【プロ徹底解説】エアコン取付には何の工具が必要?
- サルトくん
2021.07.26 2023.06.20
いよいよ夏本番。あまりの暑さにエアコンを買い替える方も多いのではないでしょうか。
エアコン取り付け業者の方々も連日夜遅くまでスケジュールが一杯になり、お盆休み返上で仕事されていた方も多かった様ですね。
そんなエアコンの取り付けには様々な工具が使われていまして、アクトツールではそういったエアコン工事用工具、空調関連工具も買取させて頂いております。
ちょうどゲージマニホールドが入荷しましたので、その他にもさまざまなエアコン取り付けに必要な工具をご紹介させていただきます。
エアコンの取り付けは業者に依頼するケースがほとんどですが、実は自分で行うことも可能です。
多少の技術は必要となるものの、工具さえ揃えれば誰でもチャレンジできますよ。
そこで今回は、エアコンの取り付けに必要な工具と材料をまとめました。
「エアコンを自分で取り付けたい」
「エアコン取り付け工具を知りたい」
と考えている方は、ぜひ記事をお読みください。
※製品の保証対象外となるケースもあるため、取り付けは自己責任で行ってください。
エアコン取り付けに必要な工具は?
以下に必要な工具と材料をまとめましたので、購入の際に役立ててください。
エアコン取付工具一覧
エアコンの取り付けには、少し専門的なツールが必要となります。
できるだけコストを抑えたい方は、レンタルや中古品を上手く活用してみましょう。
フレアツール
フレアツールは、配管の端をラッパ状に広げる(フレア加工といいます)ための工具です。
エアコンの取り付け作業においては、室内機と室外機を配管パイプでつなぐ作業で使われます。
配管パイプを切断すると、内側に銅管が通っているのが見えるはずです。
フレアツールに取り付けてハンドルを回せばOK。フレア加工が施されます。
このとき、正確に加工できていないと接続部分からガス漏れを起こす可能性があります。
エアコン取り付けの要といえる作業なので、よく確認しながら進めてください。
配管を接続するために、銅管の端をラッパ状に広げる加工(フレア加工)をするための道具です。
きれいなフレアを作らないと、接続箇所でガス漏れが発生する原因となり、ひいてはエアコンが利かないといったことになるので、侮れない大事な工具です。
ちなみに、フレアリングツールにも手動のタイプと、充電式があります。
手動式にはハンドルをひたすら回してフレアを作るタイプと、ラチェット式になっていてハンドルを回す手間がちょっとラクになったタイプがあり、どちらも度々入荷します。
充電式だとREXのコードレスフレア RF20S などが有名です。手で回す手間がないので圧倒的に便利です。
余談ですが、昔あったフレアーマンという充電式フレアリングツールですが、現行の配管にはあまり相性がよくないようで、キレイなフレアが作れず接続不良となる場合があるようです。古い機種をお使いになる場合はどうぞご注意ください。
トルクレンチ
トルクレンチは、決められたトルク(強さ)で締め付けを行うための工具です。
エアコンの取り付け作業では、主に配管パイプをつなぐときに用いられます。
「DIYなのだから適当でいいのでは?」と思うかもしれませんが、初心者こそトルクレンチに頼るべきです。
エアコンに使われている銅管は柔らかいため、過度のトルクで締め付けるとすぐに破損してしまいます。もちろん、トルクが弱すぎるとガス漏れ必至です。
配管の施工では、トルク管理を必ず行うようにしてください。
所定のトルクでねじを締め付けることが出来る工具です。
一般的にはトルクを自分で設定して使用できるプリセット型や、ただトルクを読み取る為だけの直読式トルクレンチなど様々タイプがありますが、エアコン工事使われるトルクレンチはトルク固定型のタイプが一般的です。
(その他にもデジタル表示のトルクレンチや、先端がスパナではなくパイプレンチになっているものや、あるいは先端を交換出来るものなど色々ありますが、今回はエアコンに関連した物をご紹介しているので割愛させて頂きます。)
トルクの値は締め付けるナットの大きさ、つまり配管の太さによって異なります。
