【工具屋さん解説】溶接機の種類をわかりやすく解説してみた
- サルトくん
2021.05.18 2022.03.31
自分が溶接をはじめて使ったのは、小学校3年生の夏休みの時だったと思います。
昭和48年の夏、この頃の溶接機は、200v単相で今のタイプの小さい溶接機に比べると3倍から4倍くらい大きい溶接機でした。
当時はまだアーク溶接機か、ガス溶接で溶接作業を行っていました。昭和50年以降から半自動溶接機が使うようになったと思います。
アーク溶接は、溶接ホルダーに溶接棒を挟んで、溶接母材にアースを付けて行います。
母材は薄板、中板、厚板、になり薄板の厚みは1.2mm~3.2mmの厚みは4.5mm~9mmまで厚板の厚みは9mm以上になります。
ガス溶接は薄板2mm以下の厚みに多く使います、アーク溶接よりも難しい作業になります。
半自動溶接機は、炭酸ガスとワイヤーを使う溶接作業です、ワイヤーの太さは1.2mmが厚板の溶接、それ以下の太さのワイヤーは中板、の溶接の仕様が多いですね。
今はアルゴン溶接、スポット溶接などいろいろな溶接作業が増えてきています。
溶接機とは
溶接機とは、金属と金属を溶かして接合する機械のことです。
高温の溶接機内で、金属を液体になる温度である融点まで溶かし、冷ましてあらためて固体にすることによって金属同士を接合します。
溶接方法は、使用する溶接材や仕上がりによって、たくさんの選択肢があります。
そのため、溶接機にはさまざまな種類があるので、今回の記事ではその溶接機の種類と、おすすめの種類を紹介していきます。
溶接機の種類は?
溶接にはさまざまな方法があります。
一般的に溶接というと、アーク溶接のことを指します。
アーク溶接とは、電気(アーク放電:高電流により、電極間にすき間があっても流れる放電)を使って溶接する溶接方法です。
アーク溶接は、大きく分けて非溶極式と溶極式の2つに分かれます。
溶極式は、電極自体が溶加材となって、溶融して消耗するタイプです。
一方非溶極式は、電極がほとんど消耗せず、別途溶接材(溶接の際に加える添加材料)を用意する必要があるタイプをいいます。
非溶極式:TIG溶接・プラズマ溶接
溶極式:被覆アーク溶接・CO2/MAG溶接・MIG溶接・セルフシールドアーク溶接・サブマージアーク溶接
使用する溶接材や、仕上がりによって、どんな方法で溶接するかが細かく選ぶことができます。
以下では、それぞれの溶接機の説明と、オススメ機種を紹介していきます。
TIG溶接機
TIG溶接機は、熱に強く消耗しないタングステンを放電用電極として利用します。
タングステン電極と溶接材(母材)の間にアークを発生させて、アーク熱によって溶融接合させます。
アルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガスをシールドガス(金属の酸化・窒化を防ぐガス)として使い、金属を大気から保護します。
溶融池を見ながら作業ができるので、安定性に優れています。
溶接速度は比較的遅い溶接機です。
TIG溶接機のオススメ機種
HITBOX アーク溶接機 HB2200
販売価格:11,999円(税込)
HITBOXのHB2200溶接機です。
炭素鋼、合金鋼、軟鋼、銅、亜鉛メッキ管に加えて、こちらの溶接機ではステンレス鋼も溶接できます。
ハンドル付きのポータブルなデザインと、1.95kgの軽さによって、持ち運びも簡単にでき、どこでも使用することができます。
家庭用としても人気で、DIYにも向いている溶接機です。
被覆アーク溶接機
被覆アーク溶接は、フラックスと呼ばれる被覆剤を塗布した溶接棒を電極にして、溶接する金属との間にアークを発生させる溶接方法です。
電極自体が溶接棒の役割を兼ねているのが特徴です。
フラックスがアーク熱により分解されてガスになることで、溶接部分の酸化を防ぐことができます。
シールドガスを利用しないため風の影響を受けにくいので、屋外での作業にも向いています。
溶接速度は比較的遅い溶接機です。
被覆アーク溶接機のオススメ機種
PLASMARGON ノーガス溶接機 MIG-130
販売価格:16,500円(税込)
PLASMARGONのMIG-130溶接機です。
インバータ制御でスムーズに溶接を行うことができ、幅広いジャンルの溶接が可能なアーク溶接機です。
ガスタンクの無い溶接機で、フラックス入りワイヤを使用して溶接作業をします。
電流は4段階調節、ワイヤスピードは10段階に調整できるので、金属の厚さや種類に合わせて効率よく作業ができます。
自転車やバイクの整備、ガーデン補修など、プロの方も日曜大工の方も安心安全に使用できます。
CO2/MAG溶接機
