【徹底解説】インパクトドライバーでタイヤ交換はできるのか?
- サルトくん
2021.06.07 2023.03.02
一般的にプロがタイヤの交換をおこなう際には、手動もしくはエアツールのトルクレンチを利用して取り外しや取付をおこないます。
ただしタイヤ交換は比較的簡単な作業ですので、「自分で交換したい!」と考えているDIY派の方も多いのではないでしょうか。
もちろん交換作業を自分でおこなうのであればトルクレンチが必要になってきますが、「手動は大変だから、できればインパクトドライバーで交換できないかな……」と考える方もいると思います。
そこで今回は、「一般的なインパクトドライバーでタイヤ交換はできるのか?」という部分に焦点を当てて解説をしていきます。
本記事をご覧いただくことで、インパクトドライバーでタイヤ交換をする際の条件や道具、代替え製品など知れますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インパクトドライバーでタイヤ交換はできるのか?
結論から言うと、インパクトドライバーでタイヤ交換はできます!
ただしインパクトドライバーの場合は、メーカーや種類によっても締め付けトルクが変わってくるので注意が必要です。
どの程度パワーに差が出てくるのかは、以下の動画が参考になるので紹介します。
この動画では軽自動車のタイヤ取り外しを想定しており、以下の4種類のインパクトドライバーとインパクトレンチが紹介されています。
メーカー | 型番 | 電圧 | 最大トルク | 種別 |
日立(現:ハイコーキ) | WH14DBAL | 14.4V | 160N・m | インパクトドライバー |
マキタ | TD170D | 18V | 175N・m | インパクトドライバー |
マキタ | TD171D | 18V | 180N・m | インパクトドライバー |
マキタ | TW285D | 18V | 260N・m | インパクトレンチ |
軽自動車を想定しているため、ホイールナットは85N・mの締め付けトルクで取り付けられています。
なお一般的にタイヤホイールナットの適正な締め付けトルクは、軽自動車で80~100N・m、乗用車で100~120N・m程度とされています。
動画では日立(現:ハイコーキ)の14.4Vインパクトドライバー「WH14DBAL」が最初に検証されます。
WH14DBALの最大締め付けトルクは160N・mとなっていますが、なんとか緩められる感じで、余裕はありませんでした。
軽自動車を想定した85N・mでギリギリだったため、14.4Vタイプのインパクトドライバーでは、乗用車のタイヤ交換は厳しいですね。
次に紹介されていたのは、現在では廃盤品となっているマキタの「TD170D」です。
この製品は18Vタイプのインパクトドライバーで、最大締め付けトルクも175N・mと先程の14Vタイプに比べてパワーがあります。
そのため動画内で紹介されている85N・mの締め付けトルクで取り付けられているタイヤに関しては、問題なく取り外しできていました。
次に紹介されていたインパクトドライバーは、「TD170D」の後継機でもあるマキタの「TD171D」です。
最大締め付けトルクも180N・mと5N・mパワーアップしているため、こちらも問題なく取り外しができていました。
やはり余裕のある取り外しをするのであれば、14Vではなく18Vタイプのインパクトドライバーがいいですね。
動画の最後ではマキタのインパクトレンチ「TW285D」も紹介がされていますが、260N・mの締め付けトルクがあるので、インパクトドライバーとは比較にならないほど余裕があります。
また動画の最後では、車検に出したあとに戻ってきたタイヤを取り外してみるシーンが紹介されています。
そこでは14V・18Vのどちらのインパクトドライバーもナットを緩めることができていませんでした。
ただしインパクトレンチは問題なく取り外しをしていましたので、タイヤ交換に焦点を当てるのであれば、やはりインパクトレンチがおすすめです。
インパクトドライバーでタイヤ交換に必要な条件は?
