【徹底解説】インパクトドライバーでタイヤ交換はできるのか?
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- サルトくん
2021.06.07 2026.01.09
一般的に、プロがタイヤ交換を行う際には、インパクトレンチとトルクレンチを併用して、取り外し・取り付け作業を行います。
タイヤ交換は比較的シンプルな作業でもあるため、できることなら自分で交換したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、自分でタイヤ交換を行う場合でもトルクレンチは必須ですが、「手動でナットを緩めるのは大変そう」「インパクトドライバーがあるなら使えないのかな……」と感じる方も少なくありません!
そこで本記事では、「一般的なインパクトドライバーでタイヤ交換はできるのか?」に焦点を当てて、詳しく解説します。
インパクトドライバーとインパクトレンチの違いから、実際の検証結果、必要な条件や道具、注意点、さらには代替案まで網羅的に紹介していますので、DIYでタイヤ交換を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インパクトドライバーでタイヤ交換はできるのか?
結論から言うと、インパクトドライバーでタイヤ交換はできます!
ただし、タイヤ交換には本来インパクトレンチが使われるのが一般的です。
インパクトドライバーはメーカーや機種によって締め付けトルクに差があり、条件次第では力不足になります。
そのため、各工具の特性や違いを理解したうえで作業に臨むことが重要です。
まずは、インパクトドライバーとインパクトレンチの違いから詳しくみていきましょう。
インパクトドライバーとインパクトレンチの違い
インパクトドライバーは、打撃(インパクト)を加えながらネジを回す電動工具です。
ドリルドライバーよりもトルク(パワー)が強い機種が多く、木ネジやビスの締め付け・取り外しを得意とします。
先端工具(ビット)を付け替えることで、ネジ作業だけでなく、ボルト・ナットの締結、穴あけ、研磨など幅広い用途に対応できる点も特徴です。
建設現場はもちろん、DIYシーンでも活躍の場が多い一方で、打撃機構を使うため作動音が大きくなりやすいというデメリットもあります!
インパクトレンチは、打撃を加えながらボルトやナットを回すことに特化した電動工具です。
レンチ用ソケットを直接装着でき、インパクトドライバーよりも高いトルク性能を備えています。
ここでいうトルクとは、ボルトやナットを締め付ける力のことで、「N・m(ニュートンメートル)」という単位で表されます。
この数値が高いほど、強い力で締結・取り外しが可能になります。
インパクトレンチは、ボルト・ナット作業に特化している分、耐久性や安定性にも優れているのが特徴です。
なお、両者の違いについて詳しく知りたい方は「インパクトドライバーとインパクトレンチの違いは?【徹底解説】」をご覧ください!
【検証】インパクトドライバー・インパクトレンチのパワー比較
インパクトドライバーとインパクトレンチは、実際の作業でどの程度のパワー差が出るのでしょうか。
その目安として参考になるのが、軽自動車のタイヤ取り外しを想定した検証動画です。
この動画では、インパクトドライバー3機種とインパクトレンチ1機種を使用し、ホイールナットをどこまでスムーズに緩められるかを比較しています。
| メーカー | 型番 | 電圧 | 最大トルク | 種別 |
| 日立(現:ハイコーキ) | WH14DBAL | 14.4V | 160N・m | インパクトドライバー |
| マキタ | TD170D | 18V | 175N・m | インパクトドライバー |
| マキタ | TD171D | 18V | 180N・m | インパクトドライバー |
| マキタ | TW285D | 18V | 260N・m | インパクトレンチ |
今回の検証は軽自動車を想定しており、ホイールナットは85N・mの締め付けトルクで取り付けられています。
なお、一般的なタイヤホイールナットの適正締め付けトルクは以下が目安です。
- 軽自動車:80~100N・m
- 乗用車:100~120N・m
最初に検証されたのは、14.4V仕様のインパクトドライバー「WH14DBAL」です。
最大締め付けトルクは160N・mですが、ナットはなんとか緩められる程度で、明らかな余裕はありませんでした。
軽自動車想定の85N・mでこの状態だったことから、14.4Vタイプのインパクトドライバーで乗用車のタイヤ交換を行うのは厳しいと判断できます。
次に登場したのは、現在は廃盤となっているマキタの「TD170D」です。
18V仕様で最大締め付けトルクは175N・mと、14.4Vタイプよりもパワーがあります。
動画内では、85N・mで締め付けられたナットを問題なく取り外しできていました。
次に紹介されていたインパクトドライバーは、マキタの「TD170D」の後継機にあたる「TD171D」です。
最大締め付けトルクは180N・mと、先代モデルから5N・mパワーアップしており、この機種についてもナットの取り外しは問題なく行えていました。
この検証結果からも分かるように、余裕をもって作業を行うのであれば、14Vではなく18Vタイプのインパクトドライバーを選ぶのが現実的といえるでしょう!