例えば一般的な家庭用の6畳用エアコンだと、配管の太さは2分(1/4インチ)と3分(3/8インチ)になります。(室外機と室内機をつなぐガスの配管は行きと戻りの2本ですが、太さが異なります。)
メーカーの工事説明書によっても若干数字が異なるようですが、例えばシャープの工事指示書を見ると2分管はトルク16N・m(±2N・m)、3分管は38N・m(±4N・m)で締め付けるよう記載されています。
つまり、トルクが16N・m前後のものと38N・m前後の2本のトルクレンチが必要になります。
ちなみに、このトルク値を無視して締め付け過ぎると配管のフレアを破損させてしまい、ガス漏れの原因となりますので注意が必要です。
真空ポンプ
真空ポンプは、文字通り真空を作り出すためのツールです。
この真空ポンプを使って配管内の空気を抜くことを、「真空引き(エアパージ)」といいます。
エアコンの配管内に水分やゴミが残っていると、フロンガスを注入したときに凍結を起こし、動作不良となる恐れがあります。
不純物を取り除くために、必ず真空引きを行ってください。
真空ポンプの使い方自体はそれほど難しくありません。
室外機につないで電源を入れると、数十分で真空引きが完了します。
後述する「マニホールド」で空気圧がゼロになっていることを確認してください。
よく入荷する商品の一つです。
接続が終わったあとの配管内を真空引きするためのポンプです。
昔は手動タイプもたまに入荷したのですが、最近はさっぱり使われなくなってきたようです。(嘘か本当か、さらに昔は真空引きすらせず、ガスを入れて中の空気を押し出していたというお話を聞いたこともあります。)
多いのは100Vタイプですが、充電式も度々入荷するようになってきました。
(主な機種:タスコのTA150MR-N、TA150ZP-N、アサダの1.5CFM、マキタのVP180DRGなど)
新築現場だったりすると電源の確保ができないので、やはり充電式が便利です。
変わり種として、電動ドリルを差し込んで回すことで真空引きできるポンプもあったりします。(ポケットブラックというモデルで希に入荷します。)
マニホールド
真空ポンプと一緒に用いられるのがマニホールドです。
配管内の空気圧を測定するためのツールで、真空引きの確認に用いられるほか、冷媒ガスを注入するときにも使用します。
マニホールドはいくつかの種類があり、それぞれ規格が異なります。
ご使用のエアコンに適合するかどうか、事前にチェックしてから揃えるようにしてください。
配管内の充填されている冷媒ガスの圧力を確かめたり、真空引きした後の配管内圧力を確認したりするための道具で、エアコン工事必須アイテムです。
エアコンに使われている冷媒ガスの種類によって使う物が異なるので気をつける必要があります。現在家庭用エアコンの冷媒ガスの主流はR32、R410Aですが、古いエアコンだとR22という冷媒を使っていることもあり、ゲージも異なります。
ちなみに、カーエアコンに使用する際は、さらに注意が必要です。冷媒ガスが異なる(一般的にはR134a)だけでなく、コンプレッサーの種類によってPAG用とPOE用で使い分ける必要もあり、一度PAG用で使用したゲージをPOEで使用することはできません。POEにPAGのオイルが混入すると、ブラッシングの作業が必要になり、最悪の場合コンプレッサーの交換修理となります。
銅管カッター
配管の切断に用いる工具です。扱い方は難しくありませんが、切断面がまっすぐでないとガス漏れの原因となります。
できるだけ切れ味の鋭いカッターを使うようにしましょう。
銅管カッターで切断した後は、次に説明する「リーマー」で切断口を整形します。
銅管は柔らかいので、ボルトクリッパの様なハサミで切断しようとすると簡単に断面形状がつぶれてしまいます。つぶれた断面では到底キレイなフレア作ることはできず、やはりガス漏れの原因となるので、このチューブカッタや銅管カッターが必要になります。
替え刃があるので、切れ味が悪くなったと思ったらすぐに交換をお勧めします。
銅管ベンダー
配管(銅管)を曲げる為の工具です。