一口にインパクトドライバーといってもさまざまな種類があり、電圧やトルクによってもタイヤ交換の手間は変わってきます。
そこでここからは、インパクトドライバーでタイヤ交換をするのに必要な条件を解説していきますので、参考にしてみてください。
電圧は18Vがおすすめ
動画紹介の際にも解説しましたが、インパクトドライバーでタイヤ交換をするのであれば18Vタイプにしましょう。
14Vタイプのインパクトドライバーでは力不足になるので、取り外しができなかったり締め付けが甘くなってしまうケースがあります。
そのため18Vタイプのインパクトドライバーで作業することをおすすめします。
締め付けトルクについて
一般的にタイヤのホイールナットは、軽自動車が80~100N・mで乗用車が100~120N・mの締め付けトルクとされています。
そのためインパクトドライバーを使用するのであれば、力不足になるのを防ぐためにも170~180N・m以上のタイプを選ぶようにしましょう。
現行のマキタのインパクトドライバー(バッテリー2個付き参照)を例にとると、
型番 | バッテリー | トルク |
TD162DRGX | 14V | 175N・m |
TD172DRGX | 18V | 180N・m |
TD001GRDX | 40Vmax(36V) | 220N・m |
トルクレンチも用意しよう
タイヤ交換をする際に、取り付けや取り外しでインパクトドライバーを利用するのは問題ありません。
しかしナットの締め付けが甘かったりしてしまうと事故の原因にもなってしまうため、最終的な締め付け確認などをする際には、きちんとトルクレンチで確認するようにしましょう。
インパクトドライバーでタイヤ交換するのに必要なものは?
インパクトドライバーでタイヤ交換をする際には、ボルトサイズに対応したソケットビットが必要になってきます。
車種などによってもホイールナットのサイズが変わってくるため、一度ご自身の車を確認してから選ぶようにしてください。
ナットサイズは、
- 17mm
- 19mm
- 21mm
などが一般的に使われていることが多いです。
ベッセル(VESSEL)の 剛鍛セミロングソケットでは、各種サイズの9本組となっています。
今取り付けてあるホイールナットのサイズがイマイチわからない場合、このようなソケットビットの各種サイズがセットになっているものもおすすめです。
型番 | SL209PS |
価格 | ¥4,229- |
また今回紹介したインパクトドライバーよりも、本来タイヤ交換をする際にはインパクトレンチのほうが実用性も高いです。
しかしインパクトレンチの場合は、ドライバーの取り付けなどもできないため、通常の締め付け作業には使えない欠点もあります。
そこでおすすめなのが、ボッシュの2in1電動インパクトレンチ「GDX18V-200C3」です。
2in1タイプとなっているため、通常のソケットに加えて6角ビットも取り付けできます。
18Vの最大締め付けトルクも200Nmとハイパワーでストレスなく作業できるため、凡庸性が高いインパクトドライバーを探している方におすすめです。
型番 | GDX18V-200C3 |
価格 | ¥43,727- |
インパクトドライバーとインパクトレンチの違い
インパクトレンチについて前述させていただいたので、最後にインパクトドライバーとインパクトレンチの違いについても紹介します。
インパクトドライバーは主にネジの締め付けや緩めることが得意な工具で、ドリルドライバよりトルク(パワー)の強い機種が多いです。
建設現場ではもちろんDIYをするシーンでもかつやくし用途も幅広い一方、作動音が大きくなりやすいというデメリットがあります。
一方インパクトレンチは「ソケット」を装着してボルト・ネットの締め付け作業をする工具です。
そのため本来自動車のタイヤ交換などには「インパクトレンチ」を使用する方が適しています。
なお、違いについてもう少し知りたい方は「インパクトドライバーとインパクトレンチの違いは?【徹底解説】」にて紹介しているため、あわせて参考にしてください!
まとめ
インパクトドライバーでタイヤ交換をするのであれば、今回解説したように電圧と締め付けトルクには気を付けるようにしましょう。
特に14Vタイプのインパクトドライバーは、取り外し取り付けともに力不足になるケースが多いので注意が必要です。
なおインパクトドライバーの取り付けはあくまで仮止めなので、最終的にトルクレンチ等を使用して締め付けるようにしてくださいね。