動画の最後ではマキタのインパクトレンチ「TW285D」も紹介されています。
最大締め付けトルクは260N・mと非常に高く、インパクトドライバーとは比較にならないほどの余裕でナットを緩めていました。
さらに、車検から戻ってきた直後のタイヤを取り外す検証では、14V・18Vいずれのインパクトドライバーでもナットを緩めることができなかったのに対し、インパクトレンチは問題なく取り外しに成功しています。
この結果から、タイヤ交換を主目的とするのであれば、やはりインパクトレンチを選ぶのが安心といえるでしょう!
タイヤ交換で使うインパクトドライバーに必要な条件は?
タイヤ交換にインパクトドライバーを使用する場合、いくつか満たしておきたい条件があります。
一口にインパクトドライバーといっても、電圧や締め付けトルクは機種によってさまざまで、選び方を間違えると作業がスムーズに進まないこともあります。
そこで、インパクトドライバーでタイヤ交換を行うために必要な条件について、わかりやすく解説します。
電圧は「18V」以上を選ぶ
動画での検証結果でも触れましたが、インパクトドライバーでタイヤ交換を行うなら18Vタイプを選ぶのが基本です。
電圧は、バッテリーが持つ「出力の大きさ」を示す指標で、一般的に電圧が高いほどパワーが強く、負荷のかかる作業に向いています!
14V(14.4V)タイプのインパクトドライバーは、下記のような家庭用の軽作業を想定したモデルが中心です。
- 小さなビスの締め付け
- 家具の組み立て
- 日常的なDIY作業
そのため、タイヤのホイールナットのように強い力が必要な作業では、力不足なケースがあります。
一方、18Vタイプは高負荷作業にも対応しやすく、近年は多くの電動工具メーカーが18Vを主軸に開発を進めているのが現状です!
同じバッテリーを複数の工具で使い回せるラインアップも増えているため、今後ほかの電動工具を使う可能性がある方にも向いています。
締め付けトルクは「170~180N・m」以上が目安
もう1つ重要なのが、締め付けトルクです。
トルクはボルトやナットを回す力の強さを表す数値で、「N・m(ニュートンメートル)」という単位で示されます。
一般的なホイールナットの締め付けトルクの目安は以下のとおりです。
- 軽自動車:80~100N・m
- 乗用車:100~120N・m
これらのナットを安全に緩めるためには、実際の締め付けトルクよりも余裕のある出力が必要になります!
そのため、インパクトドライバーを使用する場合は、170~180N・m以上の締め付けトルクを持つ機種を選ぶのが目安です。
力が足りない状態で無理に作業を続けると、下記のようなトラブルにつながる可能性もあります。
- ナットが緩まない
- ビットに過剰な負荷がかかる
最悪の場合、ビットが折れることもあります。安全性の面からも、トルクには余裕を持たせることが大切です!
参考として、マキタの現行インパクトドライバー(バッテリー2個付きモデル)を例に挙げると、以下のような違いがあります。
| 型番 | バッテリー | トルク |
| TD162DRGX | 14V | 175N・m |
| TD172DRGX | 18V | 180N・m |
| TD001GRDX | 40Vmax(36V) | 220N・m |
インパクトドライバー&レンチの「2in1」タイプもおすすめ
今回紹介してきたインパクトドライバーと比較すると、本来タイヤ交換に適しているのはインパクトレンチです。
ホイールナット専用に設計されているため、パワーや安定性の面ではインパクトドライバーよりも実用性が高いといえます。
ただし、インパクトレンチにはビス締めやドライバー作業ができないという弱点があります。
日常的なネジ締めやDIY作業には使いにくく、「タイヤ交換専用工具」になりがちなのが難点です。
そこでおすすめなのが、ボッシュの2in1電動インパクトレンチ「GDX18V-200C3」です。
本製品は2in1タイプのため、ソケット(角ドライブ)に加えて6角ビットも装着可能です。
ホイールナットの締め付け・取り外しだけでなく、通常のビス締め作業にも対応できます。
また、18V仕様で最大締め付けトルクは200N・mと十分なパワーを備えており、ストレスなくタイヤ交換できます!
