【2022年版】半自動溶接機とは?おすすめ機種・選び方を徹底解説!
- サルトくん
2022.11.07 2023.03.27
手軽に金属の溶接ができることから近年注目されている半自動溶接機。
以前はプロの現場でしか利用されていなかった半自動溶接機ですが、最近ではDIYブームもあり、一般の家庭にも普及しつつあります。
半自動溶接機には、MIG溶接やCO2溶接などさまざまな種類があるので、どれを選べばいいのかわかりにくいのが現状です。
そこで今回の記事では、半自動溶接機の特徴や選び方の解説と、アクトツールが選んだオススメの機種をご紹介します。
半自動溶接機を探している人は必見です!
目次
半自動溶接機とは?
半自動溶接機とは、能率よく手軽に金属の溶接ができる近年注目されている溶接機です。
ほかの溶接機とは異なり、溶接機本体に収められたワイヤーが、トーチの先端から自動的に供給される仕組みとなっています。
スイッチを押すだけで自動的にワイヤーが供給されるので、溶接棒交換の必要がありません。
溶接の作業自体は手動でやることになるので、「半自動」溶接機と呼ばれています。
溶接棒を手で持って溶接する被覆アーク溶接と比べると、手間が少なく能率の良いので、作業時間が少なくて済むところがメリットです。
半自動溶接機の種類
今回紹介する半自動溶接機の種類について、最初に表でまとめます。
半自動溶接機の種類 | 特徴 |
CO2溶接 | ・二酸化炭素をシールドガスとして使用するガスシールドアーク溶接 ・通常は鉄の溶接に使われる方法で、ワイヤーには軟鋼用のソリッドワイヤーを使用 |
MAG溶接 | ・シールドガスに混合ガス(アルゴン80%+炭酸ガス20%)を使用する溶接方法 ・鉄やステンレスの溶接によく利用される |
MIG溶接 | ・シールドガスにアルゴンやヘリウムなどの不活性ガスを使用する溶接方法 ・仕上がりの美しさが特徴 |
ノンガス溶接 | ・ノンガスワイヤーを使用することによりガスが不要でできる溶接方法 ・風の影響を受けないので屋外での作業も可能 |
それでは次章から、詳しく見ていきましょう!
CO2溶接
CO2、つまり二酸化炭素をシールドガスとして使用するガスシールドアーク溶接です。
炭酸ガス溶接とも呼ばれています。
通常は鉄の溶接に使われる方法で、ワイヤーには軟鋼用のソリッドワイヤーを使用します。
炭酸ガスが化学反応をおこし、深い溶け込みと強度を生み出すことができますが、アルミニウムなどの非鉄金属には使えません。
不活性ガスを使うよりスパッタが多くなるので、溶接外観は多少悪くなります。
MAG溶接
シールドガスに混合ガス(アルゴン80%+炭酸ガス20%)を使用する溶接方法です。
混合ガスを混ぜるとアークを補足してくれるので、エネルギーを集中しやすくなります。
結果、MIG溶接によく見られるように溶け込みが浅くなることなく、強度を生み出せます。
軟鋼用ソリッドワイヤーやステンレスワイヤーを使い、鉄やステンレスの溶接によく利用されますが、非金属には使用できません。
MIG溶接
シールドガスにアルゴンやヘリウムなどの不活性ガスを使用する溶接方法です。
不活性ガスは母材と化学反応を起こさないので、非金属(アルミニウムやステンレス)の溶接に主に利用されます。
アークが集中しづらく溶け込みが浅くなるので強度を生み出しづらいという特徴がありますが、そのぶん仕上がりの美しさが魅力です。
使用する不活性ガスが多少高額であることがデメリットとなります。
ノンガス溶接
ノンガス溶接は、ノンガスワイヤー(フラックスワイヤー)を使用することによりガスが不要でできる溶接方法です。
ガスボンベを準備しなくていいので手軽に始められますし、持ち運びも簡単にできます。
ガスを使用する溶接と比べるとヒュームやスパッターがやや多くなり、ビード外観もガスシールドアーク溶接に比べて劣りますが、風の影響を受けないので屋外での作業も可能です。
半自動溶接機の選び方
ここからは半自動溶接機の選び方です。
最初に選び方をまとめておくと、
・溶接する素材によって選ぶ
・直流か交流どちらかを選ぶ
・電圧(100Vor200V)を選ぶ
上記3つが大切で、次章から見ていきましょう!
素材
溶接する素材によって、溶接機の選び分けが必要です。
上述したように、CO2溶接やMAG溶接は非金属には使えませんが、MIG溶接はアルミニウムでも溶接できます。
事前にどんな素材を使用するのか確認をしましょう。
直流or交流
半自動溶接機には、直流インバーター溶接機と交流アーク溶接機があります。
交流アーク溶接機は直流インバーター溶接機と比べると安価でコンパクトなので初心者でも取り入れやすいですが、アークが安定しづらいのがデメリットです。
直流インバーター溶接機は交流アーク溶接機よりも高価になりますが、アークが安定して仕上がりが美しくなり、仕上がりの強度も高くなります。
電圧
電圧は主に100Vと200Vの2種類です。
100Vよりも200Vの方が高出力なので、厚めの板でも溶接ができますし、仕上がりも美しくなります。
DIYなどで2mm程度の金属板を扱うなら100V、それより分厚い5mmほどの金属板を扱うのなら200Vを選びましょう。
おすすめの半自動溶接機を厳選!
