【徹底解説】ねじ切り機とは?用途・種類・メーカー
- サルトくん
2021.06.22 2022.03.25
水道工事やガス工事で利用する際の鋼管を、現場でネジ加工できる機械が「ねじ切り機(通称パイプマシン)」です。
誰でも簡単に鋼管の加工ができるため、設備関係の工事をする際や建設現場関連でも重宝されている道具になります。
ただし種類も多くグレードによっても値段がマチマチのため、新規購入をする場合や買い替えをする際には、どれにしようか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
- そもそもねじ切りとは?
- ねじ切り能力と種類
- 人気メーカーについて
- 人気商品とは?
- ねじ切り機に必要なもの
など、初心者の方にもわかりやすく解説します。
ねじ切り機を購入する際にも参考になるように紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
ねじ切り機とは?
ねじ切り機とは、別名でパイプマシンとも呼ばれている「鋼管をネジ加工する機械」のことを指します。
おもに水道やガス関係の工事で使用するステンレスや鋼管・パイプを、切断もしくは接合するためにネジ加工をする機械になります。
ねじ切り機の使い方はとても簡単で、パイプを機械にセットするだけです。それだけで簡単にパイプを切断したり、チェーザと呼ばれる刃を食い込ませることで接合部分(継ぎ手部分)のネジ加工ができます。ネジ加工や切断をする際には、ねじ切りの精度や摩耗・消耗を防ぐために切削油を使用します。
なおチェーザ(刃)はダイヘッドという機構に取り付けをして、パイプに食い込ませていきますが、配管のカットやねじ切りを繰り返していくことで摩耗していくため、一定の期間で交換をしなければなりません。
建設現場などでは配管の長さを調整したり、柔軟性のある施工を求められるため、なかなか既製品だけで工事をしていくのは難しいです。
そういった場合にねじ切り機(パイプマシン)があると、細かい配管の長さを調整したり加工できるため、配管関係の工事をしている方には必需品の機械です。
ねじ切り機の種類は?
そんな配管工事では欠かせない機械のひとつでもあるねじ切り機ですが、大きく分けて「手動タイプ」と「電動タイプ」の2種類があります。
基本的には自動で加工のできる「電動タイプ」を利用することが多いと思いますが、それぞれに特徴があるため、掘り下げて解説していきますので参考にしてみてくださいね。
手動式
現場での配管加工は基本的に電動を使用することが多いですが、場合によっては手動での加工が必要になるケースがあります。
そこで活躍するのが「オスタ型」や「ベビーリード型」といわれる手動タイプのねじ切り機です。電動タイプに比べてねじ切り能力は低いため、加工できる最大径は32A(1.1/4インチ)~50A(2インチ)程度の製品が多いです。なお国家資格でもある配管技能士では、実技試験で使用されることが多いのも特徴ですね。
ただ、手動のねじ切り機は慣れていないと相当な労力がかかります。そのため電動式で問題ない方はそちらがオススメです。
電動式
配管工事の多くで使用されるねじ切り機といえば「電動タイプ」になります。
- 切断
- 面取り
- ねじ切り
などの加工を簡単におこなえるほか、ダイヘッドやチェーザを専用のタイプにすることで、ステンレス鋼管や電線管(厚鋼・薄候)なども加工できます。
最近では片手で持てるような小型タイプのねじ切り機も発売されているため、現場に作業スペースが確保できないケースでも利用できます。
電動タイプのねじ切り機はこれ以外にも、
- 100Vタイプ
- 200Vタイプ(100V共用含む)
など電圧が違うタイプがあり、新築現場などで200Vを利用したいケースでも活躍します。
手動タイプのねじ切り機とは違い種類が多いので、ご自身の利用環境に応じてタイプを選んでいくようにしましょう。
ねじ切り機の人気メーカーと人気機種は?
パイプや鋼管の加工をするねじ切り機は、加工したいサイズによっても機種や費用が変わってきます。
そこでここからは、ねじ切り機で信頼性の高いメーカーや人気機種を紹介していきますので、ねじ切り機選びの参考にしてみてくださいね。
信頼性も高いメーカー
- REX(レッキス)
- Asada(アサダ)
- 育良精機
- MCC
ねじ切り機を使用するならこれらのメーカーがおすすめです。
REX(レッキス)
レッキス工業(REX)は、大正14年に創業したパイプマシンを始めとする配管工具・空調工具関連の老舗メーカーです。
ねじ切り機に関しては国内シェアがトップとなっており、信頼性も高く製品ラインナップも豊富です。
ネジ加工に関しては、「転造ねじ」というネジを削らない方法で加工する機構も開発していて、強度の高いネジ加工ができるタイプも発売されています。
Asada(アサダ)
Asada(アサダ)は昭和15年に創業し、国内で初めて配管用可搬式電動パイプねじ切機「パイセット」を開発した老舗企業です。
ねじ切り機の信頼性も高く、サイズ別に多数の製品ラインナップがされており、サポートも充実しています。
育良精機
平成19年に設立された育良精機は、溶接や電設関連の工具を多く発売しているメーカーです。
主に電気工事などの電線管工事で利用するねじ切り機がラインナップされていて、持ち運びも簡単な小型タイプが多く発売されています。
MCC
松阪鉄工所(MCC)は大正5年に創業した配管用機器・電動工具の開発販売している老舗メーカーです。
日本で初めてパイプレンチやボルトクリッパなどの製造をしており、配管や電設関係の建設産業用の工具には定評があります。
