圧着工具の種類一覧|端子別の選び方・使い分けをプロが解説

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圧着工具種類
 

圧着工具は電気工事や自動車・バイクの電装作業などに欠かせない相棒ですよね。
とはいえ「種類が多くてどの圧着工具を選べばいいか迷う…!」ということもあるのではないでしょうか。

端子に合っていない工具でカシメると、接触不良や発熱事故などにつながるおそれがあります。
現場に携わるプロほど、しっかり見極めたいものです。

この記事では、端子の種類や駆動方式別に圧着工具について解説していきます。
あわせて正しい使い方や選び方などもまとめましたので、気になる方はチェックしてみてください♪

 

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圧着工具とは?ペンチやニッパーで代用できない理由

圧着工具とは

圧着工具は、電線と圧着端子に強い圧力をかけて固定し、電気的に接続するために使用します。
ハンダを使わずに接続できるため、電気配線や電装部品などを取り扱う際に欠かせない工具です。

主な圧着工具には、圧着専門の「圧着ペンチ」と被覆剥きや切断などもこなす「電工ペンチ」があります。

  • 圧着ペンチ:圧着に特化。種類別で専用の型があり、主に電気工事で使用
  • 電工ペンチ:被覆ストリップや切断も可能な多機能タイプ。車の整備や細かな配線作業などで使用されることが多い

また、『ラチェット機構』を備えた圧着ペンチであれば、適正に固定するまで開かないため、安全性の確保につながります。

「ふつうのペンチやニッパー、プライヤーで潰せば?」と考える方もいるかもしれませんが、圧着専用工具ではないため圧着工具の代用はできません。

圧着不足による接触不良で、事故につながる危険性を含んでいるため絶対にやめましょう。

 

ペンチやニッパーの正しい使い分けについて、詳しく知りたい方は『ペンチとニッパーの違いは?プロが教える正しい使い分け 』 も参考にしてみてください。

 

【端子別】圧着工具(圧着ペンチ)の種類と対応用途一覧

圧着工具は種類によって対応端子や適合サイズが異なります。
そのため、まずは自分の用途に合ったものかを確認しましょう。

代表的な圧着工具についてまとめました。

端子の種類 対応工具 グリップ色(目安) 適合サイズ/刻印(目安)
リングスリーブ用(E) 圧着工具 黄 ◯・小・中・大など
裸圧着端子・裸圧着スリーブ用(P・B) 裸端子用圧着ペンチ 赤など 1.25・2・3.5・5.5・14・22・38sq(mm²)など/
1・2・5など
絶縁被覆付圧着端子用 絶縁端子用圧着工具
(圧着ペンチ)
青・赤・黄など
(色でサイズ区別)
0.3・0.5・1.25・2・3.5・5.5sq(mm²)など/
●や1・2など
絶縁閉端接続子用 絶縁閉端子用圧着工具
(圧着ペンチ・専用ダイス)
青、水色、緑など CE1・CE2 ・ CE5・CE8など
オープンバレル端子用 電装圧着工具
(電工ペンチ・専用ダイス)
ダイスの形状で確認 製品により異なる
(例・0.75~5.5sq(mm²))

識別色・適合サイズ・刻印についてはメーカーや製品によって異なる場合があります。
あくまでも、ひとつの目安としてお役立てください。

作業前に、使用する端子や電線のサイズと、各メーカーの適合表を確認するのがおすすめです。

 

リングスリーブ用(黄色グリップ)

黄色グリップのリングスリーブ用は屋内配線用電線接続工具として、JIS規格を満たした製品です(JIS C 9711適合品)。
屋内の配線工事に欠かせない工具といえます。

また、第一種・第二種電気工事士の技能試験で指定されている工具(JIS C 9711:1982・1990・1997 )のひとつです。

  • 対応端子:E形リングスリーブ(特小・小・中・大)など
  • グリップ色:黄色
  • 適合サイズ/刻印:◯(1.6mm×2本)小(1.6mm×3〜4本)・中(1.6mm×5〜6本)・大(1.6mm×7本)など/◯・小・中・大
  • 代表的な使用場面:一般家庭や商業施設などの配線工事

