知る人ぞ知る日本発祥工具「肥後守」とは?
- サルトくん 岩槻店
2019.07.31 2024.09.18
「昔は、男の子なら誰でも持っていた」とまで言われていた肥後守。
しかし今や、この工具を知っている方も少ないと思います。
実は今も一定のニーズがあり、とくにナイフコレクターから人気を集めています。
そこで今回は「肥後守」の由来や、歴史についてカンタンにまとめてみました!
・肥後守について
目次
肥後守とは?
「そもそもなんて読むの?」という疑問が生まれそうですが、「ひごのかみ」と読みます。
日本では戦前から使用されており、簡易折りたたみ式の刃物。
言い換えれば、めちゃくちゃ作りがシンプルなナイフです。
超シンプル設計
上記が「肥後守」ですが、見たとおりかなりシンプルな設計です。
金属板を二つ折りに加工し、「鞘」と「柄」は兼用。
使わないときは折りたたみ収納することが可能です。
ちなみに刃と柄の部分は、カシメられて固定されています。
刃を出すときは峰の部分から出っ張っている突起部部分を親指で手前に持ってきます。
すると刃が出てくる仕様です。
ロック機能はない!
そんな超シンプルな肥後守ですが、ロック機能もありません。
そのため親指で突起を押さえつつ、刃を固定。
機能も最低限しか付いていないので、逆にこのシンプルさが好きという方もいます。
いろいろな機能がついている工具も魅力がありますが、ここまで機能を削ぎ落とすと逆に魅力がありますよね!
肥後守の歴史は古い
明治時代にはすでに肥後守があったと思うと、かなり古くからあったことがわかります。
通常「柄」部分には文字が打たれていますが、昔のものになると鉄筆・タガネで打たれた本格的なものも。
価格差も幅広く、「数百円〜数万円」するものまで多くの種類があります。
一度消滅の危機も…
シンプルな設計で愛されている肥後守ですが、一度この世から消滅する危機がありました。
詳しいことは省きますが、昭和35年にあった「刃物追放運動」が理由です。
「日常から刃物を無くそう!」という運動が、過去日本ではありました。
上記の運動があってから、肥後守をはじめ多くの刃物は日本から一度姿を消します。
このときに肥後守の生産も激減してしまい、購入する方も比例して減少。
消えたと思われた肥後守だったが…
上記の運動が起きたことで、一度は消滅の危機にあった肥後守。
しかし今、昔を思い出して肥後守を購入する中高年も増えました。
「肥後守を使って鉛筆を削ってた!」という方が、昔を懐かしんで購入しているようです。
また、世界のナイフコレクターたちにも火が付き、再び肥後守は人気を取り戻しつつあります。
「肥後守」の販売ができるのは一社だけ
今や「肥後守」という名前で製造・販売ができる会社は「永尾かね駒製作所」だけ。
他の会社も製造はできますが、「肥後守」というワードは使えません。
永尾かね駒製作所は明治27年創業。
現在まで5代に渡り、伝統を守っている由緒ある製作所です。
なぜ「肥後守」というのか?
「あんたがたどこさ」という歌に「肥後どこさ…熊本さ…」という一節をご存知でしょうか?
つまり肥後=熊本なのですが、肥後守を製造している「永尾かね駒製作所」は兵庫県にあります。
「あれ兵庫なのに熊本?」と疑問に思いますが、実は言い伝えがあります。
かね駒製作所の初代駒太郎が「平田ナイフ」を製造したのが肥後守のはじまり。
その人気に火がつき、平田ナイフを作る人が一気に増加。
しかし粗悪品を作る人も増えてしまい、逆に評判が下がる結果に。
そのときある金物商が九州から小刀を持ってきて、その小刀を参考に製造したのが「肥後守」と言われるものでした。
そこからあやかって、兵庫で製造しているけども「肥後守」という名称になったようです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
肥後守は以前一度消滅する可能性もあるものでしたが、今やコレクターなどから熱烈な人気を集めています。
ご興味がある方は、一度調べてみてもいいかもしれませんね(^^)
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!