CO2/MAG溶接は、アルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガスと、炭酸ガス(CO2)を混ぜた混合ガスをシールドガスとして利用して溶接する方法です。
シールドガスの気中で溶接材とワイヤの間にアークを発生させて、そのアーク熱によって溶接します。
不活性ガスに炭酸ガスを混ぜることによって、アークを補足しエネルギーを細く集中させ、溶け込みを深くさせることができます。
炭酸ガスが化学反応を起こしてしまうため、アルミなどの非鉄金属には使えません。
また、風には弱い溶接機なので、屋内での使用に適しています。
CO2/MAG溶接機のオススメ機種
ダイヘン CO2/MAG溶接機 ダイナオートXD200 CPXD-200
販売価格:372,666円(税込)
ダイヘンのダイナオートXD200溶接機です。
マイコンサイリスタ制御方式によって、適正電圧に自動で設定してくれます。
シンプルで使いやすい直読式電目盛が搭載されており、一元調整・個別調整の切り替えも可能です。
溶け込み制御機能により、ワイヤの突き出しの長さに関わらず溶接電流は一定を保たれ、安定した溶接ができます。
MIG溶接機
MIG溶接はMAG溶接と似ています。
唯一違うところは、MAG溶接がシールドガスとして混合ガスを使うのに対し、MIG溶接はアルゴンまたはヘリウムの不活性ガスのみを使います。
溶接面などの仕上がりが美しくなりますが、アークが広がるため溶け込みが浅いというデメリットがあります。
アルゴンガスは高価なので、一般的にはアルミニウム合金やステンレス鋼、耐熱合金鋼などの特殊な材料を溶接する際に利用されます。
MIG溶接機のオススメ機種
マイト工業 CO2/MAG/MIG溶接機 MDM-200
販売価格:212,045円(税込)
マイト工業のMDM-200溶接機です。
CO2溶接、MAG溶接、TIG溶接も設定すれば可能です。
液晶スクリーン採用によって、1つの画面であらゆる設定ができるようになり、操作が簡単です。
スパッタ制御機能が搭載され、スパッタ量を低減することができます。
ノンガスワイヤを使用すれば、ノンガス溶接も可能です。
セルフシールドアーク溶接機
セルフシールドアーク溶接は、ノンガスかつ半自動の溶接方法です。
シールドガスを使用せず、フラックスを塗布した溶接ワイヤを使用して、アーク発生と共にアーク柱と溶融池の酸化を保護して溶接します。
被覆アーク溶接の半自動溶接版ともいえます。
シールドガスを使用しないので、屋外での作業にも向いており、広範囲の溶接にも適しています。
セルフシールドアーク溶接機のオススメ機種
Denyo セルフシールド・炭酸ガス溶接機 SDW-225LSK
販売価格:1,431,000円(税込)
デンヨーのSDW-225LSK溶接機です。
状況や用途に合わせて、最適な溶接方法を選べる半自動エンジン溶接機です。
セルフシールド溶接、炭酸ガス溶接、手溶接の3つの溶接が可能です。
大型ドア、ワンタッチハンドルの採用により、エンジンの保守・点検がスムーズに行えます。
ブラシレス発電機の使用しているので、発電機はメンテナンスフリーです。
レーザー溶接機
レーザー溶接は、レーザー光線を溶接材である母材に照射して、金属を溶かしながら溶接する方法です。
レーザーの集光レンズにより細かい作業がしやすく、さらには異なる材料の接合もできるので、DIYで使える小型のレーザー溶接機も人気です。
アーク溶接と比較して瞬間的に高温になるため作業時間も短縮できるメリットがあります。
表面反射が強い母材は、うまくレーザーが照射できないので向いていません。
レーザー溶接機のオススメ機種
BAOSHISHAN レーザー小型溶接機
販売価格:23,000円(税込)
BAOSHISHANのレーザー溶接機です。
小型で軽く、持ち運びも簡単にできるので家庭用に向いています。
全方位の放熱により放熱速度が速いので、スピーディーに作業をすることができます。
スポット溶接が簡単にできるので、プラチナ、ゴールド、シルバーなどのアクセサリーの制作にもよく利用されています。
溶接棒の種類については以下の記事を参考にしてみてください!
まとめ
いかがでしたか?
今回は、溶接の方法と、溶接機の種類をご紹介しました。
溶接機は、使用する溶接材や、仕上がりによって、たくさんの種類から選ぶことができます。
溶接機をお探しの方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
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