 

裸圧着端子・裸圧着スリーブ用(赤色グリップ)

R形(丸形)・Y形端子など、絶縁体のついていない端子をカシメるための圧着工具です。
主に配電盤や制御盤などの内部配線や機器接続などに使用します。

サイズの単位は電線の断面積を表す「sq(スケア )」。
「mm²」と表記されることもありますが、現場では1スケや2スケと呼ばれることが多いようです。

また、圧着マークは使用したサイズの数字が刻印されます。

そのほか、海外製品の場合はAWG(アメリカ規格)で表記されていることもあり、数値の数え方が異なるため注意が必要です。

  • 対応端子:R形(丸形)裸圧着端子・Y形裸圧着端子・裸圧着スリーブ(P・B形)
  • グリップ色:赤など
  • 適合サイズ/刻印:1.25・2・3.5・5.5sq(mm²)など/1・2・5など
  • 代表的な使用場面:配電盤や制御盤、産業用の配線など

 

絶縁被覆付圧着端子用・絶縁閉端接続子用(青グリップなど)

圧着部分に絶縁被覆がついた端子や閉端接続子に使用します。
絶縁部分を破らず内部だけを正確に固定することが重要なため、必ず専用工具を使いましょう。

適正ではない工具で力を加え、無理な圧着で被覆が破けてしまうと事故の原因になります。

また、絶縁被覆付圧着端子用については、グリップ色によって対応サイズが分かれている場合もあるため確認が必要です。

▼絶縁被覆付圧着端子用

  • 対応端子:R形(丸形)・Y形・TC形(棒形)など
  • グリップ色: 青・赤・黄など
  • 適合サイズ/刻印:0.3・0.5・1.25・2・3.5・5.5sq(mm²)など/●・1・2など
  • 代表的な使用場面:電気製品内部の配線、自動車やバイクの配線など

▼絶縁閉端接続子用

  • 対応端子:CE形(現場ではハット端子やUFO端子などと呼ばれることも)
  • グリップ色:青・水色・緑など
  • 適合サイズ/刻印: CE1・CE2・CE5・CE8など/1・2・5など
  • 代表的な使用場面:住宅の電気配線など

グリップ色・適合サイズ・刻印については各メーカーで異なるため、公式ページや仕様書を確認しましょう。

 

オープンバレル端子用(ギボシ・平型端子など)

オープンバレル端子は2つの爪がついており、芯線と被覆を別々に固定する仕組みです。

内側に巻き込むように固定するため、ダイス部分がM型(山型)で、裸端子用や絶縁端子用などと形状が異なります。

識別色・サイズ表記・刻印などが規格で定められていないため、一見では判断しにくいので注意が必要です。
仕様書やダイスの形状で適しているかどうかを見極めましょう。

  • 対応端子:ギボシ端子・平型端子など
  • グリップ色:メーカーにより異なる
  • 適合サイズ・刻印: メーカーにより異なる(例:0.75~5.5sqなど)
  • 代表的な使用場面:制御配線・自動車・バイクの電装・電子工作など

 

【駆動方式別】圧着工具(圧着ペンチ)の代表的な種類

圧着工具は駆動方式が異なり、手動式・油圧式・電動式に分かれます。
電線の太さに合わせて適切なツールを選ぶことが大切です。

  • 手動式:~14sq程度が目安
  • 油圧式:22sq以上が目安
  • 電動式:14~250sq程度が目安(メーカーにより異なる)

製品によって異なるため、上記はあくまでも参考程度の数値になります。

22sq以上の太物は圧着にパワーが必要なため、油圧や電動タイプの導入を検討しましょう。

そのほか、LAN配線用(RJ45コネクタ用)やPEX配管(架橋ポリエチレン管)など電気端子以外に対応した圧着工具もあります。

次項目で、各駆動方式を解説していくので、それぞれ見ていきましょう。

 

手動式(ラチェット機構付きなど)

