【プロ解説】インパクトレンチ用のソケットの特徴・種類は?
- サルトくん
2022.01.20 2023.10.18
インパクトレンチは、自動車のタイヤ交換などの際に使用する電動工具です。
レンチを手で回すのは根気のいる作業ですが、インパクトレンチを使用すれば簡単に作業を進められます。
そんなインパクトレンチに欠かせないのが、先端に装着する部品であるソケットです。
ソケットを交換することによって、あらゆるサイズのナットを締めたり緩めたりできるようになります。
今回の記事では、インパクトレンチのソケットの特徴や種類をご紹介します。
インパクトレンチを購入するか悩んでいる方、またはソケットについてあまり詳しくない方は、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
インパクトレンチ用ソケットの特徴は?
ソケットレンチというと、実は大きくわけて2種類あります。
それは、ハンドツール用ソケットとインパクトレンチ用ソケットです。
ハンドツールとは、ラチェットハンドルやスピナハンドルなど、手で回して締めるタイプの工具をいいます。
ハンドツール用のソケットを装着すれば、より自在に扱えるようになり使い勝手がよくなります。
▼ハンドツールの例 ラチェットハンドル
ハンドツール用のソケットとインパクト用のソケットはよく混同されがちです。
間違ったソケットを使用できないわけではなく、実際に使用している人も多くいます。
ただ、すぐ壊れてしまったり、メッキが剥がれてしまったりなどどいうトラブルに繋がりやすいので、正しいソケットを使うようにしましょう。
この2つの似たソケットですが、実は見分ける方法があります。
主な違いは、耐久性と厚みです。
ハンドツール用ソケット
インパクトレンチ用ソケット
違い① 耐久性
ハンドツールとインパクトレンチでは、力のかかり方が違うので、ソケットの素材の硬さに違いがあります。
一般的には負荷の強いインパクトレンチのソケットの方が大きく、硬くて、頑丈です。
一方ハンドツールのソケットは柔らかい素材でできています。
※メーカーによって異なる場合があります。
違い② 厚み
ソケットの厚みにも違いがあります。
ハンドツール用のソケットは通常薄く、サビに強いメッキ加工がされています。
一方インパクトレンチ用のソケットはリン酸皮膜処理という加工がされていて、マットなグレー色です。
マット加工がされていないタイプは、無電解メッキが施されています。
高トルクにも耐えられる強度を持たせるために、ハンドツール用のソケットに比べて外径は厚くなっていることが多いです。
この加工によってサビに強く、かつインパクトの衝撃に耐えることができます。
さらには、ソケットが外れてしまうことのないよう、ピンとリングで角ドライブに固定できる仕組みになっています。
インパクトレンチとソケットレンチのソケットは何が異なる?
インパクトレンチとソケットレンチの「ソケット」は互換性がなく、仕様も異なります。
ソケットレンチは表面部分にメッキ加工がされており、インパクトレンチは表面がマットで重厚感のあるような形状です。
また、インパクトレンチの方がソケットが分厚く、より大きく作られています。
インパクトレンチ用ソケットの種類や選び方は?
角ドライブの種類
インパクトレンチのソケット取り付け角ドライブには、5つのサイズがあります。
- 6.3sq
- 9.5sq
- 12.7sq
- 19.0sq
- 25.4sq
それぞれのサイズに互換性はありません。
そのため、それぞれの角ドライブの規格にあったソケットが必要になります。
この角ドライブのサイズが大きくなればなるほど、より大きなボルトを締められます。
以下は、各ドライブに適合するボルトのサイズをまとめた表です。
角ドライブ | ボルト |
6.3sq | M5~M10 |
9.5sq | M5~M14 |
12.7sq | M6~M22 |
19.0sq | M10~M30 |
25.4sq | M22~M30 |
参考までにマキタ・ハイコーキ・パナソニックが販売している主要なインパクトレンチと、対応している角ドライブを下記から紹介します。
マキタ
品番 | 対応角ドライブ |
TW001G | 19sq |
TW007G | 12.7sq |
TW004G | 12.7sq |
TW1001D | 19sq |
TW700D | 12.7q |
TW300D | 12.7sq |
ハイコーキ
品番 | 対応角ドライブ |
WR36DC | 12.7sq |
WR36DD | 19sq |
WR36DA | 19sq |
WR18DBDL2 | 12.7sq |
WR14DBDL2 | 12.7sq |
WR18DBAL2 | 12.7sq |
WR14DSHL | 12.7sq |
パナソニック
品番 | 対応角ドライブ(チャック) |
EZ75A8 | 12.7sq |
EZ75A3 | 12.7sq |
EZ75A2 | 12.7sq |
EZ7552 | 12.7sq |
ソケットの固定の仕方は商品によって違う?