ベテランの職人さんだとベンダーを使わずとも手で器用に配管を曲げていきますが、素人がうかつに手で曲げようものなら、簡単に銅管を潰してしまいます。
ちなみに、銅管径に応じてシューと呼ばれる銅管が当たる部分を交換して使うタイプのものと、特定の銅管径だけに対応したタイプがあり、体感的にはどちらも同じくらいの割合で入荷します。
一見してシンプルな工具なんですが、意外に高価なため中古の需要が高いです。
リーマー
配管の切断面にあるバリを取り、きれいに整形するための道具です。
家庭用エアコンには、主に2分(外径6.35mm)や3分(外径9.52mm)の配管が使用されています。
リーマーも適合するサイズのものを選んでください。
ガス漏れ検知スプレー
配管からガス漏れがないかを確認するために使います。
より正確にガスを測定できる「ガス漏れ検知器」もありますが、DIYであればスプレータイプで十分です。
使い方は簡単で、配管のつなぎ目にスプレーを噴射するだけ。ガスが漏れている場合、白い泡がブクブクと出ます。
チャージングスケール
冷媒ガスを注入する際に、どれだけ注入したのかを見ることが出来る秤です。
TASCO、Asada、ROBINAIRなど、各社から発売されていますが、どれも数万円~する高価なデジタルの秤です。
ただ、使い方は簡単で、秤の上に冷媒のボンベを載せてエアコンにガスを注入していくと秤にデジタルで注入量が表示され、過不足無く充填することが可能です。
頻度的にはそれほど多くは入荷しないので、お探しのお客様は入荷の際はお買い逃しないようご注意ください。
エアコン取付工具セット
セット内容 | 真空ポンプ、ホース、チューブカッター、フレアツール、リーマ、トルクレンチセット、コントロールバルブ、ガス漏れ検知剤、エアコンパル |
取付工具がセットになった商品も販売されています。
ひとつひとつを揃えるよりも、セット商品を買った方がお得です。これだけあれば、たいていの家庭用エアコンは取り付けられます。
とりあえず必要な工具をすべて揃えたい方や、エアコンの取り付けを頻繁に行う方におすすめです。
エアコン取付に必要な材料一覧
ここからは材料編を解説していきます。
電材や配管はAmazonなどでも販売していますが、長さが余ってしまうかもしれません。
ホームセンターで切り売りをしてもらえるので、必要な分だけ用意するといいでしょう。
プラブロック
室外機の下に置く樹脂製のブロックです。
家庭用エアコンであれば、簡易的なもので構いません。雪国に住んでいる人は架台を高くするなど、使用環境に応じた工夫をしてみましょう
ポイントとして、プラブロックと一緒に防振ゴムを敷いておくと、室外機の騒音がかなり低減できます。
ペアコイル
ペアコイルとは、室内機と室外機をつなぐ配管(冷媒配管)のことです。
この中を冷媒ガスが通ることにより、エアコンは冷暖房を行います。
ペアコイルを見ると、大小2つの銅管が通っていることに気が付くはずです。
それぞれの銅管は、それぞれ以下のように役割が異なります。
ペアコイルの役割(冷房の場合) | |
太い銅管 | 室内⇒屋外に気化した冷媒(ガス)を運ぶ |
細い銅管 | 室外⇒室内に液化した冷媒を運ぶ |
このように、太い銅管は気体を、細い銅管は液体を通すという仕組みです。
冷媒は室外機と室内機のあいだを循環し、その中で気化と液化を絶えず繰り返しています。
ドレンホース
エアコンには、ペアコイルの他に「ドレンホース」と呼ばれる配管もつなぎます。
ドレンホースとは、室内機の内部に結露した水分を屋外に排出するための管です。
エアコンのよくあるトラブルのひとつに、このドレンホースの詰まりがあります。
ホースの先端は屋外にさらされているため、虫やホコリが侵入してしまうのです。
簡単な対策として、ドレンホースの先端にキャップやネットを被せたり、先端を地面に付けないようしたりする工夫が考えられます。
VVFケーブル
室外機へ電源を供給するためのケーブルです(これを「渡り配線」といいます)。
いくつか太さの異なる規格がありますが、現在のエアコンはほとんど2mm径のものが使用されています。
