ビスとは?種類・用途をプロが解説【3分でわかる】
- Yoshida.K
2022.01.20 2022.02.23
インパクトドライバーなどで木材や金属を打ち付ける際に欠かせないビス。
建設現場だけでなく、DIYでも頻繁に利用されるアイテムです。
ビスにはたくさんの形状や種類があるので、「いつどれを使えばいいのかわからない!」という方も多いのではないでしょうか?
それぞれのビスは役割を持って製造されており、正しい場所・用途で使用することによって最終的な仕上がりもよくなります。
今回の記事では、そんなビスの種類に関して徹底解説をいたします!
できるだけわかりやすく解説していきますので、DIYビギナーの方や、ビスについての理解を深めたい方はぜひ参考にしてくださいね!
目次
ビスとは?
ビスとは、小ねじのことをいいます。
特に、金属を接合する際にナットと組み合わせて使用する小ねじをビスと呼ぶことが多いです。
ビスには、部材同士を締め付けたり、固定させる役割があります。
建築現場では、内装・屋根・外装などさまざまな工程で活躍。
DIYなどでも木材などの部材を固定させるのによく利用されることが多いです。
釘との違いは?
混同しやすいアイテムとして、釘がよく挙げられます。
インパクトドライバーなどでねじ込んで使用するビスと違い、釘はハンマーなどで打ち込んで使用します。
そのため、ネジ頭は打ち込みやすいように平で、一般的には溝のない形状です。
細かくいうと、ビスは先端が尖っていてらせん状のネジ溝がある形状のものを、ネジはその加工がされていない寸胴なものとされています。
ビスの種類は?
全ネジと半ネジ
▲左)全ネジ 右)半ネジ
まず、ビスには大きくわけて全ネジと半ネジの2種類があります。
全ネジは、ビス全体にネジが切ってあるものをいいます。
らせん状のネジ溝が、先端からネジ頭まである形状です。
長さの短いビスは、全ネジであることが多いです。
全ネジは、ネジ頭の部分が取れたとしても、ネジは埋まったまま部材を締め付け続けてくれます。
半ネジや接着剤で取り付けたものを締め付けるのにもよく使います。
一方半ネジは、ビスの先端から真ん中くらいまでネジが切ってあるものをいいます。
半ネジは先端のみネジが切ってあるので、先端部分のネジ山が木材同士をすき間なく締め付けてくれます。
主に木材と木材をより強く密着させたいときには、半ネジを使用しましょう。
ただ、半ネジの場合はネジ頭が取れたら部材は抜けてしまいます。
ビスの種類
ここからは、細かいビスを種類別にご紹介していきます。
たくさんの種類があるので、部材や用途によって使い分けるようにしましょう。
コーススレッド
コーススレッドとは、木材に使用する一般的なビスです。
先端が尖っていて強度があります。
ネジの目が粗く大きいので、ねじ込みのスピードが速くて使いやすいです。
住宅の内装取り付けはもちろん、DIYの際にも活躍します。
全ネジも半ネジもあります。
ボードビス(石膏ボードビス)
ボードビスは、石膏ボードなどをしっかりと固定してくれるビスです。
ネジ頭はサビにくいように処理がされており、表面はパテが付きやすいようにギザギザに加工されていいます。
木材用や金属用など、種類もいろいろあります。
細ビス(スリムビス)
スリムビスは名前のとおり、細長いタイプのビスです。
ネジも細かく切ってあるので、薄い部材や木材など木割れしやすい場所に使用するのに向いています。
端打ちもできますし、ビスによっては硬い素材などにも打ち込めます。
細いので悪目立ちしにくいビスです。
硬木用ビス
硬木用ビスは、硬い木材にも使えるビスです。
屋外で使用される前提で作られているので、耐食性もあります。
できるだけ部材に負担をかけずに、かつしっかりと固定できる便利なビスです。
ウッドデッキビスとも呼ばれます。
コンパネビス
コンパネ(コンクリートパネル)ビスとは、コンクリートパネルを締め付けながら固定するためのビスです。
通常ビスが少しめり込むように締め付け固定します。
しっかりと締め付けを行うことによって、ありがちな板浮きやケバ立ちなどを防いでくれます。
断熱パネルビス