記事冒頭でもお伝えしたとおり、ソケットの種類は大きく分けて「ハンドツール用」と「インパクトレンチ用」の2つです。
回すネジはどちらも同じなのですが、実は固定の仕方がそれぞれ異なります。
上記のハンドツール用ソケットは差し込む部分の内側にくぼみがあり、ハンドル側のボールに引っかかる仕組みです。
一方インパクトレンチ用のソケットは、側面に穴が開いている仕組みです。
こちらは、インパクトレンチの差し込み角からピンを貫通させて固定する方法です。
ピンを固定する仕組み自体は面倒なのですが、固定力を強くするために必要な仕組みとなっています。
ソケットの種類
ソケットの形もいくつか種類があります。
メーカーによって作りに違いはありますが、以下に挙げるのは代表的なソケットの例になります。
ソケット(スタンダードタイプ)
スタンダードタイプのソケットは、最も一般的な形のソケットです。
インパクトの強い衝撃にも耐えられる、丈夫な作りになっています。
高速回転する際のメッキのはがれによるケガを防ぐために、リン酸皮膜処理によるマット仕上げや無電解メッキが使用されています。
おすすめ商品
マキタが販売している六角ソケットです。
信頼のマキタの商品は耐久性が高くてオススメです。
種類も全長38mmから150mmまで幅広く取り揃えています。
SK11 インパクトレンチ用 ソケットアンビルチャック 差込角12.7mm SSAC-4
もう一つ紹介したいのが、よく現場で使っているのを見るSK11です。
差込角は12.7mmで、スリーブを引かなくても脱着がカンタンなクイックチャックを採用。
インパクトレンチで六角軸のビットやドリルが使用できるため、さまざまな作業でかつやくが期待できます。
ソケット(ロングタイプ)
ロングタイプのソケットは、スタンダードタイプの約2倍ほどの長さです。
奥行きが長いので、ボルトが長く付き出ている場合などさまざまな作業環境でも問題なく作業できます。
先端にはボルトの逃がし穴が付いているので、ディープタイプもいいます。
おすすめ商品
トップ工業 超ロングインパクトレンチソケット薄肉タイプ 12.7sq
TOP工業のロングソケットです。
薄肉ソケットなので、狭い場所での作業で活躍します。
種類も対辺寸法10mmから36mmまで幅広く取り揃えています。
トネ(TONE) インパクト用超ロングソケット HP4NV-24L150 差込角12.7mm(1/2″) 二面幅24mm
トネ(TONE)からもロングソケットが販売されており、二面幅寸法は24mmと長め。
奥まった場所にあるボルトを取り外すときに役立ち、性能と比較してコスパも◎です。
「今まで手で締めていたナットが最後まで締まるようになった!」という口コミもあり、作業効率アップも期待できます。
ヘキサゴンソケット
ヘキサゴンソケットは、先端が六角形(ヘキサゴン)の形をしたソケットです。
六角穴付きボルト、または六角穴付き止めネジの締め付けと緩め作業に使用できます。
大型産業機械の組み立てや、メンテナンスなどにもよく使用されます。
おすすめ商品
トネのヘキサゴンソケットです。
使いやすい長さで、車のタイヤ交換にも役立ちます。
種類も寸法20mmから30mmまで幅広く取り揃えています。
ホイールナットソケット
ホイールナットソケットは、自動車のタイヤ専用のソケットです。
ロングタイプが多く、手の届きにくい場所や狭い場所でも使いやすい仕様です。
素材は基本的にはスタンダードタイプのソケットと同じですが、アルミホイール専用のナットを傷つけないアルミでできたタイプなどもあります。
他にも、普通車用や、アウターソケットとインナーソケット両方に使える大型車用のソケットもあります。
おすすめ商品
TONE インパクト用薄形ホイルナットソケット 差込角12.7mm(1/2″)
コーケン山下工業研究所)のホイールナットソケットです。
ナット穴の狭いアルミホイールにも対応可能な極薄設計です。
寸法は色によってわかれており、17mmから22mmの4種類があります。
KTC ( 京都機械工具 ) インパクトレンチ用ホイールナットソケット 【12.7sq】 ロング薄肉 BP49-19
ホイールナットソケットでもう一つ人気なのがKTC製のBP49-19です。
アルミホイール専用のソケットで、取り外しもしやすい形状となっています。
口コミの評価も高く、信頼性も◎
アタッチメントの種類
さらには、インパクトレンチとソケットの間に装着できるアタッチメントも存在します。
アタッチメントを使用すれば、より狭く深い場所での作業や、複雑な箇所でも対応ができます。
代表的なアタッチメントは以下の通りです。
エクステンションバー
エクステンションバーは、ソケットの長さを延長させたいときに使用します。
深い箇所の作業などでは重宝します。
ジョイント
ジョイントは、直接作業できない複雑な箇所での作業用です。
折れ曲がった関節部分は360度まわる設計になっており、回転することによってより柔軟に作業ができます。
自転車や車、さまざまな機械の修理などによく利用されています。
アダプター
アダプターは、差込角の異なるソケットとインパクトレンチを接続するためのアタッチメントです。
アダプターがあれば、凹凸の合わないソケットでも装着ができるようになります。
コンバーターとも呼ばれます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、インパクトレンチのソケットの特徴や、種類と選び方を解説させていただきました。
締め付け作業の多い現場では大活躍してくれるインパクトレンチ。
使用用途にあったソケットを選べば、より作業効率をあげることができますよ!
今回の記事が、みなさんのソケット選びの参考になれば幸いです。
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