上記の参考商品は長さ10mのものですが、DIYで使うのであればホームセンターなどで切り売りしてもらってください。
なお、通常はVVFケーブルと一緒にアースも接続します。
既存の端子に接続するだけなら問題ありませんが、接地工事でアースを埋めるためには電気工事士の資格が必要です。
感電や漏電の危険があるため、資格なしでの工事は絶対におやめください。
パテ
配管を通した後、穴の隙間をふさぐために使用します。
隙間が空いていると雨や虫などが侵入するので、忘れずにパテで埋めてください。
配管テープ
エアコンの配管に巻きつけるテープです。
屋外の配管は紫外線や雨の影響を受けるため、すぐに劣化が進んでしまいます。
長く使用するのであれば、テープを巻いて保護してください。
なお、テープのほかに化粧カバーも販売されています。見栄えをよくしたい方は購入を検討してみるといいでしょう。
エアコン取付に必要な費用は?
ここまで色々な取付工具・材料を見てきましたが、結局のところ総額費用はいくらになるのでしょうか。
レンタル品の利用も含めてシミュレーションしてみます。
自分で取り付ける場合 | 取付工具:60,000円(レンタルなら3,000円) 電材:5,000円 合計:65,000円(レンタルなら8,000円) |
業者に依頼した場合 | 10,000~20,000円 |
このように、エアコンを取り付けた場合の費用は60,000~70,000円になります。
ただし、真空ポンプなどをレンタルすれば、およそ10,000円弱にまで費用を抑えられる可能性が大です。
業者に依頼した場合の費用は10,000~20,000円なので、そこまでDIYとの費用に違いはありません。
ドライバーやビスなど細かいものも揃えるとなれば、業者に頼んだ方が安くなることも考えられます。
とはいえ、一から自分で行うのがDIYの醍醐味です。興味を持たれた方は、積極的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
エアコンのメンテナンスは?
取り付けた後のエアコンのメンテナンスについてもご紹介します。
エアコンのクリーニング頻度は、1年に1回が目安です!
1日中つけっぱなしにしている方やハウスダストなどが気になる方は年に2回行うことをオススメします。
クリーニングの時期は、業者が閑散期である3月~4月頃、10月が狙い目です。
また、業者に依頼した際の1台あたりの料金は、約8000円~20000円です。
業者やエアコンのタイプによって変動があるので、まずは業者にお問い合わせください。
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まとめ
今回はエアコンの取り付け工具をまとめました。
色々とご紹介させて頂きましたが、エアコン工事の難しさ、大変さを改め感じました。
職人さんには本当に頭が下がります。
取り付け工具の多くは、普段のDIYではあまり見かけることがないものです。
できるだけ費用を抑えたい方は、工具レンタルや中古品を上手に活用しましょう。
工具を安く買いたい方は、ぜひ「アクトツール」をご利用ください。
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また、アクトツールでは「工具の買取」も実施しております。
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更に「中古工具の廃棄ゼロミッション」を掲げ、国内では需要がなくなった工具をメンテナンスし、東南アジア諸国に輸出する活動も行っています。
あなたの不要になった・使っていない工具を、
必ず誰か次の職人さんが心待ちにしています。
そんな大切な工具を私たちアクトツールはお預かりし新しい命を吹き込むお手伝いをしたいと考えます。
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最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。