断熱パネルビスは、内装工事などでよく利用される外装材・断熱材・下地材などを貫通して固定してくれるビスです。
木材と木材の間に断熱材を挟んで固定するので、通常長さのあるものが多いです。
内装工事以外にも、外装材や屋根材としても利用されます。
軽天ビス
軽天ビスは、軽天(薄い軽鉄材・鋼製下地)用のビスです。
内装工事でよく利用されます。
先端は尖っていて、細かいネジが2重に切られているのが特徴です。
波板・屋根用ビス
波板(トタン)・屋根用ビスは、屋根の波板を固定するために利用されるビスです。
少し変わった形状をしているのは、止水機能が備わったパッキンが付いているためです。
屋外で使用されることを見込んで作られているので、雨にさらされても耐えられる形状になっています。
ビスどめ・笠釘どめ・フックボルトどめがあります。
鉄鋼用ビス(ドリルビス)
鉄鋼用ビスは、鋼材や鉄骨下地への固定に使用されるビスです。
よく見ると、先端がドリル状になっています。
このドリルによって、硬い鋼板などでも下穴を開けることなくビスを固定できます。
建築現場で主に利用されるビスです。
コンクリートビス/ALC用ビス
コンクリートビスは、コンクリートやALC(軽量気泡コンクリート)に直接打ち込めるビスです。
コンパネビスよりも短く、径が小さいのが一般的です。
高いネジ山と低いネジ山が交互に繰り返されるような形状になっていて、このおかげでよりしっかりと締結できます。
使用する際には下穴を開ける必要があります。
垂木用ビス
垂木(たるき)用ビスは、屋根組みの際に使用する垂木どめ専用のビスです。
特殊な先端加工によって、木割れが起こりづらいような形状になっています。
耐久性・施工性が追及された設計です。
ビスの頭部の種類は?
最後に、ビスの頭部の種類を確認していきましょう。
ビスの頭部であるネジ頭の部分は、形状によって異なる名前がついています。
鍋
ビスの頭部に丸みがあるのが鍋です。
上面の角に丸みがついており、鍋をひっくり返したような形状なのでこう呼ばれます。
皿
ビスの頭部が平らなのが皿です。
円錐形をひっくり返したような形状で、頭部を出っ張らせたくないときに使います。
丸
ビス頭部が半球形に近い形状なのが丸です。
丸は、鍋よりもさらに丸みを帯びた形をしています。
平
ビス頭部の高さが低く、円筒形状をしているのが平らです。
頭部の角は丸みを帯びています。
トラス
球の上部を切り取ったような形をしているのがトラスです。
鍋よりもさらにビス頭部の高さが低く、径が大きいのが特徴です。
バインド
ビス頭部が台形で、上面に丸みがあるのがバインドです。
ビス頭部の径の大きさは、鍋と比べると少し大きく、トラスよりは多少小さめとなっています。
低頭
名前のとおり、ビス頭部の高さがかなり低いのが低頭です。
低頭の仲間には、さらに薄い極低頭・超極低頭などもあります。
スリムヘッドとも呼ばれます。
ラッパ
ビス頭部がラッパのような形をしているのがラッパです。
頭部が部材になまらかに埋め込まれるように、曲線を描くような形状になっています。
フレキ
フレキは、皿に似ている形状ですが、ビス頭部にリブが付いているのが特徴です。
この形状によって、部材にしっかりと固定することができます。
硬いボード類に使用するのに向いています。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、たくさんあってわかりづらいビスの種類について解説をさせていただきました。
ビスは、正しい場所と用途で使用することによって、その本来の役割が発揮できます。
正しいビスを選べば、最終的な仕上がりもより良いものになります!
今回の記事がみなさんのビス選びの参考になれば幸いです。
それではまた、次回の記事でお会いしましょう!
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システム開発課 Yoshida.K プロフィールはこちら
新卒で入社し、店舗での買取・販売スタッフ経験を経て現在は、アクトツールのマーケティング責任者として活躍中。多くのお客様との接客経験から得た工具に関する知識を活かして、ホームページの監修をメインに行っています。