【徹底解説】刈払機のメンテナンス完全ガイド!部品交換・クリーニング

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メンテナンス刈払機
システム開発課  Yoshida.K
Yoshida.K
  刈払い機 メンテナンス

自宅の庭や田畑などの手入れに欠かせない「刈払機」。
一般的には「草刈り機」と呼ばれることも多く、どちらも同じ機器を指します。

雑草の処理に使うこの機器は、ホンダ・リョービ・ゼノア・共立・スチールといった各メーカーからエンジン駆動式のモデルが販売されています。

合わせて、マキタからはエンジン駆動式に加えて、携帯型バッテリーを使用した電動式の電動式の刈払い機(草刈り機)も展開されています。

この記事では、主にエンジン式の刈払機を中心に、メンテナンス方法やパーツについて解説します。

電動式であっても基本的な構造は似ている部分が多いため、ぜひ参考にしてみてください。

ユーザー
エンジンのメンテナンスとかワケわからんやろて…!

という方向けにイチから解説していますので是非ご覧ください!
まずは、刈払機(草刈機)のパーツから見ていきましょう!

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刈払機メンテナンスの第一歩!各パーツの名称・役割を知っておこう

刈払機を長く快適に使うためには、日常的なメンテナンスが欠かせません。

とはいえ、「どこをどう点検すればよいのか」がわからないと、正しい手入れは難しいものです。

そこで大切になるのが、まず各パーツの名称と役割を知っておくことです。

それぞれのパーツの役割を理解しておくと、「この部品はこういう働きをしているから、このように点検・手入れが必要なんだ」と納得しながらメンテナンスを進められるようになります。

ここでは、刈払機を構成する代表的なパーツを紹介します。

刈刃

刈払い機(草刈り機)刈刃 メンテナンス

名前からもわかる通り、回転して草木を刈る金属製部分ですね。
草刈り作業をしている際には、小石などを巻き込んでしまい、刃が劣化してしまいます。
刈刃の部分が切れ味に直結するので、刃を砥ぐ・刃の交換などをこまめに行うようにしましょう。

ギヤケース

刈払い機(草刈り機)ギヤケース メンテナンス

刈払機におけるモーター部分の回転が直接伝わる部分です。
ギヤケースに刈払機の刃を装着します。

飛散防護カバー

刈払い機(草刈り機)飛散防止カバー メンテナンス

刈払い機の先端部分装着するカバーのことですね。
刈刃が刈り取った雑草や、巻き込んだ石や土をこのカバーが使用者に飛んでくるのを防いでくれています。

パイプ(メインパイプ)

後部の動力源から先端の作動部分までをつなぐパイプですね。
内部に動力を伝える機構が備わっています。

ハンドル(両手ハンドル)

刈払い機(草刈り機)ハンドル メンテナンス

刈払機を操作する際に手で握る操作部のことを指します。
本体はショルダーベルトで体に掛けて支えるため、機体をコントロールするための操作用パーツという位置づけです。

スロットルレバー

スロットルレバー 刈払い機 メンテナンス

エンジンの回転数(刈刃の回転数)を調節する部分で、ハンドルに付属しています。
軽く握ると回転数が上がり、離すと下がる仕組みです。

燃料タンク

刈払い機(草刈り機)メンテナンス 燃料タンク

ガソリンや混合燃料を入れるタンクです。
半透明の樹脂で作られているため、燃料の残量を確認できます。

点火プラグ

刈払い機(草刈り機)メンテナンス 点火プラグ

点火プラグ(スパークプラグ)は、ガソリンや混合燃料を燃焼させるために着火の役割を果たすパーツです。
点火プラグが劣化するとエンジンが掛かりくくなってしまうなどの問題が発生します。

エアクリーナー

刈払い機(草刈り機)メンテナンス エアクリーナー

エンジンが空気を取り込む際に、空気とともにゴミを吸い込んでしまわないようにフィルターが装着されています。
スポンジのような素材でできており、空気をろ過します。

スターター

刈払い機(草刈り機)メンテナンス スターター

エンジン機関は自力で始動できないのです。
外部から動かして回転させることが必要なので、ワイヤーを引いて回転させた動力を受け継ぐモーター装置です。

キャブレーター

刈払い機(草刈り機)メンテナンス キャブレーター

燃料タンクからエンジン機関に、ガソリンや混合燃料を円滑に運び入れるための装置です。
この部分は、燃料の残りカスやゴミなどで詰まりやすいのでメンテナンス時には、要確認です。