圧着工具の主流といえるタイプで、握力だけでカシメることができるため、扱いやすく取り回しが良い点が魅力です。

カチカチと音が鳴るラチェット機構(成形確認機構)付きが一般的。
不完全な圧着を防止するため、適正なところまで握り込まないと開かない構造になっています。

手動式(ハンドプレス)での圧着に適した電線の太さは「14sq程度まで」です。
これ以上の太物をカシメる場合は、圧着不足になってしまうリスクがあるので注意しましょう。

また、通信ケーブル用の圧着工具は手動タイプが主流となっています。

 

油圧式(手動油圧・電動油圧)

油圧式は、作動油に力を加えることで発生する動力を利用して圧着します。
手動式(ハンドプレス)では難しい太物もしっかりカシメられる点が魅力で、22sq以上の太物を扱う際に欠かせない圧着工具です。

油圧式には手動式と電動式があります。

  • 手動油圧:手動で加圧・コストが抑えられる
  • 電動油圧:自動で加圧・圧着作業の負担を抑えられる

手動油圧は、電源不要で複雑な構造がないため扱いやすい反面、自分の力で操作するため疲労が溜まりやすいのが難点。
電動油圧は、初期導入コストがどうしても高額になりがちです。

また、バッテリー重量が加わり重くなるため、狭い場所の取り回しにはコツが必要になります。
油圧式を選ぶ際は、現場の環境や連続作業の量を考えつつ、予算に合わせて導入しましょう。

 

「高額なのは痛いけど、電動油圧も気になる…」という方は、整備された中古品を検討されるのもおすすめです。

アクトツールで電動油圧式圧着工具をチェックしてみる。

 

電動式・充電式

電動式・充電式は、電気の力を利用して圧着します。
AC電源タイプもありますが、バッテリー(リチウムイオンなど) を利用するコードレスタイプが主流です。

ボタン操作のみで圧着でき、自分で力を加える必要がないため体力的な負担を減らせる点が魅力。
また、コードレスで扱いやすく、反復作業や高所作業でも効率よく進めることができます。

電動式・充電式圧着工具で定番といわれているメーカーは、マクセルイズミ(旧・泉精器)・マキタ・パナソニックなどです。
小型端子から太物まで対応できる製品を扱っています。

 

ほかにも、電気端子以外(配管用など)の圧着・かしめ工具もあるため、作業内容に合わせて選びましょう。

 

圧着工具選びの失敗を防ぐ3つのポイント

圧着工具選びでの失敗を防ぐポイントを3つにまとめました。
選ぶ際に参考にしてみてくださいね。

ポイント1:JIS C 9711適合マークの有無

電気工事士の技能試験では、JIS C 9711に適合したリングスリーブ用圧着工具の使用が指定されています。
現場での安全性や信頼性につながるため、しっかり確認しましょう。

ポイント2:ダイス刻印と適合sqの確認

用途に合わせて、メーカーが推奨しているダイスやsqを選ぶことが重要です。
不適合サイズや代用品では、強度不足や接触不良など事故の原因になるおそれもあります。

ポイント3:多機能タイプ任せにしない

多機能タイプ(兼用品)は1本持っていると重宝しますが、1本ですべての圧着は不可能と覚えておきましょう。

『専用』ではないため、圧着不良を起こす可能性があります。

リングスリーブ用・裸端子用・絶縁端子用・オープンバレル用など、用途に合わせた道具を揃え、プロならではの安全性や信頼性を確保するのがおすすめです。

失敗を防ぐポイントを押さえ、購入ミスや作業時のトラブルを未然に防ぎましょう。

 

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圧着不良を防ぐ正しい使い方とチェック方法

事故のリスクを伴う圧着不良を防ぐためには、適合した工具選びはもちろん正しく使うことも重要です。

基本的な手順は以下になります。

  1. 芯線の被覆を剥く:リングスリーブなら約20mmが目安(推奨が異なるためストリップゲージや仕様書の確認が必須)
  2. 端子・スリーブへの電線挿入:芯線の先を揃えて、しっかりと差し込む。挿入不足・挿入過剰がないかチェックする
  3. ダイスを選ぶ:電線のサイズ・種類・本数に合わせて選ぶ
  4. 圧着後の確認と仕上げ:しっかりと握り込みカシメたあと刻印がしっかり残っているか確認し、余分な電線を切り揃える

