用のソケットを使うと便利です。
所定のトルク値に達すれば、自動的にクラッチが切れ、空回りする仕組みになっています。
プロの建設現場では、トルクレンチという、トルク値を測ることのできる工具を使うこともよくあります。
軸折れ
インパクトドライバーで長いビスを締めたりなど、過負荷がかかることによってビットが抜けなくなったり、折れてしまうということがあります。
軸折れを防ぐためにも、ビスの締めすぎには注意しましょう。
また、安価なビスも折れやすいので、500円以下など安すぎるソケットはおすすめしません。
もし折れてしまった場合は、トンカチなどで横から叩いて振動させてみたり、潤滑油などを差してはずすという方法もあります。
根本から折れてしまった場合など、自分で試しても抜けない場合は、状況が悪化する前にメーカーに修理を依頼しましょう。
強ビットの例
また、軸折れを未然に防ぐ方法として、スリムビットではなく軸折れに強いタイプのビットを購入するのもオススメです。
それでも過負荷が続く作業現場では、軸折れは頻繁に起こりえます。
以下のようにインパクトドライバーにベルトを括りつけておけば、作業スピードの向上や落下防止が見込めます!
ベルト付きソケットの例
タイヤ交換
タイヤがパンクしたときや、雪道用のスタッドレスタイヤに切り替えたりなど、自分でタイヤ交換をする機会もありますよね。
タイヤの交換にはドリルドライバーだと力が足りないので、インパクトドライバーが便利です。
その際には、ソケットも耐久力の強い強力なタイプを選ぶようにしましょう。
強力タイプのソケットの例
また、ホイールナットの締めすぎには注意しましょう。
ギュっと力を入れて緩まずにしっかりと固定されていればそれ以上締める必要はありません。
まとめ
いかがでしたか?
今回はインパクトドライバーのソケットについて、おすすめの種類からよくあるトラブルなどを一気に解説をさせていただきました。
プロの工事現場だけでなく、DIYでもよく利用されるインパクトドライバーは、ソケットを替えるだけで大きく用途を広げることができる優れものです。
ソケットの購入をお考えの方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね!
また、よりインパクトドライバーをインパクトレンチとして使いたい方向けに以下の記事もございます。