【マキタ】40Vmaxバッテリー情報を工具のプロが解説
- サルトくん
2021.06.24 2023.09.26
マキタのリチウムイオンバッテリーシリーズの中では最新かつ一番スペックの高い、40Vmaxシリーズ。
今までよりさらにパワフルに、作業能率をあげてくれる画期的なバッテリーです。今回の記事では、マキタの40Vmaxリチウムイオンバッテリーについての情報を紹介をしていきます。
シリーズの紹介やスペック面での比較など、基本情報をすべて網羅していきます。40Vmaxバッテリーの興味のある方や、これから購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください!
目次
マキタ40vバッテリーの基本情報は?
40Vmaxシリーズは、2019年10月から展開されているマキタの新たな高出力電動工具シリーズです。今まで主力製品として展開されていたのは18Vシリーズでしたが、今後マキタは40Vmaxも主力製品のひとつとして展開していくと発表しています。
一般向けの商品は18V、プロ・高出力向けは40Vmaxと大きく2つに分けた商品展開が今後は見られそうです。40Vmaxシリーズには、パワーだけでなく、今までのリチウムイオンバッテリーにはなかった優れた性能が追加されています。
ちなみにバッテリーだとHiKOKIのマルチボルトバッテリーシリーズも有名ですよね。
HiKOKIの電動工具を使っている方は【初心者向け】ハイコーキのマルチボルトの特徴・互換性・種類は?もあわせてチェックしてください(^^)
HiKOKI(旧日立工機) リチウムイオン電池 36V マルチボルト 2.5Ah
40vバッテリーのラインナップ
40vバッテリーのラインナップは、バッテリ容量が2.5Ah・4.0Ah・5.0Ahの3種類。
バッテリ容量が大きくなればなるほど充電時間はかかりますが、その分作業効率も上げてくれます。
スマートシステム
まず40Vmaxシリーズの独自の画期的なシステムといえば、スマートシステムです。
スマートシステムとは、工具・バッテリー・充電器の3つが連携しあって最適化のデジタル通信を行い、よりパワフルに能率よく充電をすることができるシステムのことをいいます。
それにより、従来から搭載されていた最適充電機能に加え、バッテリーの最適給電の機能が新たに追加されました!
※従来から搭載されていた最適充電機能とは・・・?
最適充電機能とは、バッテリーと充電器にそれぞれ搭載したICチップによる通信機能により、バッテリーの使用状況に合わせた最適な充電方法を自動で選択してくれる機能です。
独自の冷却構造により高温のバッテリーでもすぐに強制冷却をし、充電待機時間を大幅に短縮することができます。
また充電中や充電後にバッテリーが高温になりにくいので、寿命も向上します。
バッテリーの最適給電の機能
今回新しく導入されたバッテリーの最適給電機能では、バッテリーの状態に応じて工具とバッテリー間の給電制御を最適化し、バッテリーの負荷を最小限に抑えることができます。
バッテリーの充電と使用する工具に合わせて、自動で最適な方法を選択して給電することができるんです。
この機能のおかげで、高負荷時でもパワーを最大限に引き出しつつ、バッテリーの長寿命化を同時に実現することができるようになりました。
具体的には高負荷時の連続作業時間が最大約2.2倍に、バッテリーの寿命は約50%もアップしています。
負荷のかかるプロの作業現場では、いちいち作業をとめて充電器を変えなければいけないのは手間になりますし、かといってパワーを妥協することもできません。
スマートシステムの導入により、さらに現場での負担が減り、作業能率がアップすることになります。
優れた耐久性
さらには、40Vmaxシリーズではバッテリー自体の耐久性もUPしています。
防じん・防水保護等級はIP56で、
- 高剛性レール
- 衝撃吸収構造
- 端子短絡防止構造
- 防水3層構造
4つの機能が新たに追加されました。
これらの機能により、耐衝撃性は約40%アップしており、過酷な現場でも安心です。
従来からマキタの工具にはこの防じん・防水保護機能はついていましたが、バッテリー単体でIP56に適合しているのは40Vmaxシリーズが初めてです。
※工具本体に装着した場合には防水保護等級が変わるので注意が必要です。
バッテリーを工具に装着した際には、工具にもともと備わっていた保護等級にグレードダウンするか、保護等級非適合の工具に装着した場合には防じん・防水に対する保護が無効になります。
このスマートシステムとIP56適合の優れた耐久性を含めた新しいテクノロジーの搭載により、いかに過酷なプロの現場であっても、マキタの電動工具はさらに申し分ない機能を発揮できることができるようになりました。
40Vmaxバッテリーシリーズは、マキタのパワフルで高性能な電動工具に十分に対応できるバッテリーなのです。
実際は40Vではなく36V?