高い汎用性を備えたインパクトドライバー兼レンチを探している方におすすめです。
| 型番 | GDX18V-200C3 |
| 価格 | ¥43,727- |
インパクトドライバーを使ったタイヤ交換に必要なもの
インパクトドライバーでタイヤ交換を行う場合、本体さえあれば作業できるわけではありません。
安全かつスムーズに交換するためには、ホイールナットに適合するソケットビットと、仕上げの締め付けを管理するためのトルクレンチが欠かせません。
ここでは、インパクトドライバーとあわせて準備しておきたい道具を紹介します。
ボルトサイズに対応した「ソケットビット」
インパクトドライバーでタイヤ交換を行う場合、ホイールナットのサイズに合ったソケットビットが必須です!
ビットが合っていないと、ナットを傷めたり、十分な力を伝えられなかったりします。
ホイールナットのサイズは車種やホイールによって異なるため、事前に自分の車に使われているナットサイズを確認したうえで選ぶことが重要です。
一般的に多く使われているナットサイズは、次のとおりです。
- 17mm
- 19mm
- 21mm
ただし、「どのサイズか分からない」「ホイールを替えていて不安」という場合もあるでしょう。
そのような場合には、複数サイズがセットになったソケットビットを選ぶのがおすすめです!
ベッセル(VESSEL)の 剛鍛セミロングソケットでは、各種サイズの9本組となっています。
ナットサイズが分からない場合でも、このようなセット品であれば現車に合わせて最適なサイズを選べるため失敗しにくいのがメリットです。
| 型番 | SL209PS |
| 価格 | ¥4,229- |
締め付け確認用の「トルクレンチ」
タイヤ交換の作業において、ナットの取り外しや仮締めにインパクトドライバーを使用すること自体は問題ありません。
ただし、締め付けが不十分だったり、逆に締めすぎてしまった場合、走行中のナット脱落やホイール破損など、重大な事故につながる恐れがあります。
そのため、最終的な締め付け確認は必ずトルクレンチで行うことが重要です!
これはインパクトドライバーを使用した場合だけでなく、インパクトレンチで作業した場合も同様です。
理由はシンプルで、インパクトレンチやインパクトドライバーでは「今どれくらいのトルクがかかっているか」を正確に把握できないからです!
インパクト系工具は作業効率に優れていますが、締め付けトルクの数値を管理する機能は備えていません。
そのため、作業者の感覚に頼ることになり、締め過ぎ・締め不足のリスクが常に残ります。
【手順解説】インパクトドライバーでタイヤ交換を行う流れ
まずは、インパクトドライバーを使ったタイヤ交換の基本的な手順を確認しておきましょう。
- ホイールストッパーやブレーキロックを使って車を固定する
- ジャッキを使って車を持ち上げる
- インパクトドライバーでホイールナットを緩める
- タイヤを慎重に取り外す
- 新しいタイヤを装着する
- ナットを手で仮止めする
- インパクトドライバーで軽く締め付ける
- 車をジャッキからおろす
- トルクレンチで最終的な締め付けを行う
- 空気圧を調整する
作業時の注意点として、インパクトドライバーはあくまで取り外しと仮締めまでに留めることが重要です。
締め付けの際は、回転音が打撃音に変わったあたりで止め、それ以上無理に締め込まないようにしましょう。
インパクトドライバーだけで最後まで締め付けてしまうと、ナットやボルトを破損する恐れがあります!