人気機種一覧
ねじ切り機にも多くの種類がありますが、基本的に加工できる管の種類やパイプサイズによって費用なども変わってきます。
そこでここからは、パイプサイズ別の人気機種を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
マイコンミニミニ IS-CM36
育良精機の超小型コンジェットマシン「マイコンミニミニ IS-CM36」は、電線管の加工ができるねじ切り機です。
質量もわずか18kgと小型となっており、持ち運びも簡単で作業スペースも大きく取らなくていいのが特徴です。
ビーバー25 BE25B
Asada(アサダ)の「ビーバー25 BE25B」は、軽量でコンパクト設計の水道ガス管ねじ切り機です。
1インチまでのねじ切りに対応しており、重量もわずか19kgと軽いため片手でも持ち運びが可能となっています。
CM82 CMM0003
松阪鉄工所(MCC)のコンジットマシン「CM82 CMM0003」は、電線管専用のねじ切り機です。
パイプが動かずにダイヘッドが回転する機構となっているため、曲り管のねじ切り加工もできます。
加工する際の負荷によって回転数が変わる変速装置も付いているため、素材に合わせた最適な回転数で加工できます。
S40A3
レッキス工業(REX)の「S40A3」は、40Aまでのガス・水道管をねじ切り可能なパイプマシンです。
転造ヘッドも取付可能で、二重絶縁ブレーキ付きのモーターが採用されているため、巻き込み防止の安全設計となっているモデルです。
マイコン104 IS-CM104
育良精機の小型高性能コンジェットマシン「マイコン104 IS-CM104」は、50Aまでの電線管の加工ができるねじ切り機です。
パイプ固定式となっているため曲管の加工もできるほか、従来製品と比べて切削時間も大幅に改良されたモデルとなっています。
PMNA050
松阪鉄工所(MCC)のパイプマシン「PMNA050」は、本体にアルミニウム合金を使用した小型で軽量なうえに丈夫なねじ切り機です。
750Wの高出力モーターを採用しており、力強い切削ができます。また、使用限界域に達すると自動でモーターを停止させる「スイッチオフブラシ」も採用されています。
NZT65A
レッキス工業(REX)の「NZT65A」は、100Vと200Vの切り替えができるコンデンサモータ搭載のねじ転造機です。
加工時の切粉の排出が低減されているほか、転造ヘッドが標準装備となっており、65Aまでのパイプサイズに対応しているモデルです。
ビーバー80
Asada(アサダ)の「ビーバー80 BE800」は、クラス最大の1,140Wの高出力モーターが搭載されたねじ切り機です。
高精度ボールベアリングが採用されたスピンドル軸受となっており、長時間の作業でもガタツキが少なくスムーズな切削が可能となっています。
80Aの口径サイズまでのパイプを切削できるため、耐久性もよく高精度なねじ切りを探している方におすすめのモデルです。
N100A
レッキス工業(REX)の「N100A」は、低騒音のコンデンサモータが搭載された100V・200V兼用タイプのねじ切り機です。
3段階変速のモーターとなっているため高速で安定したねじ切りができるほか、切粉たまりのスペースが大きいため長時間の作業も問題ありません。
150A
レッキス工業(REX)の「150A」は国内唯一の6”マシンとなっており、65Aから150Aの口径サイズを切削できるパイプマシンです。
100Vと200Vの切り替えができる兼用タイプとなっていて、2段階変速の低騒音コンデンサモーターなので効率のいい切削が可能です。
ねじ切り機には何が必要?
ねじ切り機本体以外にも、切削作業をおこなう際には消耗品などが必要になってきます。
具体的には、
- オイル
- ダイヘッド
- チェーザ
などは、必要になってくる付属消耗品です。
そこでここからは、これらの消耗品のなかでも特に人気な製品を紹介しますので、参考にしてみてください。
オイル(切削油)
ねじ切り機を使用した金属加工には、必ず切削油(オイル)が必要になってきます。ねじ切りの加工精度やチェザーの寿命を伸ばすなど、なくてはならない消耗品になりますので、使用用途に合った切削油を利用するようにしましょう。
ねじ切り機のオイル交換方法はメーカーによって変わりますが、一般的にはオイルタンク部分へいっぱいになるまでオイルを投入するだけです。その後、稼働中にダイヘッドからねじ切りオイルが流れていることと、ねじ切り中に煙が出ない量であるかを確認しましょう。
ダイヘッド
ダイヘッドには手動タイプと自動切り上げタイプの2種類がありますが、切削をする上で一番重要な機構となります。
加工したいパイプの種類によって替えることが多い部分になりますので、必要に応じたダイヘッドを用意するようにしましょう。
チェーザ
チェーザは加工をする際の刃部分になりますので、ねじ切り機のなかで最も消耗していくパーツになります。
葉の形状や材質によっても加工できる管が変わってきますので、パイプに合ったチェザーを選ぶようにしてください。
まとめ
電線管や水道管・ガス管などの配管関連の工事では、現場に合わせた金属配管加工をおこなっていくため、ねじ切り機のような加工機が必要になってきます。
なお最近ではねじ切り機の軽量化も進んできているため、持ち運びのしやすいモデルも多くなってきました。加工できる配管の種類・パワー・口径によっても必要になってくるねじ切り機の種類は変わってきますので、利用用途に適したモデルを選んでみてくださいね!
アクトツールでは、オススメの割安なねじ切り機をご用意しております。ぜひ、下記のボタンからどうぞ!