マキタの40Vmaxバッテリーシリーズは、常に40Vで動くわけではないので、この点は誤解のないようにしておきましょう。
40Vmaxのシリーズは、名前のとおりMAXフル充電のときに40Vで働きます。
そのため、フル充電の最初のみ40Vとなり、フル充電でない通常時は36Vとなります。
バッテリーの裏の商品説明にも、きちんと36Vとの記載があります。
40Vmaxバッテリーは、基本的には36Vのバッテリーだと理解しておきましょう。
マキタ40vバッテリーの種類は?
マキタの40Vmaxのバッテリーは、現状2種類の商品展開がされています。
ここでは、それぞれのスペックを比べていきたいと思います!
容量 | 2.5Ah |
出力 | 1,150W |
重さ | 約0.7kg |
セルサイズ | 18650 |
実用充電 | 約19分 |
フル充電 | 約28分 |
40Vmaxシリーズの主力バッテリーとして展開しているのが、BL4025です。現在展開している40Vmax対応の工具に標準付属しようとして採用されています。このシリーズでは最も普及が進んでいるバッテリー。そのため、40Vシリーズ内で、職人さんに最も人気な機種と言った印象です。
容量 | 4.0Ah |
出力 | 1,510W |
重さ | 約1kg |
セルサイズ | 21700 |
実用充電 | 約31分 |
フル充電 | 約45分 |
40Vmaxバッテリーシリーズの大容量バッテリーとして展開しているのが、BL4040です。BL4025より一回り大きいのが特徴。従来の18650リチウムイオンセルからさらにバージョンアップし、21700セルを採用しています。それによって大出力が実現できるようになり、コード式タイプの工具にも劣らない1,510Wものパワーを出すことができるバッテリーです。稼働時間がBL4025より長く「ハイコーキの36V 2.5Aでは少し物足りない…」という職人さんが購入することも。
BL4050F MAX 40V 5.0Ah(A-72372)
容量 | 5.0Ah |
出力 | 2,000W超 |
重さ | 約1.3kg |
セルサイズ | – |
実用充電 | 約38分 |
フル充電 | 約50分 |
40Vシリーズの最強バッテリー5.0Ahです。BL4025が717g程度で、BL4050は1.3kgと非常に大きいのが特徴。バッテリーがとにかく大容量で、長時間草刈りなどの作業を行う方が検討していると言った印象です。
マキタは今後、40Vmaxシリーズを主力シリーズのひとつとして展開していく予定です。今後さらに技術が発展すれば、どんどん新しい大容量かつ高性能なバッテリーが出てきそうですね!
マキタ40Vmaxとマルチボルトバッテリーのスペックを比較
ここからはマキタ製バッテリー「40Vmax」と、ハイコーキのマルチボルトバッテリーを比較してみました!
40Vmax | マルチボルト | |
バッテリーの電圧 | 18V | 36V・18V |
18Vとの互換性 | 無 | 有 |
拡張規格 | 有(80Vmax) | 無 |
ラインナップ数 | 110製品〜 | 69製品〜 |
防水防塵 | 有 | 無 |
上記のとおり、残念ながら40Vmaxに互換性はありません。
ただ、マキタ製の18Vは使用しない、もしくは18Vバッテリーを既に持っているならば40Vmaxを検討しても良いと思います。
また、40Vmaxは防水防塵がIP56に対応しているため、工事現場でも使いやすいバッテリーです。
さらに拡張規格が使えるのも40Vmaxのメリットとなります。
対応している工具数も40Vmaxの方が多いため、「これから40Vmax対応の電動工具をたくさん買っていきたい!」という方にオススメです。
マキタの40Vmaxと18Vはどっちを買った方がいいの?