CO2/MAG溶接
パナソニック サイリスタ制御 CO2/MAG自動溶接機 YM-350KR2
パナソニックのYM-350KR2は、三相の50・60Hz兼用モデルです。
サイリスタ制御方式のベストセラーで省エネ回路でムダな電力もカットしているため、コスパも◎。
安全回路・メンテナンスの性能が充実しており、防塵・防滴構造なためあらゆる環境に対応する一台となっています。
電源 | 三相(50/60Hz兼用) |
定格出力電流 | 60〜350A |
定格使用率 | 50% |
寸法(幅×奥行×高さ) | 380×530×730mm |
ダイヘン CO2/MAG自動溶接機 インバータオート CPDE350
ダイヘンから発売されている「CPDE350」は、省エネ性能が高さが特徴の機種です。
溶接時の電力消費効率を高めており、従来のサイリスタ機と比べてランニングコストも低減。
4ロール送給方式でありながら、本体質量10Kgと軽量化も実現しています。
デジタルメータがシンプルな操作パネルになっており、内部機能とエラー項目も一目で確認可能に。
電源 | 三相(200V) |
出力電流範囲 | 30〜350A |
定格使用率 | 60% |
寸法(W×D×H) | 345×633×580mm |
MIG溶接
ダイヘン デジタルインバータ制御式 CO2/MAG/MIG自動溶接機 デジタルオートミニ 200C
ダイヘンのデジタルオートミニ200Cは、ワイヤ送給装置一体型のデジタル自動溶接機です。
さまざまな溶接モードを搭載しており、薄板板金・補修溶接に最適な一台。
板厚・ビード形状・材質に基づいてワイヤ送給・溶接電圧が自動設定されるオートマチック機能も搭載されています。
自動車修理業界など幅広い業界で活躍している溶接機です。
電源 | 単相 |
出力電圧範囲 | 15〜26V |
定格使用率 | 35% |
寸法(W×D×H) | 227×450×368mm |
ダイヘン デジタルインバータ制御式パルス MAG/MIG・CO2/MAG/MIG自動溶接機 Welbee Inverter P350LⅡ
高品質なパルス溶接が特徴で、鉄・ステンレス・アルミなどさまざまの材質の溶接が可能。
さらにスマートパルスも搭載されており、パルス波形を最適な形へ自動で調整してくれます。
電源 | 三相 |
出力電流範囲 | 30〜350A |
定格使用率 | 60% |
寸法(W×D×H) | 395×710×640mm |
ノンガス溶接
スター電器製造(SUZUKID) 100V/200V兼用半自動溶接機 アーキュリー150
現場や工事等場所を選ばない100V・200V兼用のアーキュリー150。
シールドガスが不要なため、屋外の使用にも適しています。
溶接可能厚は「軟鋼:0.8〜6.0mm」「ステンレス:0.8〜2.0mm」となり、現場溶接にも十分対応できる一台です。
電源 | 単相(100/200V) |
定格出力電流 | DC80A/100V DC140A/200V |
定格使用率 | 15% |
寸法(W×L×H) | 270×400×370 |
マイト工業 軟鋼・ステンレス・アルミ・ブレージング溶接可能 マルチ溶接機 MDM-200
単相100V・200V兼用ですっきりしており、使用場所を選びません。
スパッタ制御機能も搭載されており、スパッタ量も低減。
軟鋼・ステンレス・アルミの他にブレージングも溶接可能です。
電源 | 単相100/200V |
出力電圧範囲 | 単相100:25〜130A 単相200:25〜200A |
定格使用率 | 40% |
寸法(W×H×L) | 220×410×520 |
半自動溶接機の使い方
参考までに、一般的な半自動溶接機の使い方を紹介します。
コンセントにつなげる
溶接トーチを本体につなぎ、電源ケーブルをコンセントに繋げましょう。
ワイヤーが出るまでボタンを押す
本体カバーを開いてワイヤーをセットし、トーチの中のチップを外してください。
その後ワイヤー送りボタンをワイヤーが出てくるまで押し続けましょう。
アースのクリップを母材に取り付け
余分な部分のワイヤーを切断し、チップを取り付けてください。
その後アースのクリップを母材に取り付け、出力の調整を行います。
溶接箇所に従って溶接
最後にワイヤーがチップから1cm程度となるように切断し、距離を保ちながら溶接箇所に沿って溶接を行なってください。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、プロの現場だけでなく一般の家庭にも普及しはじめている半自動溶接機をご紹介しました。
みなさんの参考になれば幸いです!
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