プライマリーポンプ

刈払い機(草刈り機)メンテナンス プライマリーポンプ

エンジン始動の際に燃料をキャブレター内に送るポンプです。
突起を押し込むことで、燃料が送られます。

【実践編】刈払機のメンテナンス・お手入れ方法 完全ガイド

刈払機をしっかりと長く使うためには、正しいメンテナンスが欠かせません。

闇雲にお手入れを始めるのではなく、まずは必要な道具や消耗品を準備してから作業に取りかかることが大切です。

また、刈払機のメンテナンスには大きく分けて2つの場面があります。

ひとつは、日々の作業で使った後に行う「日常のメンテナンス」。

もうひとつは、草刈りシーズンが終わり、しばらく保管する前に行う「シーズンオフのメンテナンス」です。

どちらも大切ですが、目的や行う内容が異なるため、状況に応じた正しい方法でケアする必要があります。

ここからは、準備すべき道具や具体的なお手入れの流れを、日常のメンテナンスとシーズンオフの保管メンテナンスに分けて詳しく解説します。

刈払機のメンテナンスに必要なもの

グリス刈払い機(草刈り機)メンテナンス グリス

回転部分などの潤滑性能を上げるために必要な製品です。

長持ちさせたい方は耐熱性や耐摩耗性に優れたものを選びましょう。

キャブレータークリーナー

刈払い機(草刈り機)メンテナンス キャブレータークリーナー

主にキャブレーターのクリーニングに利用します。

キャブレータークリーナーを使うことで、噴射口の詰まりを溶かして洗浄し、燃料の流れをスムーズに回復させることが可能です。

中性洗剤

エアクリーナーを洗濯する際に利用します。

燃料保管容器

刈払い機(草刈り機)メンテナンス 燃料タンク

残っているガソリンや混合燃料を保管するために利用します。

ガソリンは揮発性が高いため、必ず専用の耐油・耐久性に優れた容器に入れて保管してください。

清掃用品

ブラシや雑巾などです。
本体を磨くための必須アイテムです。

などです。

日々のお手入れ・メンテナンス手順

ギアケース部分のメンテナンス

①回転軸のグリスを交換

回転軸に新しいグリスを注入することで、摩耗や焼き付きを防ぎ、動作がスムーズになり、刈払機の寿命を延ばすことができます。

ギアケースをメインパイプから外し、ヘッド部分のボルトを取り外すと注入口が見えますので、そこからグリスを注入します。
グリスを入れることで古いグリスが押し出され、内部全体に新しいグリスが行き渡ります。

あわせてゴミの除去やクリーニングも行いましょう。

使用後24時間以内をめどにチェックするようにしてください!

②刈刃の交換
効率よく作業するためには、切れ味が大切です。
切れ味が落ちていると作業効率が下がり、余計な力を使うことになってしまいます。
さらに、チップが欠けたまま使用すると回転のバランスが崩れ、チップソーの固定部分のネジが緩んでしまう恐れもあります。
小石を巻き込んだり固い草木を刈ることで劣化が進みやすい部分なので、切れ味が落ちたり欠けが見られた際には速やかに交換しましょう。

エンジン部分のメンテナンス

①点火(スパーク)プラグの確認・交換

点火プラグは、エンジン始動時に火花(スパーク)を発生させる重要な部品です。
スパークの状態を確認することで、エンジンがスムーズに始動できるかどうか判断できます。

先端の電極部分にカーボンが付着していると、火花が弱まり始動性が悪化する原因になります。

多くの刈払機では、点火プラグはほぼ同じ位置に取り付けられています。
「最近エンジンが掛かりにくい…」と感じたときは、まずここをチェックしましょう。

劣化している場合は交換が必要です。
刈払機用のプラグレンチ(チップソー交換時にも使用可)を使って取り外すことができます。

24時間程度使用したらチェックするようにしましょう。

②フィルターの清掃・交換

フィルターを清掃・交換することで、エンジンに取り込む空気の流れが良くなり、燃焼効率を適切に保つことができます。

エンジンは燃料と空気を混ぜて燃焼させる仕組みのため、十分な空気が取り込めないとパワー不足や始動不良の原因になります。

カバーを開けると見えるスポンジ状の部品がエアクリーナー(クリーナーエレメント)です。

草刈り機 メンテナンス エアクリーナー

エアクリーナーは、中性洗剤を使って洗浄しましょう。
汚れが落ちると、元のふわふわとした状態に戻ります。

あわせて、燃料タンク内にある燃料用フィルターも確認しておきたい部分です。
燃料を吸い上げる際にゴミをろ過する役割があるため、汚れている場合は交換を検討しましょう。