上記の悩みについては、状況によります。
まず「とにかくパワーが最強で、高負荷作業でも長持ちするバッテリーが良い」と考えている方は、40Vmaxをオススメします。
シンプルに18Vよりも40Vmaxの方が、パワー・作業時間は上がる傾向にあるためです。
ただ、後程紹介もしますが40Vmaxに互換性はありません。
そのためより多くの工具を使い回したい場合は、18Vにする方が良いと思います。
ただ、今後マキタは40Vmax対応の工具を多数販売していくことも考えられるため、その点も考慮しておく必要はあります。
それでは具体的に、18Vと40Vmaxでは性能にどのくらいの差が出るのか見てみましょう。
今回は40Vmaxのマキタ製インパクトドライバー「TD002G」と18Vの「TD172D」の2機種の性能を比較します。
TD002G(40Vmax) | TD172D(18V) | |
最大締め付けトルク | 220N・m | 180N・m |
回転数 | 0〜3,700min-1 | 0〜3,600min-1 |
打撃数 | 0〜4,600min-1 | 0〜3,800min-1 |
上記のようにトルクはもちろん、回転数・打撃数もTD002Gが上回っています。
そのためパワー重視の方は40Vmaxをオススメしますが、TD172Dも180N・mとかなり強力。
180N・mあればほとんどの作業にも対応できるはずなので、今TD172Dを保有している方はわざわざ40Vmaxに乗り換える必要はないと思います。
ただ、
「とにかく40Vmaxを使ってみたい」
「作業効率をアップさせたい」
という方は、パワー重視の40Vmaxは合うと思うので、ぜひ検討してくださいね。
マキタ40vバッテリーの互換性は?
マキタの40Vmaxバッテリーには、他のバッテリーとの互換性がありません。
そのため、以前のマキタ36Vシリーズや、14.4V/18Vシリーズと一緒に使うことはできません。
これは、このシリーズの唯一のデメリットといえるでしょう。
そのため、BL4025やBL4040を使用する際には、お手持ちの工具も新調する必要があります。
また逆に、40Vmaxリチウムイオンバッテリー対応の工具は、BL4025またはBL4040を使用する必要があります。
40Vmax対応機種とシェア率は?
スマートシステムの仕組みは、工具・バッテリー・充電器の3つが連携しあって最適化のデジタル通信が可能になるので、他のシリーズと組み合わせてしまうとうまく機能しません。40Vmaxに対応している機種は上記の「TD001GRDX」やここ最近販売を開始した「TD002G」が挙げられます。
TD002G
アクトツールではTD002Gの特徴や機能を解説している「【2022年最新機種】マキタ製「TD002」40V充電式インパクトドライバー発売」もあるので、あわせてどうぞ(^^)
他にも対応機種はたくさんあるので、下記から代表的な電動工具を紹介します。
DF002GRDX
TW004GRDX
充電式インパクトレンチ
HS001GRDX
充電式丸のこ
JR001GRDX
充電式レシプロソー
他にも40Vmaxに対応している電動工具はさまざまあるので、ぜひご興味がある方は他工具もチェックしてくださいね(^^)
ちなみにマキタは日本国内シェアも60%を誇り、電動工具市場ではトップを走るメーカーです。
製品自体の質も良く、長く使える工具として知られています。
そのためタフな現場などでマキタ製工具はかなり重宝されており、これから建築・土木現場で働く予定の方にもオススメのメーカーです。
プロの職人としてタフな現場でも働く予定ならば、40Vmax製の電動工具を使うことでメリットも多いと思います。
また40Vmaxのシリーズを使用する際には、最初から計画を立てて、工具はもちろん充電器・充電器用互換アダプターなどのシリーズ全てを揃えるようにするのをオススメします。
こちらの40Vmaxバッテリー用充電器DC40RAは、2段階の速度で充電をする機能がついています。
実用充電(約80%)までは素早く急速充電が可能で、100%の満充電までは無駄なパワーを抑えて速度を落としてしっかりと充電します。
急ぎでない場合はついているとありがたい機能です。
ADP10では、14.4V/18Vバッテリーも充電可能です。
(ライトバッテリーは不可)
すでに14.4V/18Vシリーズなどの工具をお持ちの方には、すべて一式を最初から揃えるのは少し手間になるかもしれません。
実際のところ、プロの建築現場でなく日曜大工やDIYで利用する場合は、40Vmaxまでの性能は必要にならないので18Vほどの容量があれば十分でしょう。
プロの建設現場など、パワーや充電の持ちが必須の場合は、40Vmaxバッテリーのシリーズを揃えれば作業には申し分ないです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、マキタの40Vmaxリチウムイオンバッテリーについての紹介と比較をしていきました。
パワフルさとスマートシステムによる充電の持ちや能率の良さは40Vmaxシリーズの最大の魅力です。
今まで充電の持ちやパワー不足に不満のあったプロの現場では、画期的な商品シリーズ展開になっています。
これから40Vmaxバッテリーの購入をお考えの方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください!
また、アクトツールではマキタの40Vmaxの販売も行っています(^^)
美品を多くご用意しておりますので、ぜひご興味がある方は下記からチェックしてくださいね。