また、最終的な締め付けは必ずトルクレンチで行うことが大切です。
インパクトドライバーやインパクトレンチでは、どれくらいのトルクがかかっているかを正確に把握できないため、適正トルクに合わせて仕上げることで、締め過ぎや締め不足を防止できます。
絶対NG!インパクトドライバーでタイヤ交換する際の注意点
インパクトドライバーは、タイヤ交換を効率化できる便利な工具ですが、使い方を誤ると車両の破損や事故につながる危険性もあります。
ここでは、特に注意すべきNG行為について解説しますので、作業前に必ず確認しておきましょう。
NG行為1. 適合しないソケットを使う
インパクトドライバーでタイヤ交換を行う際は、ホイールナットのサイズに合ったソケットビットを使用することが必須です。
サイズが小さすぎるとナットに正しくかからず、緩めることも締めることもできません。
逆に大きすぎる場合も、空回りやナットの角を傷める原因になります。
一般的なホイールナットのサイズは、17mm・19mm・21mmのいずれかであることがほとんどです。
また、通常の手動工具用ではなく、インパクトドライバー専用(耐衝撃)のソケットビットを選ぶことも重要です!
不適合なソケットを使うと、ソケットやビットの破損につながる恐れがあります。
NG行為2. ボルトやナットを過度に締め付ける
インパクトドライバーやインパクトレンチにはパワー調整機能が備わっていますが、いきなりフルパワーで締め付けるのは非常に危険です。
過度な力をかけると、下記のようなトラブルにつながる可能性があります。
- ボルトやナットの破損
- ネジ山の損傷
- インパクトドライバーのビット折れ
締め付け作業は、最初は弱めのパワーで行い、必要に応じて徐々に上げていくのが基本です。
また、インパクトドライバーで「完全に締め切ろう」とせず、仮締めまでに留めて、最終的な締め付けはトルクレンチで行いましょう!
NG行為3. インパクトドライバーを片手で操作する
インパクトドライバーは本来、片手で扱える工具ですが、タイヤ交換時に片手操作をするとホイールを傷つけるリスクがあります。
打撃時の反動によって工具がブレると、ソケットが外れてホイール表面に接触し、傷を付けてしまう可能性があるためです!
タイヤ交換の際は、両手でインパクトドライバーを支えながら作業するのが望ましいとされています。
右手で本体を操作する場合は、左手をソケット部分に軽く添えてブレを抑えると、安全性が高まります。
やむを得ず片手で操作する場合は下記のような点を意識し、慎重に行いましょう。
- 低出力設定で作業する
- ナットに対して真っ直ぐ当てる
- 無理な姿勢で作業しない
タイヤ交換に適したインパクトドライバーは「中古で買う」選択肢も
新品で工具一式を揃えようとするとコストがかさみがちですが、中古工具であれば手頃な価格で入手できます。
「タイヤ交換のためだけに高価な新品を買うのは少し躊躇する」という方にとっては、コストパフォーマンスの高い現実的な方法といえるでしょう。
アクトツールでは、買い取った工具をそのまま販売するのではなく、長年培ってきた技術とノウハウによるクリーニング・メンテナンスを実施したうえで店頭・オンラインで販売しています。
そのため、中古であっても実用性・安全性の面で安心して選びやすいのが特徴です!
また、埼玉・東京・千葉・神奈川といった関東を中心に福岡・富山などにも実店舗を構えており、それぞれの地域一番の中古工具専門店として多くのユーザーに支持されています。
まとめ:電圧・トルクが十分なら、インパクトドライバーでタイヤ交換は可能!
本記事では、インパクトドライバーでタイヤ交換ができるのかという疑問について、
実際の検証結果や工具の特性を踏まえて解説しました。
結論として、
- 条件を満たしたインパクトドライバーであればタイヤ交換は可能
- ただし本来はインパクトレンチのほうが適している
- 最終締め付けは必ずトルクレンチで行う必要がある
といった点を理解したうえで作業することが重要です。
また、電圧は18V以上、締め付けトルクは170~180N・m以上を目安にし、適合するソケットビットやトルクレンチを揃えることで、安全性と作業効率を高めることができます!
もし、「今持っているインパクトドライバーでは性能が足りない」「必要な工具を一式揃えるとコストがかかる」と感じた場合は、中古工具を購入するのも選択肢の1つです。
アクトツールでは、メンテナンス済みのプロ用中古工具をオンラインで手軽に購入でき、タイヤ交換に必要なインパクトドライバーやソケット、トルクレンチをコスパ良く揃えることが可能です!
また、使わなくなったインパクトドライバーを買取に出して購入資金に充てるのも1つの方法です。
販売・買取の両方に強いアクトツールを活用すれば、無駄なく工具を揃えられるでしょう。