補足として、電気技術者試験センターでは技能試験の際に、リングスリーブの上端から芯線が5mm以上、下端から芯線が10mm以上露出しているものは欠陥の判断基準に当てはまるとしています。

圧着後は、芯線のはみ出し・スリーブ割れ・歯口違い(圧着痕の歪みなど)・刻印不鮮明など圧着不良がないかしっかり確認しましょう。

また、圧着不良の場合は安全確保のためにも、切断して再圧着が基本です。

 

圧着工具を複数揃えるなら中古の活用もおすすめ

電気工事に欠かせない大切なツールなので、用途に合わせて2〜3本持ち分けたい方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、端子別に複数揃えると出費がかさみますよね。

特に油圧式や電動式の場合は高額になりやすいものです。また、使用頻度が低いのであれば購入をためらうケースも少なくありません。

少しでもコストを抑えたい場合は、整備された中古品の活用がおすすめです。
状態がよい中古品であれば、費用を抑えつつ使える圧着工具を揃えられますよ。

アクトツールでは、圧着工具も取り扱っています。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

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圧着工具の種類に関するよくある質問

グリップ色の違いや電気工事士技能試験で必要な圧着工具など、気になる点がある方もいるのではないでしょうか。
ここでは、圧着工具の種類についてのよくある質問をまとめました。

 

圧着工具のグリップの色(黄・赤・青)は何が違うの?

グリップの色は対応端子別に分かれており、識別するための目安として使われています。

  • 黄:JIS規格のリングスリーブ用
  • 赤:一般的には裸圧着端子やスリーブ用など
  • 青:絶縁被覆付端子用や閉端接続子用など

ただし、JIS規格以外は、メーカーごとで色が異なるケースもあるため注意が必要です。

また、グリップ色は対応端子を識別するだけでなく、対応サイズで分かれている(絶縁被覆付圧着端子用)ケースもあるため、グリップ色だけで認識せず対応端子を確認しましょう。

 

第二種電気工事士の技能試験ではどの圧着工具を使えばいい?

JIS C 9711に適合した黄色グリップのリングスリーブ用が指定されています。

また、適合した圧着工具でも、圧着マークの〇・小・中・大が鮮明に刻印されなければ、欠陥の対象となるので注意が必要です。

詳しく知りたい方は『第二種電気工事士試験』の受験案内をご確認ください。

 

圧着工具1本ですべての端子に対応できる?

電線や端子ごとに適合するサイズ・形状などが異なるため、1本ですべての端子には対応できません。

適正ではない代用品で圧着すると、圧着不良による事故につながる可能性があります。

用途や作業内容に合わせて適切な圧着工具を選び、安全性と信頼性を確保しましょう。

必要な圧着工具がどれかを知りたい場合は、「【端子別】圧着工具の種類と対応用途一覧」に目安をまとめてあります。
どの圧着ペンチにすればいいか迷った際にご活用ください。

 

まとめ:端子に合った圧着工具の種類を選んで確実な施工を

圧着工具は電気工事で欠かせないツールで、1本ですべての端子を圧着することはできません。
不適合な工具で固定すると圧着不良の原因になるため、用途に合ったものを選びましょう。

まずは、端子形状や電線のサイズの確認をし、ダイス(歯口)・グリップ色・適合サイズなどもあわせてチェックします。
リングスリーブ用の場合はJIS適合品かどうかを確かめることも大切です。

種類が豊富な圧着工具の中から適正なものを見極め、確実な施工につなげましょう!

 

圧着工具の買い足しや買い替えを検討中であれば、整備された中古品の活用もひとつの方法です。
不要工具を買い取ってもらい、新規購入の費用に回すこともできますよ。

中古の圧着工具について気になった方は、当記事の『圧着工具を複数揃えるなら中古の活用もおすすめ』もご覧ください(^^)

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