③キャブレーター部分の清掃・交換

燃料タンクからエンジンへ燃料を送るキャブレターは、内部に不純物が溜まりやすく、詰まりが発生しやすい箇所です。

そのため、定期的な確認とメンテナンスが必要になります。
分解したうえで、キャブレタークリーナーをしっかり吹きかけて清掃しましょう。

長期保管時のお手入れ・メンテナンス手順

長期間刈払機を使用しない場合(冬期間)などは、燃料を抜くようにしてください。

  1. 草刈機(刈払機)の燃料タンクに入っている燃料全てを保管容器に移す
  2. 保管容器を火の気のない安全なところに移す
  3. そしてキャブレター内に残っている燃料を完全に抜き取るようにします。

キャブレーターは燃料をタンクからエンジンに送る機構ですが、キャブレーター内に燃料が入ってしまうと詰まってしまいます。
キャブレーターのつまりを防ぎ、古い燃料の残留からのエンジントラブルを回避する意味でもキャブレーターから燃料を取り除きましょう。

長期間の保管の後、エンジンが円滑に掛かるように保管前にキャブレター内の燃料を空にすることが必要です。
燃料タンクから燃料を完全に抜き取った後に、エンジンを始動させて放置するとキャブレーター内の燃料が枯渇します。
これでキャブレーター内の燃料を空にできます。

エンジンを高回転させたほうが燃料は早くなくなりますが、低回転でアイドリングさせるのがエンジンへの負荷を下げるコツです。

ここまで、刈払機のメンテナンス方法をご紹介してきましたが、日頃から状態をきれいに保つことで、故障リスクを大幅に下げることができます。

POINT! メンテナンスの基本はクリーニングです。
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【Q&A】刈払機のメンテナンスに関するよくある疑問

刈払機のメンテナンス頻度はどのくらい?

使用時間で目安を決めるのがおすすめです。

たとえば刈刃の研磨・交換は20~30時間使用を目安に、点火プラグやギアケースのグリスアップは24時間ごとにチェックすると安心です。

また、シーズンが終わったら必ず燃料を抜き、エアクリーナーの洗浄など保管前のメンテナンスを行っておきましょう。

刈払機の寿命は?何年くらい使えるの?

正しくメンテナンスを続ければ、エンジン式で5~7年程度、電動式なら7年以上使えるケースもあります。

ただし使用頻度や環境によって寿命は大きく変わります。

雑草だけでなく小石が多い場所で使う場合や、メンテナンス不足の状態で長時間稼働させている場合は寿命が短くなる傾向があります。

刈払機のメンテナンス方法にメーカーごとの違いはある?

ホンダやマキタ、リョービ、ゼノアなど各メーカーから刈払機が販売されていますが、基本的なメンテナンス方法に大きな違いはありません!

違いが出るのは駆動方式で、エンジン式(2ストローク・4ストローク)とバッテリー式(電動)の構造差による部分です。

とはいえ、燃料供給や回転部分の潤滑など基本構造は共通しているため、メンテナンスも簡単です!

メンテナンスしても調子が戻らない場合の対処法は?

キャブレーターの詰まりや点火系統の不良など、自分でメンテナンスしても改善しないケースもあります!

その場合は無理に使い続けず、修理を依頼するのが安全です。

ただし修理費が高額になることも多いため、状況によっては買い替えを検討した方が効率的です。

そんなときは、アクトツールにご相談ください。

動かなくなった刈払機でも買取が可能な場合があり、査定額を新しい刈払機の購入資金に充てることもできます。

まとめ

刈払機(草刈り機)は、庭や畑の除草に欠かせない心強いツールですが、正しくメンテナンスを行うことで、性能を維持しながら長く快適に使い続けることができます。

特に意識したいポイントは次の3つです。

  • 基本はクリーニングが最優先
  • 使用時間を目安に定期メンテナンスを実施
  • 長期保管前は必ず燃料を抜く

メンテナンスに苦手意識がある方でも、まずは「汚れを落とす」ことから始めればOKです。
少しずつケアを積み重ねることで、作業効率も快適さも大きく変わっていきます。

「手入れしているのに調子が戻らない…」という場合は、無理に使い続けず、買い替えも視野に入れてみてください。

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システム開発課  Yoshida.K プロフィールはこちら

新卒で入社し、店舗での買取・販売スタッフ経験を経て現在は、アクトツールのマーケティング責任者として活躍中。多くのお客様との接客経験から得た工具に関する知識を活かして、ホームページの監修をメインに行っています。

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